第四十一話 巨大獣ベミミ ミザーリン愛に死す 5
俺の考えた中二病最強最悪ロボット・ラゲンツォ(仮)
アイツは何体もの巨大獣を犠牲に作られた超巨大サイズのロボットになっていた。
以前ネタで高貴な寄せ集めというアホな事を言っていたが、マジで実際にそんな形のロボットになってしまったと言える。
何体もの巨大獣を使い作られた巨体のサイズは恐らく200メートル以上、ガッダイン5や鉄巨人イチナナの三倍以上のデカさはある。
その巨体から振るわれる高周波ブレード、剣と言いながらもハッキリ言ってナタや斧と言えるくらいの幅の分厚さであんなもので斬られたらいくらガッダイン5でも、まっまっまっぷたつになってしまう!
と馬鹿なネタを言ってる場合じゃないっ!
あの巨体を相手に勝つ方法を考えなくては……。
まあ――大男総身に知恵の回りかね――という言葉があるように、あの巨体で俊敏に動くのは流石に無理があるだろう。
そう考えれば攻撃を回避させずに一点集中で攻撃をすればどうにかあのバケモノ装甲を貫く事も可能かと。
だが総力戦でどれだけあのバケモノ相手に戦えるのだろうか?
今存在する戦力を換算すると……ガッダイン5とマグネコンドル、エルベΩ1、ゴライアスとコッペリア、グレートジャスティス。グレートシャールケン、機動要塞ドグローン、巨大獣ジャガジャガ、巨大獣バゲゲゾ、巨大獣ボボンガ、巨大獣バルバル、鉄巨人イチナナ、鉄巨人イチハチ。
現在ラゲンツォと戦える巨大ロボットはこれだけ存在する。
だがラゲンツォは下手に攻撃を仕掛けて返り討ちに遭えば、今まで無事に生き残っていた人達が全員死亡しかねない程の強敵だ。
どうにかしてあの巨体からエネルギーを奪わなくては……。
この状況、どうやって回避すれば良いのだろうか。
「ブレン、何か良いアイデアは無いのか?」
「そうだな、やはり兵糧攻め以外に勝ち目は無さそうだ。だが、どうやってあの要塞のエネルギー炉からあの巨大ロボットを切り離すか、それが問題だな」
なるほど、やはり兵糧攻めという結論になるか。
さて、どうやってアイツのパイプを断ち切るかだ。
どうせアイツの事だ、俺達がラゲンツォにつながれているパイプを斬る事は想定済みだろう。
そうなると切る先切る先からどんどん修復させてパイプをつなぎ直すシステムくらい作っているだろう。
だからと言ってデラヤ・ヴァイデスを破壊するのは愚の骨頂だ。
今あの中には退避しているわけでは無いスタッフ達が数百人数千人以上残っている。
そのスタッフを犠牲にしてまでラゲンツォを倒す為にあのデラヤ・ヴァイデスを破壊するわけにはいかない。
スタッフ達を犠牲にせずにあの要塞のエネルギーをラゲンツォから断ち切る方法、それはやはり内部に侵入した上で動力炉をストップする方法か。
あのデラヤ・ヴァイデス、動力炉をストップしたからと全部の要塞が全く動けなくなるかと言えばそういうわけでは無い。
アレはいくつかのパーツを組み合わせて作られた合成型巨大要塞なので、各ブロックごとにソーラーパネルでエネルギーの確保が可能だ。
それなのでメインのエネルギー炉が使えなくなっても当分は各ブロックごとに稼働、運用は可能になる。
だが、誰があのデラヤ・ヴァイデスに入って動力炉をストップさせれるのか。
やはりここはミザーリンに頼むのが一番確実なのだろうか。
「ミザーリン、頼みがあるんだが聞いてもらえるかな?」
「もちろんですわ! しかし貴方本当はブキミーダじゃなかったのね。まあいいわ、わたくしは貴方の性格が好きなのであって、見た目じゃありませんでしたから。それに、貴方が誰でもわたくしの命の恩人には変わりありませんわ」
どうやらミザーリンも俺が本物のブキミーダではなかった事を今になって知ったようだ。
コレはきちんと俺が本当は誰なのか後で話す必要があるな。




