第四十話 巨大獣ベルゴン 戦いの末に 4
今回の作戦はマグネコンドルの艦橋で行われた。
参加者は、地球人側が代々木博士と北原みどり博士、ガッダインチーム、フジ子・ヘミングウェイとブルーマフラー隊の剣崎隊長、そしてケン坊の姿の三島長官、ベルクシュタイン博士とコーネリア、ジェイムズ・アームストロング大佐にハリー・キタムラ、ヘンリー・ストークス博士にメアリー・スチュアートとヘンリー・バッキンガム、それに巴さんだ。
一方のダバール星人側は俺、マーヤちゃん、ミザーリン、トニーと元タイタン部隊、シャールケン、バルガル将軍、戦士ボボンガ、キレーダさん、アクラデス、ダンダル、エリザとスタンリー。
そして、巨大頭脳ブレイン総統のアバターロボットであるブレン。
これだけの人数がマグネコンドルの艦橋に集まって作戦会議をしたのだが、流石にこれだけ集まると狭く感じたものだ。
「ところで何故ケン坊元隊員がここにいるんだ? 場違いでは無いのか?」
「まあまあ、剣崎隊長。彼は儂の助手という事じゃから勘弁してほしいぞい」
「了解した。まあ、ケン坊元隊員の強さは俺も認めるところだ」
シャールケンと目を合わせた剣崎隊長が不敵な笑みを見せた。
それに対し、シャールケンも目で合図をした。
お互い、軍人として互いを認め合っているのだろう。
「それで、これからどうするつもりなのだ?」
「そうですね、とりあえず人質を取り返さないといけないかと思います。どうやらここからレーダーで見えるダバール星人の超大型要塞、あそこに人質が捕らえられているようですね」
アクラデスと竹千代が会話をしている。
「あの要塞の名前は、デラヤ・ヴァイデスなのだ。覚えておくと良いのだ」
「アクラデスさん、わかりました」
この二人、良い雰囲気だな。
竹千代がいれば今のアクラデスがクローンバレしたとしても自暴自棄になる事も無いだろう。
実際本編で竹千代も子供ながらに天才故の孤独を感じていたくらいだ。
だからお互い、天才故の孤独を抱えた者同士、心が通じ合ったのだろう。
「だがどうやって人質を取り返すつもりだ? あのブキミーダ相手に正攻法で通じるとは思えんが……」
「え? 今ここにいるのがブキミーダさんじゃないのか? 敵は三島元長官なのではないのか?」
剣崎隊長はまだ今の状況がどういう状況か理解できていないようだ。
ここはどうにか話を進めないと。
「理由は後で説明する、とにかく今地球人を人質にしているのは三島長官の姿をしたブキミーダなんだ!」
「イマイチよく状況が理解できないが、人質の救出の方が優先だ。わかった!」
剣崎隊長は大局を見極める軍人だ。
今は三島長官だのブキミーダだのの違いはどうでも良いらしい、それよりも人質をどうやって救出するかを考えているようだ。
「敵要塞、デラヤ・ヴァイデスは敵の手に落ちていると見て間違いない。だが相手側には主力戦力はほぼ存在しないと言えるだろう。そういう場合は、アイツは間違いなく交渉を持ちかけてくるはずだ」
噂をすれば何とやら、マグネコンドルの通信に連絡があった。
代々木博士が応答すると、モニターに映っていたのは三島長官の姿をしたブキミーダだった。
「ごきげんよう、クズ共……」
「ブキミーダ! どういうつもりじゃぞい。もうお前の正体は分かっておるのじゃぞい!」
「おやおや、そんな事を言って良いのかな? 地球人の人質がどうなってもしらんぞ。ケカカカカカカッ!」
この笑い方。間違いなくブキミーダだ。
「お前達は人質を返して欲しいのだろう、良いだろう。さっさと連れて帰れ。今はそんな地球人に構っている場合では無いのだ、邪魔者をさっさと連れて行け」
十中八九罠だろう。
だが今回は爆破解体のスペシャリストである剣崎隊長やタイタン部隊のトニー達がいる。
ここはアイツの挑発に乗りつつ時限爆弾を解体すれば確実に人質を取り返せる。
つまり、このメンバーなら本編三十九話の悲劇は避けられるって事だ。
さて、三島長官の姿のブキミーダに気づかれないうちに作戦開始だ!




