第四十二話 巨大獣アーゴン 平和を取り戻せ 7
革命のリーダーであるウルワシア公爵令嬢はブルーマフラー隊達のおかげで本編のように銃撃されずに済んだ。
また、彼女の娘であるキレーダが説得した事で彼女の中にあった地球人への偏見も消えたようだ。
「キレーダ、成長しましたね、もう貴女は立派な女性です。これからは貴女の思うように生きなさい。母はもう貴女の道に口出しはしません。幸せに……なるのですよ」
「お母さま……」
キレーダとウルワシアの二人の間にはそれ以上言葉は必要無かった。
そして、ウルワシアをリーダーにした革命軍にブルーマフラー隊、トニーを中心にしたタイタン部隊、グレートジャスティスに乗ったハリー・キタムラ、ゴライアスとコッペリアのメアリーとヘンリー、そして巨大獣に乗ったエリザとスタンリーといった精鋭部隊が加わった事で、皇帝軍は敗走する羽目になった。
革命軍は勢い付き、そのまま皇帝宮殿を目指した。
——だが、本編では宮殿前の広場で惨劇が起きる事になる。——
ここに登場したのが巨大獣アーゴンであり、アーゴンは押し寄せた革命軍目掛けて火炎を放ったり大きな槍を振り回す事で数千の屍を築き上げた。
ここでアーゴンが出てきてガッダイン5と戦う事になるんだよな。
さて、ガッダイン5大百科の巨大獣図鑑によると……。
——巨大獣アーゴン——
全長58メートル、重量1400トン
全身銀色の原住民のような姿の巨人。
実はボボンガの守護神であるアーゴンそのものであり、ブキミーダはボボンガが戦死した後、彼の遺品である首飾りを分析した上で地球にいたアーゴンを連れ去り、巨大獣に改造した。
本来は数メートルの巨人だったが伝承がどんどん伝わるうちにエスカレートし、山ほどの巨人という事になったらしい。
結局元のアーゴンが何だったのかは改造後に出てきたものなのでロボットなのか生命体なのかは分からずじまい。
最後にはガッダイン5の超電磁クロスフィニッシュを喰らい爆発した。
結局元が何だったのか、分からずじまいだよ!
まあ今はボボンガが生きているので聞こうと思えばアーゴンが何か聞けるだろうけど、結局アーゴンって何なんだ?
まあ今それを考えてもしょうがない。
今はアーゴンの姿がまだ見えないので、ガッダイン5がアーゴンと戦う事になる前に……今のうちに皇帝宮殿に入ってしまえばいい。
幸いこちらにはガッダイン5以外にも巨大獣数体に地球のロボも6体いる。
戦力的にはほぼこちらの圧勝だ。
ここにあのラゲンツォ(仮)が出ない事だけを祈る。
革命軍はウルワシアを中心にトニー、キレーダ、剣崎隊長とブルーマフラー隊、巴さん、そして後方からアクラデスとダンダルが追いかける形で皇帝宮殿に入った。
——しまった! 皇帝宮殿の立ち入り禁止区画にはアクラデスやダンダルの出生に関するデータがあるんだった!——
「アクラデス様、宮殿に着いたらとにかく上を目指してください!」
「おや、この通信はブキミーダの地球人ではないか。一体どうしたのだ?」
「この宮殿、内部に詳しい人が誘導しないと罠で大勢の人の犠牲が出てしまいます、それなのでこの宮殿に入った事のあるのはシャールケン様とアクラデス様達だけという事になるので、今グレートシャールケンで待機しているシャールケン様がおられませんから誘導出来るのは貴女達だけという事になるのです!」
「わかったのだ! そういう事なら我に任せるのだ!」
助かった。
これでアクラデス達が立ち入り禁止区域に入り込んで自身の出生の秘密を知って絶望する未来は変えられた。
ウルワシア達はアクラデスの先導に従い、皇帝宮殿を駆け上った。
だが、玉座には既にデスカンダル皇帝の姿は無かった。
どうやらデスカンダルは宮殿を捨てて逃げ出したようだ。
「あ、アレを見るのだ!!」
革命軍達が宮殿の中庭に出ると、上空には宮殿を捨てて逃げ出すデスカンダル皇帝の大型飛行艇の姿が見えた。




