第三十五話 巨大獣ダボボズ 男三島の心意気 6
誤字と矛盾箇所の指摘ありがとうございます。
適応して修正させていただきました。
巨大頭脳ブレイン総統は俺の話を信じてくれたようだ。
彼(?)はデータから全てを導き出す超大型コンピューターだ。
そのブレイン総統のデータでも、俺の行動にはおかしな点があったが全部先程の返答で解決したらしい。
――君達ダバール星人は地球人のサルよりも話が通じそうだ。君達がこの星の支配者になるならわたしの目的は達成できると想定しても良いだろう――
巨大頭脳ブレイン総統の目的、それは一貫している。
その目的は地球環境保全、維持の為の人類の抹殺だ。
だがもしダバール星人が地球人の上位互換となるなら、地球人をダバール星人が支配する事で地球環境の保全が出来る。
どうやら巨大頭脳ブレイン総統はそう考えたようだ。
――ミスター・ブキミーダ。わたしの聞きたい事は大体聞けた。それで、君が先ほど聞きたがっていたウルフ君とミシマの話だが……君はわたしに何をしてもらいたいのかね?――
巨大頭脳ブレイン総統は人間的な感情ではなくシステムで動いている。
その基礎構築の中にギブアンドテイクがあるようだ。
だから彼は俺が聞きたかった事もこちらが正しい対応をした為、返そうとしてくれている。
「そうですね、とりあえずは……全世界のブレイン基地がどれだけあるかわかりませんが、その基地の全てのドアをセキュリティロックを掛けて欲しいのです」
――ほう、その程度数秒もかからないが……それは何の為かね?――
俺は巨大頭脳ブレイン総統に今後の展開を伝えた。
「ウルフ博士と三島元長官が基地から資源やデータを持ち出せないようにする為です」
――ほう、ヒョウロウゼメというやつだな。新たなエネルギーやデータ、資材を彼等に与えないようにするという事か。――
ブレイン総統は俺の作戦を理解してくれた。
ここでこの手を打っておかなくては、原作の流れを再現されると厄介な事になる。
ガッダイン5大百科の三十五話はこんな話だった。
千草がハリール王子の娘だと知ったブキミーダは、何が何でも彼女を捕え、デスカンダル皇帝に献上しようと考える。
その上で功績を焦る彼はアクラデス執政官に作戦を提案した。
それは、防衛軍基地に潜入したミザーリンにセキュリティを解除させ、そこから防衛軍の物資を奪い、その資材を元にガッダイン5と全く同じ性能の巨大獣を作る事だった。
作戦に許可を出したアクラデスは、資材を手に入れてきたブキミーダに命じ、ガッダイン5と全く同じ姿の物を作るように命令した。
そして完成した巨大獣ダボボズの外側をガッダイン5と同じ素材、同じ色で塗装し、偽ガッダイン5を作り上げたのだ。
偽ガッダイン5は街で暴れ、市民活動家に扮したミザーリンはガッダイン5が人類を裏切ったと扇動する。
偽ガッダイン5のせいで家や家族を失った住民の怒りは北原未来要塞ベースにぶつけられた。
そんな中、三島長官はそんな市民の前に丸腰の単身で現れ、泣きながら土下座をする。
――家族や家を失った人達よ、ワシが防衛長官の三島だ。貴方がたの怒りをぶつけるなら不甲斐ないこのワシにぶつけてほしい。ガッダインチームは悪くない。アレは何かの間違いだ――
だが怒りの収まらない住民達はそれでも三島長官に石を投げたり唾を吐いたりする。
どうしても理解してもらえない三島長官は部下に用意させた日本刀を抜き、自ら切腹しようとした。
流石にやり過ぎだと思った住民達は三島長官の本気の誠意を感じ、怒りの矛先を収める。
そんな長官に庇われたガッダインチームはこれが偽物による仕業だと見抜いた竹千代の作戦で偽物をおびき寄せ、激戦の末それを倒して映像として残し、以前ツチノコ騒動で世話になったテレビ局に持ち込む。
ガッダイン5の偽物との戦いを見た市民達は確認もせず彼等を疑った自分達の態度に反省していた。
――まあ、偽物騒動はロボアニメの定番だけどやはり話が重い。
そしてこれは三島長官がマジで男の中の男だと思った話だった。




