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第四十話 巨大獣ベルゴン 戦いの末に 1

 バルガル将軍によるみどりさんへの告白は見事に砕け散った。


 まあ仕方ない、だが………気になる断り方だったな。


 本編では一話で瀕死、二話で退場してしまったみどりさんだったが、本来やるべき事とは、いったい何だったのだろうか?


 気になるのは——私、どうしてもあの人の夢を実現してあげたくて………ダバール星に行かなくてはいけないんです。——


 この台詞だ。


 この台詞から考えると………北原みどり博士は、光一郎こと、ハリール王子の正体を知っていたのかも知れないな。

 むしろ結婚前に彼にそれを伝えられていたのかも知れない。


 そうなると、このマグネコンドルとガッダイン5は最初からそれを見込んだ上での制作品だったと考えられるな。


 おや、まだバルガル将軍とみどりさんの話は続いているようだ。

 どうやらみどりさんが黙っていた事をバルガル将軍に伝えるようだ。


「ごめんなさい、バルガルさん。貴方の気持ちはとても嬉しいですわ。でも、私は………光一郎さん、いや、ダバール星人だったハリールさんの思いを成し遂げてあげたいのです」

「なっ!? ハリール様ですとっ! 彼は、病弱で本国で病死したのではないのですか!?」


 バルガル将軍が驚いている。

 まあ、彼が驚くのも無理はない。

 ダバール星で慕われながら亡くなったはずのハリール王子が生きていたのだから。


「しかし、ハリール様が生きておられたならば、何故この戦いに一切姿を見せないのですか? 吾輩達はハリール様が生きておれるならあんなデスカンダル皇帝に従う気は無かった!」

「残念ですが、光一郎さん………いえ、ハリール様はもうこの世にはおられません。この地球で彼は息を引き取りました」

「何ですと!? 吾輩は地球人とは話し合える存在だと思ったが、もしハリール様が地球人に殺されたなら話は別だ! 吾輩は徹底抗戦しても戦うまでの事!」


 オイオイオイ、バルガル将軍………そんな流れじゃないってば。


「いいえ、違いますわ。彼は………薬の副作用で病気になり、命を落としてしまったのです」

「おっと、みどりさん。それは失礼した」

「彼はダバール星人である事を隠す為、自作の薬で肌の色を地球人に近づけていました。私も最初彼を見た時、ダバール星人とは知らずに少し顔色の悪い色白の男性にしか見えなかったのですから」

「そうでしたか、ハリール様はご病気で………」


 どうやらバルガル将軍にとってもハリール王子は仕えるに値する立派な人物だったらしい。


「みどりさん、よくわかりました。貴女はハリール様の奥方様だったのですね。それなら吾輩の気持ちを受け取れないのも仕方ありません。いや、むしろハリール王子の奥方様として吾輩は貴方に忠誠を誓いましょう!」

「そんな、大袈裟な………むしろ、私はバルガルさんの気持ち、とても嬉しかったです。捕虜になっていた時も貴方は私にとても優しくしてくれました。ですから、あの人の願いを成し遂げた時、貴方のプロポーズを受け入れたく思います」


 バルガル将軍は臣下の礼をとり、みどりさんに首を垂れていた。


「勿体無いお言葉、このバルガル、ハリール王子様の奥方様の為に命をかけて戦うと誓いましょう!」


 バルガル将軍はみどりさんをハリール王子の妻として仕えると武人の誓いを立てていた。


「そうか、バルガル……相手が悪かったな。ハリール叔父上の奥方様が相手とはな」


 あら、知らない間にシャールケンとティティナもこの二人の行く末を見ていたようだ。

 他の面々も興味津々といった感じで二人を遠巻きに見ていた。

 どうやらみんなバルガル将軍とみどりさんの事が気になっていたらしい。


 まあ、完全に振られたわけではなさそうだったので、脈は充分あるみたいだな。

 この戦いが終わった後ならみどりさんもバルガル将軍のプロポーズを受け入れるだろう。


 さて、この戦いを早く終わらせる理由がまた一つ増えたな。


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― 新着の感想 ―
[良い点] >他の面々も興味津々といった感じで二人を遠巻きに見ていた。 >どうやらみんなバルガル将軍とみどりさんの事が気になっていたらしい。 >まあ、完全に振られたわけではなさそうだったので、脈は充分…
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