第四十三話 巨大獣バミンゴ 勝利を呼ぶ5人の力! 1
俺達はボボンガのおかげで本編でも謎のままだったアーゴンの事がわかった。
しかし、今度はラゲンツォが何なのかという謎が残ってしまた。
俺の考えた厨二病最強最悪ロボのはずが、何故かこの世界の古代人が倒した魔神の名前と同じとは……。
——まさか! 俺はひょっとしてこの世界のアカシックレコードに触れてしまっていたのか!?——
そういえば、——マシンダーA——の作者の別作品である、——悪魔王デーモン——の話を聞いた事がある。
デーモンは悪魔妖族の裏切り者が人間の味方になって戦う怪奇ロマンアクションとも言える作品だったが、描いている途中から作者の中に記憶が無い話がいくつも有ったらしい。
つまり、悪魔王デーモンは作者の手を離れ、アカシックレコードに触れてしまった事で描かされた大作だったと言われているのだ。
もし、俺の考えたラゲンツォがボボンガの言い伝えにある魔神ラゲンゾと同じだとすれば、俺はアカシックレコードに触れてしまったとも言えるのだ。
——全く何ということだ、まさか自分で考えたと思っていた最強ロボットが宇宙のアカシックレコードに有った古代の最強最悪の魔神だったとは……。
そうなると、ラゲンツォの最終形態である、ラグ・ラゲンツォなんて、マジでやばい物体かもしれない!!
俺の考えたラグ・ラゲンツォは自己再生能力に加え、クェーサーカノンを上回る時空崩壊砲なる究極兵器を持っていた。
マジで破壊神だ、どう考えてもラスボスです。はい。
困った困った困った、マジで困った。
もしあの三島のブキミーダがそんなモン作ってしまったらマジでどうすればいいんだよ!
しかし、古代文明のアーゴンはラゲンツォを倒したってんだよな、それならアーゴンを手に入れればラゲンツォを倒す何かがわかるかもしれない。
「ボボンガ、もう少し質問してもいいか?」
「ナンダ?」
「ボボンガの首飾り、それはアーゴンを制御する物と考えていいのか?」
「ソウダナ、アーゴン、クビカザリノモチヌシノイウコト、キク」
なるほど、それで本編ではブキミーダが首飾りを手に入れたのでアーゴンがガッダイン5と戦うことになったわけか。
これはアーゴンを見つけ出すしかあのラゲンツォを倒す方法は無さそうだ。
仕方ない、俺達はボボンガの村に行ってみよう。
さて、帝都インペリアルでは、デスカンダル皇帝を追い出した革命軍がハリール王子の娘である千草を正式に女帝として迎え入れる準備を始めた。
アクラデスとダンダルは結局皇帝宮殿内に有ったクローン製作工場を見てしまったが、自分達の過去と決別する為にこの場所を爆破し、失敗作を自ら葬った。
その二人を竹千代とコーネリアが見守った事で彼女達は自身の因縁を断ち切る事が出来たのだ。
さて、千種の戴冠式や帝都インペリアルの復興作業はガッダインチームとマグネコンドルのクルー達に任せて、俺達はボボンガの村に行くことにしよう。
バルガル将軍やシャールケンは千草が自分達の敬愛するハリール王子の娘だとわかっているので、彼女が皇帝になると聞いて涙を流して喜んでいた。
「おや、クニヒロさん、貴方はどこへ行かれますぞい?」
「代々木博士、俺は気になる事があるのでボボンガの村に行ってみます」
「ご主人様、ワタシも付いていきますー」
どうやらマーヤちゃんも俺に付いてくるようだ。
「クニヒロ君、わたしも君に付いていこう。むしろ、わたしがいなければワープ装置の事はわからないのでは無いかね?」
確かに、今地球にいるブレイン総統の協力無しにはワープ装置の実証は出来ない。
しかし、カミングアウトした後は俺の事をブキミーダと呼ぶ奴はいなくなったな。
みんないくら俺が努力して色々と結果が変わっても、本心ではブキミーダの事を嫌っていたのだろう。
「ボクも付いていく、ブレインを見張っていないと、なにをするかわからないから!」
「おやおや、わたしは信用されていないようだな。まあいい、好きにしたまえ」
どうやらフジ子と鉄巨人イチナナも俺に付いてくるようだ。




