第三十四話 巨大獣バゾンガ 死者が蘇る怪談話 12
ダンダルの操縦するグローン円盤は巨大獣バゾンガの攻撃を避けながらガッダイン5の方に向かって飛んだ。
「コノヤロー! これでも喰らえ!」
ガッダイン5のマグネティックアローがバゾンガに当たった。
地面を揺らして攻撃をしようとしていた巨大獣バゾンガは力が余って転倒してしまったようだ。
ビリビリビリビリッ!
運の悪い事に、倒れたところが貯水池で、そこの水にちぎれた高圧電線が触れたもんだから巨大獣バゾンガが感電して動けなくなっている。
「やった、チャンスだ!」
巨大獣バゾンガが動けないうちにガッダイン5の腰部コクピットにグローン円盤が接触、アクラデスは千草から予備用衝撃吸収スーツを受け取り、そのまま下のダインビークルのコクピットに入り込んだ。
「タケチヨ、後は我にまかせるのだ」
「ありがとうございます、アクラデスさん!」
「いいかッ、引き上げるぞッ!」
「はいっ!」
竹千代はグローン円盤から降ろされた太いワイヤー部分を握り、上の操縦席に引き上げられた。
巨体のダンダルが操縦するグローン円盤のコクピットは狭く、大男一人に子供二人でギリギリといったところだった。
明らかに重量オーバーのグローン円盤はフラフラしながらエルベΩ1の所に辿り着き、コーネリアと竹千代の二人が降りた。
「それでは後は任せたぞッ!」
巨大獣に通用する武器を持たないグローン円盤はダンダルが操縦し、そのままその場から撤退した。
エルベΩ1の頭部の一部が開き、竹千代とコーネリアが中に入った。
「うわっ!?」
ショートした破片が竹千代の眼鏡に当たり、ヒビが入ってしまった。
「くそっ、眼鏡が壊れちゃった」
眼鏡を取った竹千代は目視でエルベΩ1のコクピット部分の配線を確認した。
一応無人で動くようにはなっていたが、このコクピット部分、見事に人間の頭部や上半身がスッポリハマるくらいの空洞部分が作られていた。
おそらくサイボーグ化したコーネリアを生体パーツとしてここにはめ込む予定で作られた空間だったのだろう。
だが今はそこには何も入らない、むしろ外部音声操縦システムの配線を本体に接続して戦えるようにする方が重要だ。
「コーネリアさん、これを使って!」
「これは?」
「ボクの予備用衝撃吸収スーツです。出来たばかりでなんですけど多分サイズは合ってるかと」
この衝撃吸収スーツ、本来は先日ダインマシンを操縦したケン坊に合わせ、竹千代の予備スーツを改造したものだ。
背格好的に似たコーネリアもコレを使えるはず。
彼女は薄着になり、その上からこの衝撃吸収スーツを着込んだ。
竹千代はそんな彼女を見る事も無く、配線を繋いていた。
「あとこの赤いコードをこちらのソケットに繋いで……よし、完成だ!」
「タケチヨさん……」
天才少年竹千代は大人でも根を上げそうなややこしい配線のエルベΩ1のコクピットに外部接続で音声式コンピューター制御の操縦システムを突貫で接続した。
「す、すごい……パパ以上の科学者なんていないと思ってたのに……」
「コーネリア、パパの声が聞こえるか。エルベΩ1はどうなった!?」
「パパ、大丈夫。ワタシ、戦えるわ!」
コーネリアは操縦システムを操り、エルベΩ1を立ち上がらせた。
「これは!」
「成功です! エルベΩ1の配線を修理できました」
一方、感電して動けなかった巨大獣バゾンガだったが、どうにか動き出し、ガッダイン5に身体を丸めた高速体当たりを仕掛けてきた。
「へっ! こんな攻撃、マグネティックランサーで串刺しにしてやるぜ!」
だが、バゾンガの身体を丸めた高速体当たりは、変則的な動きでガッダイン5の側面に回り込み、強烈な一撃を叩き込んだ!
「ぐわぁああ!」
「キャアッ!」
「な、何なのだぁ!」
怯んだガッダイン5に巨大獣バゾンガが襲い掛かる!
その時、空中に舞い上がったエルベΩ1が翼で巨大獣バゾンガを切り裂いた!




