第三十八話 巨大獣ギョガゴゴ 崩れ行く奇岩島 13
奇岩島奪還作戦が開始された!
とりあえず、フジ子とサブロウは鉄巨人イチナナ、イチハチから降りてマグネコンドルから彼らに指示する形になった。
今奇岩島は三島長官の姿のブキミーダに完全に支配されている。
アイツは俺の以前用意した大型テレビ用アンテナを改悪し、タチの悪い洗脳電波発生装置にしてしまった。
そのせいでバルガル将軍やエリーザ様、そして島に先行上陸してもらったトニーとタイタン部隊までもが洗脳されてしまい、三島長官の姿のブキミーダの手下に成り下がっている。
この状態で俺達やマグネコンドルがもし奇岩島に上陸しても洗脳電波のせいで一瞬で三島長官の姿のブキミーダの手中に落ちてしまうだろう。
それだけは絶対に避けないといけない!
そして、今その洗脳電波発生装置を破壊できるのが鉄巨人イチナナとイチハチという事になる。
その際にフジ子やサブロウが乗っていると彼女らが洗脳されて鉄巨人イチナナ達に変な指示を出しかねない。
それなので彼女達にはマグネコンドルに待機した上で鉄巨人イチナナ達に指示を出してもらう事にした。
「イチナナ、あの基地に行って電波発生装置を破壊してくれる?」
「ラージャー、ワカッタ、デンパハッセイソウチ、ハカイスル」
鉄巨人イチナナとはマグネコンドルの通信機で連絡が可能だ。
フジ子は鉄巨人イチナナに指示を出し、イチナナとイチハチは奇岩島目指して飛び去った。
ここは彼らに期待するしか無い、救える者は他に無いのだ。
鉄巨人イチナナのカメラアイはマグネコンドルの大型モニターにリンクしてあるので様子が見れる。
どうやら本当に奇岩島は三島長官の姿のブキミーダによって好き放題にされているようだ。
一部の人質は宇宙船に乗せられ、その中にはエリーザ様の姿も見えた。
「エリーザ!」
シャールケンはエリーザ様の姿を見て思わず叫んだ。
早く助けないとこのまま宇宙に連れ去られてしまう!
「頼む、鉄巨人イチナナ、島のアンテナを破壊してくれ!」
「ラージャー。アンテナ、ハカイスル」
だが巨大獣バルバルが現れ、アンテナの前に立ち塞がった。
「ミシマ様の命令だ、これは壊させんぞ!」
やはり洗脳されたバルガル将軍が立ち塞がったか!
鉄巨人イチナナと巨大獣バルバルが戦った、
巨大獣バルバルが鉄巨人イチナナに気を取られている間に、後ろからアンテナ目掛けて攻撃が放たれた!
「グラビトン・ブラストー!」
攻撃を放ったのは鉄巨人イチハチだった。
グラビトンブラストは無防備になっていた洗脳電波発生装置をグラビトンブラストで収縮させ、一気に破壊した!
「な。何だと! くそっ、まさかあのアンテナが破壊されるなんて! 仕方ない、人質を乗せてここは撤退だ!」
三島長官の姿のブキミーダは宇宙船に人質を乗せて原作通りに地上から脱出したようだ。
「こうなったら奇岩島基地を破壊してやる! 残った地球人達やバルガル諸共吹き飛んでしまえ!」
原作通りに巨大獣ギョガゴゴが自爆しようとした。
だが、それよりも一足早く鉄巨人イチナナの目が赤く光り、胸のパーツが開いた!
「グラービトン・ブラースト!」
「ギョオオオガゴゴォオォォオ!」
巨大獣ギョガゴゴは自爆する前に鉄巨人イチナナのグラビトンブラストで爆縮後爆発した。
自爆装置を発動する前だったので、基地の自爆装置は不発に終わったようだ。
洗脳電波発生装置が無くなりようやく奇岩島に上陸出来る状態になった。
「行くぞ、マグネコンドル発進じゃぞい!」
代々木博士の号令でマグネコンドルは奇岩島基地に向かった。
よく見ると司令室の神棚に酒が置かれてある、その一升瓶には筆文字で紙に――禁酒――と書かれていた。
どうやら代々木博士は今回の一件で相当懲りたらしい。
まあ、原作とは違う形とはいえ酒断ちするきっかけが出来たのでこれはこれで結果オーライかな。




