第四十三話 巨大獣バミンゴ 勝利を呼ぶ5人の力! 2
俺達は千草の戴冠式の準備をするチームと、ボボンガの村に向かうチームの二手に分かれた。
ボボンガの村に向かうチームは俺以外にはマーヤちゃん、ミザーリン、トニーとタイタン部隊、ブレン、フジ子、サブロウ、鉄巨人イチナナ、イチハチ、そしてボボンガ、コレだけが機動要塞ドグローンでボボンガの村に向かった。
しかし本編では三十六話で撃沈するはずだったドグローンが大活躍だな。
この少し気持ち悪いはずの超巨大骸骨にも愛着が湧いてきたくらいだ。
俺達は帝都インペリアルから離れたボボンガの村を目指して飛んだ。
ボボンガの村は何か未来的とも古代的ともつかない不思議な遺跡の近くにある原住民の村といった感じの場所だった。
村にはわずかな住人が住み、男は存在しなかった。
どうやら原住民としてダバール星人の貴族達にハンティングされ、激闘の末生き残ったのがボボンガだけだったようだ。
その後バルガル将軍がその気迫と強さを気に入り、自らの部下に迎え入れたらしい。
俺は村に着くなり子供達に石を投げられた。
「カエレ! カエレッ!!」
「トーチャン、カエセッ!」
俺に投げられた石はマーヤちゃんが受け止めて手で握りつぶした。
マーヤちゃんマジ怪力。
「ご主人様に何をするんですかー!」
「よせ、マーヤ。この子達は親を奪われたんだ、そりゃあ怒るよ」
「でも……」
「マテ、オレガハナス」
ボボンガは村人達に俺達には解読不可能な言葉で話し、どうにか説得をしてくれたようだ」
「ほう、彼等は敵では無い。この村の外れの円を調べる為に来た、と言っているな」
流石はブレイン総統、一瞬で現地人の言葉を理解したようだ。
「$£€%>=~~#」
ブレンは原住民に何かを伝えたらしい。
すると、原住民はブレンにひれ伏した。
「一体なんと言ったのだ?」
「簡単な事だ、わたしは神だ。この者達はわたしの神の兵だ。と言っただけだ」
凄い、たったそれだけで原住民を支配するなんて、コイツが敵じゃなくて本当に良かったと思う……。
ブレンとボボンガのおかげで俺達は敵と見られなくなった。
そして俺達は村から少し離れた場所にあるミステリーサークルに到着した。
「ほう、コレは確かに地球にある円と同じだな、確かにコレはワープ装置かもしれん」
太古の昔、アーゴンはこの円から攻めてきた古代文明の地球人と戦い、退けた後に反対にこのワープ装置に入って地球から戻れなくなったらしいな。
「でも、どうすれば?」
「わたしに任せたまえ。どうやらここはエネルギーフィールドの反応があるようだ。その辺りに何か無いかね?」
俺達が円の近くを調べると、そこには苔むしてただの岩にしか見えないがよく見ると何かのパネルの跡のような物が見つかった。
「ふむ、これがどうやら転送装置のユニットのようだ。このユニットを修理すれば、このワープ装置は復旧するだろう。いくつか足りないパーツがあるがわたしの復元、修復装置があれば容易く修理可能だ」
流石は巨大頭脳ブレイン総統、敵にすると恐ろしいが味方にするとここまで頼もしいチートキャラだとは……。
数時間もするとブレンが修理したワープユニットが作動し、円に光が灯り出した。
「成功だ、まずはわたしが試してみよう。有機生命体である君達がもしこの中に入って戻れなかったり、変な姿になってしまってはもう修復不可能だからね。だが、機械で無機物であるわたしなら少々の不具合は自ら治す事ができる」
ブレンの言う事はもっともだ。
彼なら少々壊れても自己修復が可能、実験台には最も適している。
「ブレン、本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫だ、問題無い」
そう言うと、ブレンは光る円の中心に移動し、空中から地面に接地した。
「どうやら空中にいると移動できないようだからね」
そう言った直後、ブレンの姿が一瞬光ったと思ったら……その場から姿を消した!




