第三十七話 巨大獣ゾーゲン シャールケン最後の戦い 1
ついに大型宇宙船マグネコンドルが浮上した!
マグネコンドルは地上10メートル、30メートル、100メートルまで浮上。
制御バランサーにも特に異常も無く、空中に浮いていた。
――問題は! おタケさんの事だ!
原作でもマグネコンドル浮上の際に勝手口を閉めていなかった料理長のおタケさんが機外に吹き飛ばされそうになったが、その時は食堂に集まっていたガッダインチーム全員が手を貸し、おタケさんを助けた後に勝手口のドアを閉めた。
だが今はガッダインチームは各自室待機で、おタケさんを助けられる人が誰もいない。
俺がマーヤちゃんを食堂に行くように命令したのはその為だ。
「だーれーかー、助けてぇー!!」
「あ、おタケさんが。今助けますね!」
マーヤちゃんは扉にしがみついて落ちそうになっていたおタケさんを引っ張り上げ、素早く勝手口のドアを閉めた。
バンッ!
マーヤちゃんが力を入れてドアを閉めたもんだから、勝手口のドアが壊れてしまい、もう開かなくなってしまった。
まあ防火シャッターがようやくそれの後で閉まったので外に弾き出される事はもう無いだろう。
普段気丈な肝っ玉母さんのおタケさんが大泣きしていた。
そりゃあ命を失う寸前から助かったんだから当然だろう。
「ふう、危ないところじゃったぞい。しかしブキミーダさん、よくあの勝手口の事がわかりましたな」
「いえ、前回バルガル将軍がここに攻め込もうとした時に一応基地見取り図を調べておいたのです。その際に一番手薄な場所と言うのがこの台所の勝手口だったので、浮上の際に気になったんです」
まあ本編のエピソードでガッダインチームが全員でおタケさんを助けたシーン見ていたからですとはとても言えんわな。
相模湾上空に浮上した大型宇宙船マグネコンドルは、巡航速度で飛行し、相模湾を一周ぐるりと回って再び地上に着地した。
「おや? もう飛行テストは終わりですか?」
「そうじゃな、今から長距離航行の為の準備をせねばならん。一旦地上に降りて食料や物資を詰め込まんとな」
物資の詰込みは大型コンテナを使ったり、ガッダイン5、エルベΩ1に巨大獣ジャガジャガとバゲゲゾを使い行ったのですんなりと終わった。
「ふう、これだけ巨大ロボットがあれば作業が丸一日でほぼ完了じゃぞい」
「良かったですな、代々木博士」
「それも貴方達のおかげですぞい」
超大型宇宙船マグネコンドルには数か月分の食料が詰みこまれた。
まあそこまではかからなないだろうが、念には念をといったところか。
もし小型ワープシステムでも使えれば食糧問題なんてあっという間に解決するが、流石にダバール星の超技術でもそれは存在しない。
――というか、この時代のロボアニメの宇宙船で食糧問題が描かれた作品なんて、敵側も味方側もほとんど見当たらないな。――
まあ、そういう事は、あまり深く考えてはいけないのだろう。
この件を考察していたら日が暮れる……。
このマグネコンドル、ここで食料詰込みが一日で終わったが、本来の話では一週間ほど時間を要した。
これにはきちんと理由がある。
一方その頃……の行方不明になったシャールケンを一週間かけて描いたからだ。
第三十七話ではシャールケンが再び出てくる。
だが、サブタイトル通りこの話でシャールケンとガッダイン5が戦い、シャールケンは敗れて今度こそ死亡する。
【ロボットシミュレーションゲーム】では超絶難易度のフラグを立てる事でそのシャールケンと戦い、HPを10%以下で残して説得する事で仲間入りしたが、この条件が鬼ムズだった。
まあ、今の俺は【ロボットシミュレーションゲーム】における全てのシャールケン説得条件をクリアしているので、もしシャールケンが出てきたとしてもガッダインチームと戦わせずに和解させる事も可能だろう。




