第三十九話 巨大獣バルバル バルガル将軍、散る 6
前の話で自分が返信の文を書き間違えたので感想の返信を書こうとしていたら、感想の返信の削除と間違えてコメントそのもの消えてしまいました!
書いてくれた方には申し訳ありません。
とりあえず、巨大頭脳ブレイン総統が俺達の味方になってくれた。
俺が基地の自分の部屋から出てマグネコンドルのブリーフィングルームに行くとそこにはフジ子・ヘミングウェイがいてピアノを弾いていた。
俺達に気がついた彼女だったが、ブレイン総統が仲間になった事でこの事に複雑な顔をしているのはフジ子だった。
まあ、父親を直接殺した相手では無いが、この巨大頭脳ブレイン総統が原因で、兄のウルフ博士が乱心して父親を殺して重粒子制御装置と未完成だったブレインのデータを持ち出したわけだからな。
そして幾度と無い死闘を繰り広げた相手だ、まあこの時間軸では俺が裏で動いていたので本編のようなモブに厳しいブレイン軍団による大規模テロや殺戮は未然に防いだので、直接的な怨恨は無いのだがな。
だからこそ微妙な関係だとも言える。
しかし、やはり第一話のフジ子の母方の祖父祖母が死亡したのがブレイン軍団のローラーマシーンのせいなのでそういう意味では肉親の仇に違いは無いのだ。
彼女は自身の気持ちを落ち着ける為にピアノを弾いていた。
このピアノ、以前夏の海の家にあった物で、持ち主のおばさんはフジ子が気に入って出征したまま帰らなかった息子のピアノを彼女に託したのだ。
ピアノを弾いて少し落ち着いたフジ子に話しかけたのは、ブレイン総統の一つ目のアバターロボット、ブレンだった。
——素晴らしい腕前だ! 良いものを聞かせてもらったよ。——
「誰? 貴方誰なの?」
——そうか、わたしから直接君に話した事は無かったな、わたしは巨大頭脳ブレイン。マスター・ブレインと呼んでくれたまえ、と言いたいところだが……今はこのアバターロボットに合わせてブレンと呼んでくれたまえ。——
「ふざけないでっ!」
まあ、そりゃあ肉親の仇にいきなり軽口でため口、いや、もっと上から目線で話されたら不快な気分になるわな。
——まあそう身構えないでくれたまえ。今のわたしは君達の敵では無い。ブキミーダ君に感謝する事だな。わたしが君達の力になろうというのだ。——
「信用できません! お祖父様、お祖母様の仇である貴方を許すわけにはいかないのです!」
——そうか、それはすまない事をした、だが今はそれどころでは無いのではないかな?——
ブレンの言っているのは正論だ、だがそれは言葉のナイフとも言える。
フジ子は黙るしか無かった。
「フジコ、ガンバレ。イチナナガツイテイル」
「イチナナ、ボクの事を応援してくれるのか?」
「ソウダゾ、イチナナ、フジコノノトモダチ」
通信機越しの鉄巨人イチナナとフジ子の会話の様子を見ていたブレンが俺に話しかけてきた。
——ブキミーダ君、アレがフジ子君とアインゼプトの強さなのか? 機械と人間の間に生まれた友情、わたしはそれに負け続けたというのかね?——
「そうです! 機械とか人間とか関係ありませんっ! ワタシはご主人様が大好きなんです。この気持ちは決してプログラムだけで作られたものでは無いのです!」
あら、マーヤちゃん、いつの間にここにいたの?
マーヤちゃんがドヤ顔でブレンに話しかけた。
普段は空気を読まないマーヤちゃんだが、今回はGJ! と言えるかもね。
——ハハハハハ、機械と人間の種族を超えた絆か、面白い。君達には学ぶものがあるのかもしれないな。改めてよろしく頼むよ。わたしも君達の友達にさせてもらいたいものだね。——
相変わらず上から目線は変わらないが、ブレイン総統、いや……ブレンは俺達に興味を持ったようだ。
「おっと、ブキミーダさん、ようやく通信がつながりましたな。こんな所におりましたか。探しましたぞい。すぐにマグネコンドルの司令室に来て下さい」
おっと、代々木博士から俺への呼び出しだ。
まあ悪い話では無さそうなので、今後の作戦会議といったところだろうか。
——ブキミーダ君、わたしも連れて行ってもらおうか。——
「待って下さい、ボクも行きます!」
結局マグネコンドルの艦橋には俺以外にもマーヤちゃん、フジ子、ブレンが行く事になった。




