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第三十五話 巨大獣ダボボズ 男三島の心意気 2

 全員が寸又峡に行っている間、俺と代々木博士はコーネリアとベルクシュタイン博士の事について話をしていた。

 きっかけは俺から電話の内容が聞こえた事と、コーネリアの命を救う方法として未来では白血病治療の骨髄移植が実施されていると伝えた事だ。


 ――何じゃと? 骨髄移植? うーむ、儂も方法は聞いた事があるが……まだ米国でも実験段階と聞くぞい――

 ――俺の居た時代ではもう日本でも普通に骨髄バンク登録が成されていて実際に助かった人が何人もいる。この時代の女優、夏木雅代も日本にそのシステムがあれば助かったと言われているな――


 夏木雅代の名前を聞いて代々木博士が驚いた。


――何じゃと!? あの女優の?? まだ映画でバリバリ活躍しているのに……――

 ――彼女は数年後発症します。今のうちに日本でもその症例を治療した実績があれば救えるかもしれないですね――


 代々木博士が頭をかいて考えごとをしていた。

 どうやら彼は夏木雅代のファンだったようだ。


 ――じゃがそのドナーとやら、数万人に一人じゃろう? どうやって見つけ出せばいいんじゃぞい……――

 ――もう候補は分かっています、ただそれが分かったのは物語が終わった後だったんで実現できなかっただけでして――


 俺は竹千代とコーネリアの血液型が同じで、数万人に一人の合致という事を本編で知った。

 実際本編ではエルベΩ1を倒した後、その事実が発覚したので……絶望したベルクシュタイン博士は後日、娘の亡くなった寸又峡で拳銃自殺をしたのだ。

 なんともいたたまれない本編の最後だった。


 ご都合主義というか皮肉というか……本編の悲劇を知っているからこそ、今の状況からなら助ける事も可能だ。


 ――じゃが彼は子供だ、子供からそんな危険な事が出来るのか……?――

 ――今の時代だから出来るのです! まだ倫理的にとか、臨床実験とかと言われていないので、科学の思索段階だからこそ、挑戦したと言い切れば!――


 代々木博士は流石にこの事について少し考えていた。


 ――もし可能なら宇宙人からでも移植は可能なのかのう?――

 ――まあ、臓器や生体パーツとしての機能がほぼ同じなら可能性は有るかと――

 ――ふむ、勿論貴方も協力、提供してもらえるのですかな?――


 まあ、そう言われるだろうと思った。

 ここは素直にはいと言っておいた方が良いだろう。

 人に痛みを押し付けて自身は何もしない奴は信頼されない。


 ――勿論です! ご協力しましょう――

 ――では、貴方の持つダバール星人のデータを提供してもらえますかな?――


 ……こうして、コーネリアの命を助ける為の骨髄提供者のデータ探しを俺と代々木博士は彼等が寸又峡に行っている間に行っていたのだ。


 結果、コーネリアと骨髄のパターンの一致するのは、竹千代とダンダルだと分かった。

 ダンダルと実質姉弟のアクラデスは残念ながら一部が一致しなかったようだ。


 北原未来要塞ベースの集中治療室に到着したコーネリアの緊急手術が始まった。


 そこで代々木博士は竹千代とダンダルの二人を呼び、骨髄移植の話をした。


「何ですって、骨髄移植理論はまだ米国でも成功例がほとんど存在しないと聞きますが……」

「小生詳しくはわからんが、とにかく協力すればコーネリアさんは助かるという事なのか?」


 二人の理解度が雲泥の差だ。

 だが、二人共嫌とは言っていないらしい。


「……わかりました、僕でよければ」

「待て、そのシュジュツとやら、かなり体に負担がかかるのだろうが、ひ弱なお前には無理だ。小生が引き受けてやろう!」

「そんな……」


 代々木博士は二人の決意を聞き、結論を出そうとしている。


「ふむ、どちらもリスクがあるのう。完全一致としては竹千代君じゃが体の負担が大きい。それに対しダンダルさんは手術には耐えられるが、地球人との臓器や機能互換性がどこまでなのかが分からん……」


 この件に関し、話を聞いていたベルクシュタイン博士がトンデモない事を言った。

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― 新着の感想 ―
[一言] (読み返し感想) >この時代の女優 夏目雅子さん……急性骨髄性白血病により27歳の若さで亡くなられた当時、多くの人が悲嘆した事を覚えています。
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