第三十六話 巨大獣バゲゲゾ 追い詰められたブキミーダ 2
物語も残り十話を切ったところで、ここでようやく北原未来要塞ベースが超大型宇宙船マグネコンドルとして動き出すようになるのだが、それをさせまいと独断で動いたのが原作のブキミーダだったわけだ。
だがその際に返り討ちに遭った事でダバール星人による侵略の要だった機動要塞ドグローンを撃沈させてしまう事になる。
【ロボットシミュレーションゲーム】では毎回撃墜すると美味しい資金と資材稼ぎのカモになっていた機動要塞ドグローンだが(それでもHP30000超えなのである程度の改造をしていないと数ターンでマップから逃げる)本編では一回しか撃墜シーンが無いので、これは一隻しか存在しなかったと言える。
まあこの悪趣味なデザインも見納めになるのだが、コレを作ったのがブキミーダだったのはガッダイン5大百科に書かれていた事だ。
三十六話ではそのドグローンがメインの話になるわけで、巨大獣バゲゲゾを使って北原未来要塞ベースからガッダイン5をおびき寄せた間にブキミーダがドグローンの巨体で体当たりをして破壊しようとしたのだ。
通常ならどう考えてもドグローンが勝つと思うだろうが、推進力の全てのエネルギーを前面に集め、超電磁エネルギーに転換して一気に撃ち出すマグネブラスターの威力は、ガンボーグに出てきた宇宙コロニー砲・ソルシステムに匹敵するバケモノだ。
実際【ロボットシミュレーションゲーム】でもこのマグネブラスター、最強マップ兵器だが一ステージ一度しか使えない制限で補給も不可、だが威力は横6マスに縦10マスというインチキレベルの範囲指定と破壊力だった。
こんなモンの全力集中砲火を喰らえば、そりゃあいくら今俺の乗っているこの機動要塞ドグローンでも撃沈確定だわ……。
――だが今のこの時間軸、この機動要塞ドグローンを撃沈させるわけにはいかない。――
何故ならいくらマグネコンドルが浮上したとしても、仲間が増えた事でダバール星に戻る際には地上から大気圏を離脱して一度デラヤ・ヴァイデスに戻らないといけないのだ。
このデラヤ・ヴァイデスだが、移動拠点としては良いのだが、超大型宇宙船としてはエネルギー消費が大きすぎてダバール星に戻るだけの移動も出来なきゃ分離等の方法も不可能。
言うならば小型の宇宙コロニー化している様なものだ。
そうなるとダバール星に戻る際には、ワープ機能の搭載されているこの機動要塞ドグローン、そしてハリール王子こと北原光一郎がマグネコンドルに搭載したワープ機能の二つをどちらも使わないといけないわけだ。
そう考えると、何が何でもこの機動要塞ドグローンを守らないといけないという事になる。
だがダバール星も地球もメチャクチャにしたいと考えている三島長官の中のブキミーダは、真っ先にこの機動要塞ドグローンと北原未来要塞ベース(マグネコンドル)を狙ってくるだろう。
地球防衛軍、ブレイン軍団、そしてダバール星人、これらの基地から大量の資材を強奪していった三島長官の中のブキミーダは、何かロクでも無い事をしでかしてくるだろう。
今考えられる方法としては、アイツがやって来そうな攻撃方法……まさか! あの以前失敗した最悪の武器を使う可能性があるか!?
――破滅ミサイル水爆砲――
あんなモンこの北原未来要塞ベース近辺で使われてしまったら、この相模湾近辺の漁村が壊滅だ!
何が何でもアイツの暴挙を止めなくては!
俺は代々木博士に三島長官の中のブキミーダが使ってくる可能性のある最悪兵器、破滅ミサイル水爆砲の事について話した。
「な、何じゃと!? 破滅ミサイル水爆砲じゃと! それは、核ではないか! そんなもんこの辺りで使われたらこの辺り一帯が放射能汚染で人一人住めない場所になってしまうぞい……」
どうやら代々木博士もオレと同じ事を思ったようだ。




