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第三十六話 巨大獣バゲゲゾ 追い詰められたブキミーダ 9

 さて、代々木博士の俺に頼みたい事とは一体何だろうか?


「ブキミーダさん、実は相談がありましてな。良ければワシの部屋に来てもらえますかな」

「わかりました、すぐそちらに向かいましょう」


 俺は機動要塞ドグローンを北原未来要塞ベースの外側に着地させ、代々木博士の部屋に向かった。

 そこにはケン坊の姿の三島長官とミザーリンがいた。


「よく来てくれましたぞい。大体の話はもう伝えてありますぞい」


 さて、大体の話ってどこまで伝えているのだろうか?


「そうですか、それで……お話とはどのような事でしょうか?」

「そうじゃな、とりあえずはまず飯でも食うぞい」


 俺はズッコケてしまった。

 まあ何だ言って代々木博士もマイペースな変人なのは間違いないか……。


 マーヤちゃんがおタケさんから受け取ってきた全員分のカツ丼の上を用意し、食事しながらのミーティングが始まった。


「とりあえずはこの急場をしのげて良かった。コレも貴方がたのおかげですぞい」

「いえいえ、まあそれほどでも……」


 まあ実際地球人とダバール星人が一緒になって危機を乗り越えたわけだ。

 あの未曽有の被害を産むはずだった破滅ミサイル水爆砲はリヒテンシュタイン基地と共に海の藻屑と化した。


「それで、話というのはこの基地の事ですぞい。もうご存じかも知れないが……この基地の正式名称はマグネコンドル。ハリール王子こと、儂の親友だった北原光一郎の作った大型宇宙船じゃぞい」


 まあ俺は知っていたが、ミザーリンが驚いていた。


「信じられないわ! コレが宇宙船で空を飛ぶなんて!」


 ミザーリンが驚くのも当然だろう、これほど大型の宇宙船は確かに存在しなかった。

 あの機動要塞デラヤ・ヴァイデスはあくまでも移動こそできるものの、侵略拠点としてワープ機能で移動させた小型コロニーというべき存在だ。


 それも大気圏突入不可能で、宇宙空間しか移動できない。

 その上、パーツごとに出来ているので区間ブロックを繋ぎ合わせて作っていると言った方が正しいだろう。


「光一郎はこの大型宇宙船マグネコンドルでダバール星に行き、デスカンダル皇帝を倒そうとしていた。だが彼は病気で亡くなってしまったのじゃぞい……」

「ハリール王子、ダバール星でも彼の名前を知る人は多いわ。デスカンダル皇帝はそれを恐れ、一切の娯楽や情報を統制したというわね」


 まあ無能な独裁者のやる事なんて古今東西変わらないものだな。


「それで、このマグネコンドルを使い、光一郎はダバール星を圧制から解放しようとしていた……というわけだな」


 ケン坊の姿のままだが、三島長官は本来の口調で話している。

 ミザーリンも彼の正体を知っているらしく、その事に何の違和感も感じていないようだ。


「そうじゃぞい、じゃが儂らは二人共それを夢や絵空事と思っておった、しかし実際に攻めてきたのが貴方がたダバール星人だったというわけじゃぞい」

「まあそうなりますね。デスカンダル皇帝は地球を欲しがっていましたからね。シャールケン提督やアクラデス執政官はその命令に従っていたにすぎません」


 つまり、デスカンダル皇帝さえ倒せば地球とダバール星は友好関係を築く事が十分に可能だという事だ。


「そうじゃのう、そしてその地球とダバール星の間で戦争を回避しようと動いていたのがブキミーダさん、貴方というわけだ」

「まあ、そうなりますね」

「そして、三島長官は反対に飛行機事故の際に瀕死の重傷を負い、その身柄をデスカンダル皇帝の手下に奪われて精神を操られて破壊工作をするように仕向けられた……という事か」


 代々木博士、その流れに持って行ったか!

 確かに、あの三島長官の豹変ぶりを他者に伝えるのに、本物のブキミーダの魂が入り込んでいるというよりは、事故の際にデスカンダルの手下に改造されて精神を乗っ取られた操り人形にされていると言った方が信ぴょう性がある。


 なるほど、流石は代々木博士というべきか。

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