第三十八話 巨大獣ギョガゴゴ 崩れ行く奇岩島 8
トニー達元タイタン部隊は俺の頼みを聞き、奇岩島に先行してくれる事になった。
まあどうにか島民に進められた料理やおタケさんの料理は食べられたみたいなので彼等は特に不満も言っていないようだ。
むしろ俺がまだまともに食事していないんだが……。
まあようやく巨大獣バゲゲゾの調整も終わったので何か食べるか……。
――と思って宴会会場に行ったら、既に食い物の大半が無くなってるんですが!?
気持ちよさそうに寝ているダンダルの横には大量の皿と肉を食べた後の骨があるので、コイツがほとんど平らげたのだろう。
トホホ、まあ仕方ない。
果物はそこそこ残っているのでそれを食べるかな。
俺が果物を皿に乗せようとしていると、後ろから俺を引っ張る誰かがいた。
「ん? 誰だ?」
「ご主人様、ワタシですよ。これ、どうぞ」
マーヤちゃん、ひょっとしてその皿って……。
「ご主人様がお仕事をしていて何も食べていないみたいでしたから、取り置きしておきました」
――マーヤちゃん、君はやっぱり俺の天使だ!――
これで落ち込んだテンションがようやく復活だ!
俺はマーヤちゃんの取り置きしてくれた料理を食べ、ついむせてしまい飲み物を一気に飲み込んだ。
「ゲホッゲホッ!」
「ご主人様、大丈夫ですか!?」
「ああ、大丈夫だ、問題無い……」
宴もたけなわ、俺が少し島を歩くと、海岸にシャールケンと龍也が二人で座っていた。
おやおや、何を話しているのだろうか?
「シャールケン、あのパンチ、効いたぜ」
「フン、あんなもの……病み上がりで無ければお前の方が今頃ベッドの上だ」
「ハハハ、違いないな」
お互い命を懸けて戦った同士のライバルが砂浜に座り、話をしていた。
「まあ飲め、これはオレの気持ちだ」
「す、すまねえ。俺まだ未成年なんだよ……」
「そうか、それはすまなかったな」
シャールケンは龍也に飲ませようと入れた酒をグッと煽った。
それを見ていた龍也がジュースをコップに入れ、シャールケンに突き出した。
「コレで良きゃ相手になるぜ」
「フッ、数年後お前と一緒に飲めるのが楽しみだな」
「「乾杯!」」
良いもんだな、男同士の友情か……。
これでシャールケンが地球人と戦う事はもう無くなるだろう。
そうなると今の敵は、デスカンダル皇帝、三島長官の姿のブキミーダ、そして沈黙を保っている巨大頭脳ブレイン総統といったところか……。
今までの敵や本編での死亡者は全員俺が手を出した事で何かしら運命が変わり、全員生き残っている。
今俺が気になっているのは奇岩島にいるはずのバルガル将軍とエリーザ様、そして北原みどり博士や地球人の捕虜達だ。
あの三島長官の姿のブキミーダがこのまま大人しくしているわけが無い。
まあその為に俺はあのタイタン部隊を先発隊として奇岩島に送り込んだのだけどな。
代々木博士は結局あの後さらに酒を呑み、一升瓶十本は転がっている。
このどうしようもない大トラは、マーヤちゃんに頼んで鍵付きの倉庫に放り込んでおくことにした。
代々木博士が素面になるまでの当面の指揮は俺と代々木博士の弟子のケン坊という事になる。
機動要塞ドグローンはミザーリンが操縦する事になった。
エリザとスタンリーもドグローンの方に戻ったようだ。
――アイツら、ドグローンの中でも漫画描いてるんじゃないだろうな……あのドグローン、マーヤちゃんの願いでつよつよテレビアンテナで大体のテレビ局の番組が見れるようにしているからな……。
とりあえず宴は終わったが島民達はまだ踊ったり歌ったり食べたり飲んだりしているようだ。
まあアレだけ命の危険にさらされたんだ、助かった事を喜びたいのも理解できる。
……そして、長く続いた宴も終わり、次の日になった。
「――ん? ここは何処じゃぞい? 儂は何でこんなとこにいるのじゃぞい??」
防犯カメラに写っていたのは半分寝ぼけた代々木博士のだらしない姿だった。




