第三十八話 巨大獣ギョガゴゴ 崩れ行く奇岩島 10
――オメガ・ブレインウェーブシステム――
――機獣戦隊ダイブマン――に出てきた大教授ディアスの作った洗脳電波発生装置だ。
大教授ディアスはこのオメガ・ブレインウェーブシステムを使う事で全人類の闘争心を奪い、物を考えない下僕として完全に彼の支配下に収める事に成功した。
だが、最終的には洗脳されなかったダイブマンのサポートロボットのトロン・P6によって操縦されたスーパーダイブロボによりオメガ・ブレインウェーブを発生していた機脳獣ギガ・ジュールを攻撃した事で洗脳用アンテナが壊れ、人類は大教授ディアスの支配下から逃れる事が出来た。
また、反対に全人類に負荷をかけていたオメガ・ブレインウェーブシステムは装置の破壊による脳波の逆流により、大教授ディアスの急激な老化を招き、電脳武装軍ジュールは崩壊した。
――というように、この時代のもっと後の特撮の機獣戦隊ダイブマンで出てきたのが完全洗脳装置オメガ・ブレインウェーブシステムだ。
だが今奇岩島は間違いなく三島長官の姿のブキミーダの手に落ちている。
だが今、あの三島長官の姿のブキミーダが材料の乏しい状況で、短時間で薬を使った洗脳や飲み水を使った洗脳をするのは難しいだろう。
そうなるとアレだけ大量の人間を洗脳したとすれば間違いなくオメガ・ブレインウェーブシステムと同じような洗脳電波発生装置を使っているという事になるだろう。
「オイ、一体どうなっておるんじゃぞい! 早く儂をここから出すんじゃぞい!」
代々木博士が鍵付きの倉庫のドアを叩いている。
仕方ない、マーヤちゃんとケン坊の姿の三島長官に彼を迎えに行ってもらうとするか。
もし大トラの代々木博士が暴れ出しても彼女達なら大人しくさせる事が出来るだろう。
「マーヤちゃん、ケン坊さん。とりあえず代々木博士を迎えに行ってもらえますか?」
「はーい、わかりましたご主人様」
「わかった、仕方ないなアイツは……酒を呑むといつもこうだ……」
さて、俺はマーヤちゃん達が代々木博士を迎えに行っている間に大型の鳥型ドローンを飛ばして奇岩島の様子を探る事にしよう。
下手に島の周囲に入ると俺達まで洗脳されかねない……。
俺が鳥型ドローンを飛ばし、辺りを確認すると……奇岩島の様子が見えた。
――何だアレは!?――
以前俺の取り付けた大型テレビアンテナに、何か禍々しい装飾が追加されている。
どうやらアレが洗脳電波発生装置みたいだな……。
俺が鳥型ドローンを飛ばして様子を探っていると、そこには巨大獣バルバルの姿が見えた。
間違いない、バルガル将軍があの巨大獣に乗っているようだ。
巨大獣バルバルは何か辺りを探っているようだ。
――しまった! 鳥型ドローンが巨大獣バルバルに見つかってしまった!――
俺はどうにか鳥型ドローンを退却させようとしたが、巨大獣バルバルはバルソードを振りかざし、突風を起こした。
突風にあおられた鳥型ドローンはバランスを崩したまま故障し、そのまま地面に墜落してしまった。
そして、ドローンのカメラに最後に映ったのは鳥型ドローンを踏み潰す巨大獣バルバルの足の裏だった。
どうやらあの鳥型ドローンは巨大獣バルバルに踏みつぶされて壊されてしまったらしい。
困った事になったもんだ。
どうやらバルガル将軍はあの洗脳アンテナを守るように三島長官の姿のブキミーダに命令されているようだ。
タイタン部隊も洗脳されてしまった。
バルガル将軍もどうやら洗脳済みだ。
ひょっとして、エリーザ様も洗脳済みなのかもしれない!
これは一大事だ、シャールケンにこの事を伝えなくては。
……だが、今彼にそれを伝えても戦う事が出来ないな。
グレートシャールケンは南方の島での激戦の末自爆装置でバラバラになってしまった。
どうにか破片は集めるだけ集めて今はベルクシュタイン博士が修理に当たっている。
グレートシャールケンが使えないとなるとガッダイン5に出撃してもらうしかなさそうだが……あの洗脳電波発生装置をどうにかしなくては……!




