第三十七話 巨大獣ゾーゲン シャールケン最後の戦い 8
マグネコンドルはその巨体を広げ、南方の島の海上に着水した。
「バ、バカな!? 何だ、なぜアレがここにあるのだ?」
どうやら三島長官の姿のブキミーダは想定よりも早くマグネコンドルが到着した事に驚いているようだ。
アイツが原作の時間軸を知っているなら、この島はアイツに蹂躙され尽くした後に到着するところだったはずだからな。
だがマグネコンドルの到着は想定よりも一週間近く早かったというわけだ。
……まあそういう流れになるようにしたのは俺なんだけどな。
ガッダインチームがダインマシンでマグネコンドルから発進した。
そしてエルベΩ1もそれに続いて発進したようだ。
「くそう。忌々しい奴らめ、グレートシャールケン、目障りな奴らを蹴散らしてしまえ!」
グレートシャールケンの目が赤く光った。
そしてシャールケンソードでダインマシンを斬りつけようとする。
「へんっ、そんなナマクラでオレがやられるかよ!」
ダインマシンが集結し、龍也が叫んだ。
「みんな、行くぜ!」
「「「「「「レッツ・ガッダイィーン!」」」」」
ガッダイン5が完成し、グレートシャールケンに蹴りを入れた。
「何だ何だ、コイツこんなに動き遅かったかよ」
「龍也さん、気を付けてください! 何か様子がおかしいです」
「何だって!?」
グレートシャールケンの様子がおかしい事に最初に気が付いたのは、やはり竹千代だった。
「まるで、何か決められた動きをしているコンピューターのような動きなんです」
「確かにのう、アレはまるで自我を持たない人形ですたい」
長い戦いの中で成長したガッダインチームは、アレがシャールケンの動きでは無い事にすぐに気が付いたようだ。
「ガッダインチーム、お前達の言った通りだ。あの中にはシャールケンが捕らわれ、グレートシャールケンはデビル回路によって自動操縦されている!」
「ブキミーダのオッサン、それは本当かよ!」
「こんなとこでわざわざ嘘をつく必要がないだろうが!」
まあ元々敵同士の言う事だ、疑っても仕方は無いだろう。
「早くしないと島民に被害が出る、どうにかあのグレートシャールケンを海におびき寄せてもらえないか!」
「わかった、オレ達に任せな!」
一方の巨大獣ゾーゲンはエルベΩ1が引き受けてくれている。
「さあ、覚悟してください! セイレーンストリーム!」
エルベΩ1のセイレーンストリームが巨大獣ゾーゲンを吹き飛ばした。
これも海の方に弾き飛ばされ、島では直接被害が出ないようにする為だろう。
「スカルミサイル、発射!」
海に放り出された巨大獣ゾーゲン目掛け、俺はドグローンの歯の部分からスカルミサイルを発射した。
巨大な骸骨の歯が抜けてミサイルになるのは、傍から見ていて少し気持ち悪いかもしれない。(笑)
巨大獣ゾーゲンは虫の息になり、エルベΩ1がとどめを刺そうとした。
「行きます! セイレーン・シュルスッ……ウッ!」
だが、必殺技の前にエルベΩ1が失速してしまった。
「コーネリアさん、一体どうしたぞい!」
「マズい、コーネリアはまだ病み上がりの点滴を打った状態だ。まだ体調は完全ではない。戻れ、コーネリア!」
「大丈夫……ですわ、お父様。痛いのは生きている証拠ですから……この痛みがわたしを生きていると認識させてくれるのですわ……」
いや、無理しないで下さい。
後は俺達でどうにかしますから……。
「コーネリア、命令だ。直ぐに帰還しなさい!」
「わ、わかりましたわ、お父様」
エルベΩ1はコーネリアの安全を優先し、マグネコンドルに帰還する事になった。
「大丈夫だ、後はオレ達がやってやるから」
トニーが巨大獣バゲゲゾの触手で巨大獣ゾーゲンを締め上げた。
「このまま引き裂いてやる!」
「ゾォオオゲェェエエンッッ!」
巨大獣バゲゲゾに引き裂かれ、巨大獣ゾーゲンはバラバラになって海に砕け散った。




