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第三十四話 巨大獣バゾンガ 死者が蘇る怪談話 3

「なあ、三島。儂は科学者じゃ。なのでオカルトとか非科学的なものはどちらかと言うと否定派なんじゃがな、世の中には不思議な事があるもんじゃぞい」

「健作、それはどういう事だ?」


 代々木博士に本当の正体が分かってしまったケン坊は、本来のしゃべり方で彼に話している。


「いやな、世の中偶然が重なりすぎると必然になるという事じゃぞい。お前の今のその立ち位置なんて不自然の極みではないか」

「まあそういえばそうだな。それで、どこから話せばいいんだ?」

「そうじゃな、あの飛行機事故の後の事で頼むぞい」


 どうやら代々木博士は国連事務総長の護衛をしていた時の爆発事故からの奇跡の生還という時点で三島という人物の中身が入れ替わったと推測したようだ。


「そうだな、ワシはあの時……国連事務総長を護衛していた。だが突如乱気流に巻き込まれ、機体のエンジンが爆発してしまった。アレがテロの仕業だったのか偶然の事故だったかはワシもわからん……。ただ一つ分かっているのは、あの事故以降のワシの三島長官としての記憶が無いのだ」

「そうか、やはりお前はあの飛行機事故で死亡し、その身体にダバール星人のブキミーダの魂が入り込んでしまったというわけじゃな」


 どうやら物語の重要人物とも言える二人が話の核心に迫ったようだ。


「ブキミーダ? 確かダバール星人の穏健派の科学者の名前がそんな名前では無かったのか? あのミザーリンという女からそういう立場だとワシは聞いたが」


 まあ、ケン坊の姿の彼の知っている俺の事といえばそういう認識だろう。


「三島、それがおかしな偶然の重なりの最初だという事なんじゃぞい。実はあのブキミーダの中に入っている人物は、未来から来た地球人で、この世界の先の事を知っておるのじゃぞい……。儂も最初は信じられんかった。じゃが彼の言う事は全て信ぴょう性のある話だったんじゃぞい」


 代々木博士はケン坊の姿の三島長官に俺の事を話した。


「実は儂に千草君が地球人とダバール星人とのハーフだと教えてくれたのが彼なんじゃぞい。今まで戦っていた相手にそれだけの重要機密を伝えてまで、彼はこの戦争を止めたがっているのじゃぞい」

「健作、それでは聞くが……ダバール星人が戦争をしている理由とは何なんだ?」


 そうか、ケン坊としての彼はこのトップシークレットの話はまだ聞いてなかったのだな。


「彼等の戦争の理由は、移民問題と祖国の滅亡危機なんじゃぞい。どうやらダバール星には人工太陽があるそうじゃが、それが暴走してしまい人が住めなくなってしまった。それでダバール星人は地球を新たな住処にする為に侵略を開始したのだそうじゃ」

「成程、向こうにもやむを得ない事情があったという事か……」


 軍人の三島長官としては、敵にも正義があると知り……少し悩んでいるようだ。


「じゃがそれを名目にし、地球を征服しようとしているのがダバール星の支配者デスカンダル皇帝というわけじゃ。そしてそのデスカンダル皇帝の兄だったのが千草君の父親、儂等の親友だった光一郎、ハリール王子だという事なんじゃぞい……」


 この説明で三島長官は納得できたようだ。


「そうか、それであのブキミーダの中の人物はその戦争を止めようとしていたわけだな。そして……ワシの身体を奪った本物のブキミーダという奴が、ワシの努力して築き上げた地位や信頼を地の底まで叩き落としてくれたってわけだな……!!」


 事実のわかった三島長官はあり得ないくらいの怒りを見せている。

 それはむしろ表に見えるような大激怒的な物では無く、相手の事を絶対に許せないと言った静かに激しく燃える怒りだった。


「三島……気持ちは分かるが、少し落ち着くんじゃぞい」

「止めるな健作、ワシは死人を再び冥府に叩き返してやるだけだ!」


 そういえばこの三十四話のサブタイトル、――死者が甦る怪談話――だったな。

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