第三十六話 巨大獣バゲゲゾ 追い詰められたブキミーダ 6
確か、スーパーロボット・ビッグバロンは最終決戦でリヒテンシュタイン博士の巨大ロボ・ディアブロスZ1と宇宙で相打ちになってロボット軍団は壊滅した。
だが陸軍大臣、海軍大臣、空軍大臣は全員死亡したが、その基地のロボットは残ったままで誰もそこに立ち入る事も無かった。
何と三島長官の姿のブキミーダはその基地を見つけ出し、リヒテンシュタインのロボット軍団のロボットを手に入れたという事なのか!?
まあそんなに大量のロボットを手に入れたとは考えられないが、ロボットを製作可能な基地を手に入れたという方が脅威とも言える。
もし本当にリヒテンシュタインのロボット軍団基地をアイツが手に入れたとすれば、今のうちにその基地を破壊しておかなくては今後の展開が更にややこしくなる。
――思い出してみよう、確かビッグバロンの敵がどこから攻めてきていたか……。
そうだ、海底基地! リヒテンシュタイン軍団の基地は太平洋の大陸棚に存在した。
それならあの破滅ミサイル水爆砲の使い方が決まったな。
「ガッダインチーム、頼みがある。あのバインゲルZZとビスマルクWOを倒してくれ。俺はその間に巨大獣を作る。それを使ってあの破滅ミサイル水爆砲をリヒテンシュタイン基地にぶつけてやる!」
これであの三島長官の姿のブキミーダが手に入れたと思っているリヒテンシュタイン基地を破壊出来る!
実際の核実験であるビキニ環礁の水爆実験は二回行われ、一度目は空中爆発、二度目は浅い海底での爆発だった。
とくにB作戦と呼ばれた二回目の海底爆発は、周りのサンゴを吹き飛ばし、死の灰として辺り一面に降り注ぐ未曽有の大惨事を引き起こした。
俺としても出来る限りそんな被害は撒き散らしたくないが、あのリヒテンシュタイン基地を破壊するには破滅ミサイル水爆砲を使うのが一番確実だろう。
それにこの海底基地、太平洋の大陸棚に存在していて海底150~200メートルといったところだ。
更にいうならばその基地もドラゴンズトライアングルの内側で中々船が来れない場所というのも幸いしていると言える。
とりあえず作戦としてはガッダイン5とエルベΩ1、それに巨大獣ジャガジャガでバインゲルZZとビスマルクWOを倒す事だ。
とりあえずの漁村の避難はミザーリンと弟のトニー、それに元タイタン部隊が引き受けてくれている。
元タイタン部隊は今や地元の子供達と野球を通じて仲良くなっているらしく、子供達の避難誘導を率先して行ってくれていた。
俺達は、完全凍結させた破滅ミサイル水爆砲を機動要塞ドグローンでドラゴンズトライアングルのリヒテンシュタイン基地上空まで運び、巨大獣バゲゲゾに持たせて海底基地に投下、そこで巨大獣バゲゲゾを自爆させてリヒテンシュタイン基地を海の藻屑にしてやる作戦だ。
ガッダイン5とエルベΩ1がバインゲルZZと戦っている。
バインゲルZZの殺人ワイヤーはガッダイン5のマグネティックランサーとエルベΩ1のフェザーカッターでズタズタに切り裂かれ、武器としては使用できなくなっている。
一方のビスマルクWOは巨大獣ジャガジャガのローリングアタックを喰らい、海でズタズタに切り裂かれていた。
「な、何だと!? 何故地球人とダバール星人が手を組んで戦っておるのだ??」
三島長官の姿のブキミーダが困惑している。
まあ、今までの話の流れを知らないアイツとしては当然だろう。
「行くぞ、超電磁……ストォオーム!」
ガッダイン5の超電磁ストームがバインゲルZZを捉えた!
「超電磁ッ! クロスフィニィイッシュ!!」
「!!!! ガガッッ!!」
バインゲルZZが木っ端みじんに吹き飛んだ。
さて、残るはビスマルクWOだけだ!
俺は巨大獣ジャガジャガと戦うビスマルクWOの方に、機動要塞ドグローンの向きを旋回させた。




