第三十五話 巨大獣ダボボズ 男三島の心意気 11
――スーパーコピー――
別名、スーパーレプリカとも呼ばれているブランド品の服やバッグなどに使われる言葉だ。
ロボアニメでは普段あまり聞かない内容だが、――王者王ガイ・ガイガー――では主人公達の基地が敵に乗っ取られた際にガイガーマシンが敵のゴンガーに奪われ、ガイ・ガイガーと同じパーツを使ったゴンガーメタルロボを作られてしまった。
その性能はガイ・ガイガーと互角か、あるいはゴンガーメタルの浸食によるパワーで22%増しになっていてガイ・ガイガーも苦戦する。
最終的に勝ったのはガイ・ガイガーだったが、それは王者の力を発揮した事で100%に王者の力100%を上乗せした200%の力で打ち負かした事で勝利したわけだ。
今ガッダイン5と戦っている偽ガッダイン5は習志野駐屯地にあったガッダイン5の予備パーツで作られたスーパーコピーと言える。
だから普通の巨大獣なら簡単に貫けるマグネティックアローも通用しないのだ。
「くそっ! こうなったら超電磁プロペラだぁ!」
超電磁プロペラが偽ガッダイン5を襲ったが偽ガッダイン5はそれを超電磁ウェーブで押し流してしまった。
これだと確かに全身を切り刻むはずの超電磁プロペラも通用しない。
「クソッ! それならビッグミサイルスパイラルだ!」
ビッグミサイルスパイラルが偽ガッダイン5を襲ったが偽ガッダイン5はそれを超電磁ワイヤーで絡め取り、ガッダイン5へ投げ飛ばした。
「こんなもん喰らったらひとたまりもないぜっ!」
流がマグネティックランサーを用意し、バット代わりにする事で返されてきたビッグミサイルスパイラルを空高くに打ち返した。
ビッグミサイルスパイラルは空中で大爆発を起こし、その衝撃でガッダイン5と偽ガッダイン5のどちらもが吹き飛ばされた。
「ぬうおおおおっ!?」
三島長官の姿のブキミーダが爆風に煽られ、ガスタンクマシーンの外側の外装が剥がれ、ミキサーマシーンの本体が露出した。
その際に中に蓄えたはずの資材がボロボロと落ちたようだ。
「くっくそっ!!」
ミキサーマシンの前にはエルベΩ1と巨大獣ジャガジャガの姿があった。
「さあ、今度こそ終わりです、エルベΩ1の力、見せてあげます!」
「スタンリー、ちゃっちゃと終わらせるわよ、見たい番組あるんだから!」
「わかった、エリザ。さっさと終わらせよう」
流石にミキサーマシーンだけでこの二体のロボに勝てるわけが無い。
今度こそ三島の姿のブキミーダも年貢の納め時か……。
だが、往生際の悪いアイツは、質の悪い事をやろうとしていた。
「ケカカカカカカッ! ワシを殺すつもりか。いいぞ、やってみろ。だが、ワシが死ねば基地に仕掛けた細菌爆弾が爆発するようになっている、それでもワシを殺せるならやってみるがいい!」
――アイツ! ブレイン軍団の基地から細菌ロボの爆弾を奪っていたのか!
もしあの細菌爆弾を使われたら未曽有の大被害が起きてしまう!
「仕方ない、攻撃は中止だ!」
「くっ……仕方ないわね」
「悔しい……です」
三島の姿のブキミーダが乗ったミキサーマシーンはそのまま海のある方方に向かって飛んでいった。
そこに残されたのは偽ガッダイン5だったが、ミキサーマシーンがいなくなった途端、動きが鈍くなったようだ。
どうやら三島の姿のブキミーダが指示を出していたのがいなくなった事で人工知能が自己判断できなくなってしまったようだ。
「へっ! こんなでくの坊ならいくらガッダイン5と同じ力だと言っても勝てるぜ!」
「ガッダインチーム、わたしも協力しますわ! セイレーン・シュルスリート!」
流石に前回ほどのフルパワーではないが質量を持った音波兵器は偽ガッダイン5の装甲を脆くしたようだ。
「スタンリー、次はアタシ達の番よ、行くわ! ローリングアタック!!」
巨大獣ジャガジャガによる回転体当たりで偽ガッダイン5の装甲が完全に剥がれ落ち、空中に弾き飛ばされた。
「よーし! 最後は俺達の番だぜ! 超電磁ストーム! そして……超電磁クロスフィニッシュだぁぁぁー!」
「ダバォボォオオオウズウゥウウーッ!」
偽ガッダイン5こと、巨大獣ダボボズは空中で大爆発を起こした。




