第三十六話 巨大獣バゲゲゾ 追い詰められたブキミーダ 4
とりあえず破滅ミサイル水爆砲の迎撃方法は思いついた。
だがどうやって日本海溝の奥底にそのミサイルを捨てるかが問題だ。
三十六話で出てきた巨大獣バゲゲゾを使うのが多分正解に近いのだろうが……。
というわけでいつものガッダイン5大百科の巨大獣図鑑によると……。
――巨大獣バゲゲゾ――
全長53メートル、重量1400トン
ブキミーダが作った巨大獣で海から攻撃を仕掛けてきた。
北原未来要塞ベースが超大型宇宙船だという結論に辿り着いたブキミーダが相模湾の海底調査で北原未来要塞ベースの海底を調べた際に攻撃できるように作った巨大獣。
腕の部分が何本もの触手になっているようなタコともイカともつかない特殊な形をしている。
北原未来要塞ベースの海底部分の後部のノズル部分を破壊しようとするが、それを先に予測していた竹千代のおかげで返り討ちに出来た。
その後は機動要塞ドグローンの体当たりの巻き添えになり北原未来要塞ベースとドグローンの間に挟まれて大爆発を起こし、ドグローン撃沈の原因になった。
――まあ、使い方を間違えなければ海底用って事なので破滅ミサイル水爆砲を海底深くに捨てる事が出来るな。
この破滅ミサイル水爆砲だが、ガッダイン5に出てきた武器ではない。
むしろ鉄巨人イチナナでウルフ博士の作った武器だ。
まあどう考えても地球環境に優しくないこの武器をあの巨大頭脳ブレイン総統が作るわけが無いので、ウルフ博士が独断で作ったと言えば納得ではある。
鉄巨人イチナナの最終回で結局使われなかったこの破滅ミサイル水爆砲を鉄巨人イチナナが抱え、熱暴走で大爆発寸前の巨大頭脳ブレイン総統もろとも宇宙に運び、誰にも被害が出ない場所まで連れて行った上でこのミサイルを起爆させてブレイン総統を自らの命をかけて葬ったのだ。
まあ、アイアントロボと同じように最終回で鉄巨人イチナナが自らを犠牲にして敵のラスボスを自爆の末に倒したというのは、やはりアイアントロボへのオマージュだったのかもしれないな。
まあ今回はその破滅ミサイル水爆砲をあの三島長官の姿のブキミーダが使うのは目に見えている。
もう既に巨大獣を作るだけの材料も環境も奴には無い。
今頃岳田大佐の指揮する防衛軍が館山海底基地跡地と大型テーマパーク建設予定地だった沼近辺の軍事施設を徹底的に破壊しているはずだ。
そうなると限られた材料でヤツが打てる手段としては、核に頼るしかなくなる。
まあいうならば飛行機や軍事兵器の買えない独裁国家が核兵器を手にして世界に脅しをかけようとするようなものだ。
いくら悪の天才科学者と言えど、貧すれば鈍する。
取れる手段が限られれば迎撃方法はそれほど難しいモノでもない。
問題はいつアイツが攻め込んでくるかだ。
アイツに残っているのは既にあのミキサーマシーンくらいしか使える武器が無い。
協力者としてのウルフ博士も巨大頭脳ブレイン総統に軟禁され、別働出来る状態では無い。
ここまで無い無い尽くしだと、破れかぶれで攻め込んでくるくらいしか出来ないだろう。
だが、アイツはそんな俺達の予測を更に上回るとんでもない物を持って来やがった!!
アレは……――バインゲルZZ!――アイツ、どこからそんなモノを!?
「ケカカカカカカッ! この地球には面白いモノが残っているな! こんなロボットが無傷で残っていたとはな!」
アレは、ビッグバロンの敵ロボットじゃないか!?
この世界、マジでどこまでがフィクションで何処からが現実なのかがたまに分からなくなってしまう……。
まさか、シャールケンの言っていたビッグバロンが本当に存在したとは。
バインゲルZZに搭載されているのは……破滅ミサイル水爆砲!?
巨大獣バゲゲゾを用意している時間も無いまま、俺達はあの敵と戦う事になってしまった!




