第三十五話 巨大獣ダボボズ 男三島の心意気 10
ガッダインチームはダインマシンで出撃した。
どうやら今偽ガッダイン5は立川から福生、昭島の辺りに出現したようだ。
俺は上空からの写真で昭島駅周辺を見たが……ここ、ネットで見覚えがあるな。
昭島といえばパチンコガンボーグ駅ってアホなネタがあったことを覚えている。
実際には存在しない駅名なのだが、まだグローバルマップアプリが黎明期の頃、GPSで近くの昭島駅とパチンコガンボーグという店があって、その二つのGPSが混ざってしまい、存在しないパチンコガンボーグ駅という変な物体が生まれてしまったのだ。
まあ全国にはファミドラガンボーグなんてゲームショップも存在するくらいなので、ガンボーグの名前がどれだけ使われ放題だったかってとこか。
まあそんなネタはさておき、福生から昭島と言うと立川の防衛軍基地と福生の米軍基地のある辺りだ。
どうやら三島長官の姿のブキミーダはこの辺りの資源も根こそぎ奪おうというのだろうか。
そうなると、あの偽ガッダイン5はオトリという事になるな。
「代々木博士、あの偽ガッダイン5はオトリだ。アイツは防衛軍の目があちらに向かっている間に基地の資源を根こそぎ奪うのが目的なんだ」
「何ですと!? ではアレは無視しろと?」
「はい、そういう事になります、ですが下手にこちらがそれに気が付いたというのは見せない方が良いでしょう」
アイツは狡猾な奴だ。
だから俺達が作戦に気が付いたとなるとすぐに別の場所に今ある資源などの強奪した物を持っていて今度こそ潜伏場所が分からなくなってしまう。
本編でもアイツは知らない間にシャールケンやアクラデスには内緒で自分用の隠れ家をいくつも用意していた。
そこがどこだったのかは視聴者ですら全部把握出来てはいない。
文字通り、彼のみが知る場所なので、下手に感づかれると索敵が面倒な事になる。
だから今は下手に気付かれないようにあのガスタンクマシーンを攻撃出来た方が良いのだが……。
「代々木博士、とりあえず今出せるガッダイン5以外のロボットは何かありますか?」
「うーむ、そうじゃのう……まあ今出せるとしたら考えられるものが無い事もないぞい」
「代々木博士、わたしが行きますわ!」
「君は、コーネリアさんか。体調はもう大丈夫なのですか?」
なんとコーネリアがガッダイン5の救援に向かうと言っている。
まあエルベΩ1もエネルギーを回復出来ているので出撃は可能だが……。
「アタシ達も行くわよ。あの辺りってトラノコプロがある辺りじゃない。下手に壊されたら来週の新造の騎士ガシャーンやヤッテヤルマンが見れないじゃない!」
――あ、そういう不純な理由なのね。
まあ味方が多いに越した事は無い。
今の巨大獣ジャガジャガはスタンリーとエリザのダブルパイロットで乗る形なので負担は二分の一になっている。
それに本来の戦士エリザやスタンリーは拗らせアニメオタクになる前は凄腕のパイロットなので腕は確かだ。
「おお、エリザさんにスタンリーさん、貴方がたも出てくれるのか、それは助かりますぞい」
こうしてガッダイン5は偽ガッダイン5と戦いながら時間を使い、その間にエルベΩ1と巨大獣ジャガジャガがガスタンクマシーンを襲撃するという作戦が開始された。
巨大獣ジャガジャガは空を飛べないので、エルベΩ1の上に乗る形で出撃した。
「くっそー、ガッダインの偽物め、本物のこれでも喰らえ! マグネティックアロー!」
ガッダイン5のマグネティックアローが偽ガッダインに命中した。
だが、その装甲はまるでその攻撃を受け付けなかった。
「気を付けてください、龍也さん。アイツはただの偽物ではありません!」
「何だって!? どういう事だよ竹千代!」
「あれは、スーパーコピー、スーパーレプリカです! つまりは、ガッダイン5と同じ材料で作られた偽物と言う事です!」
竹千代はガッダインチームに偽ガッダイン5をスーパーコピーだと説明した。




