第四十二話 巨大獣アーゴン 平和を取り戻せ 11
8月27日は大月ウルフ氏のお誕生日だったそうです。
ウルフ博士のモチーフになった特撮の悪役外人役者さんだった方です。
――しかし、凄いものだな、ブレイン総統は地球から遠く離れたダバール星に瞬時に転送装置で玉璽を転送した。
そういえばウルフ博士に玉璽の入ったペンダントを奪われた事なんて誰も気づいていなかったんだよな、
そうだ! ウルフ博士、アイツに聞けばひょっとして今ここにアーゴンの居ない理由が分かるかもしれない。
「ウルフ博士、質問に答えてもらいたい」
「ヘン、何だ? ワタシに何の用だ!」
「お前はあの三島のブキミーダとずっと一緒にいたよな、アイツがアーゴンという何かを手に入れたって話は聞いた事が有るか?」
「知るか、ボケ! まあ、アイツが何か変な円の中で――何故ここから移動できないのだ!?――とかわけのわからん事を言っていたのは覚えてるがな!」
「変な円?」
「そうだ! 変な円がフィリピンの山の中に有って、アイツは喜んでその中心に立ったんだが、何も起きなかったので悔しがっていた」
そのウルフ博士の返答に興味を持ったのはブレイン総統だった。
「ウルフ君、初耳だよ。何かね? その変な円とは」
「ワタシも知らない、本当だ。ただ場所だけは覚えている」
「そうか、それではその場所をわたしに教えるのだな」
「わ、わかった。教えるから電撃はやめてくれ」
ウルフ博士はブレイン総統に変な円のあった座標位置を伝えた。
「ほう、わたしのカメラで見つけたよ。これがどうやらウルフ君の言っていた変な円に違いあるまい」
「ご主人様ー。ワタシ、コレ……水曜ダイナミックで見ましたー」
——これは! 水曜ダイナミックのアーゴンを探せの中で番組の後半に出てきた謎のミステリーサークルだ!——
コレは一体何なんだ?
「オレ、コレミタコトアル。ボボンガノムラ、スコシトオク、コレトオナジモノ……アル」
そうか、コレでわかった!!
「話は聞かせてもらった。つまり、このミステリーサークルは、ダバール星と地球のワープ装置だったんだよ!!」
「「「な。なんだってー!!!」」」
まあある意味トンデモ理論だが、あの三島のブキミーダがミステリーサークルの中心で一喜一憂していたと聞くと信ぴょう性も増すだろう。
このワープ装置でアーゴンが地球に送られたとすれば、アーゴンは古代ダバール星人の巨大兵器だった可能性が高い。
だがなぜ地球に?
「ボボンガ、アーゴンって一体何なんだ?」
「アーゴン、ボボンガノマモリガミ。トオイセカイカラノシンリャクシャ、アーゴンタオシタ」
まさか、このミステリーサークルは地球からダバール星を攻め込もうとした時の物なのか!? そうなると、古代の地球人がダバール星を攻めようと??
「ボボンガ、遠い世界の侵略者とは?」
「シンリャクシャ、アオクナイハダノヤツラ、マサニ、イマノチキュウジンイイツタエソックリ」
何という事だ! かつてのダバール星への侵略者は地球人だったのか!!
「アーゴン、シンリャクシャ、オイハライ……ソノセカイニキエタ」
つまり、アーゴンは侵略者である地球人を追い払い、その後このワープ装置で反対に地球に攻め込んだわけだな。
その後ダバール星人との連絡がつかなくなり、そのままアーゴンは主人の命令を聞かないまま地球のフィリピンの山中を彷徨ったというわけか。
コレで謎が全部繋がった。
あくまでも仮説だが、古代の魔神ラゲンツォを倒す為、古代ダバール星人はアーゴンを作った。
そしてラゲンツォを倒したアーゴンだったが今度は古代地球人がダバール星に攻めてきた。
アーゴンはその古代地球人を追い払ったが、そのままワープ装置で地球に移動してしまい、帰ることなく地球の山中を彷徨った。
そのアーゴンをブキミーダが見つけ出し、巨大獣として改造してしまった。
といったことか。
なるほど、アーゴンがこの時間軸で出てこなかった理由がわかった。
ボボンガが生きていて、アーゴンを操る首飾りがブキミーダの手に入らなかったのでアーゴンを操る事が出来なかったのか。




