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第三十四話 巨大獣バゾンガ 死者が蘇る怪談話 2

 少し前まで敵対していたダバール星人と地球人、その間の存在とも言えるのがまさかのガッダイン5のパイロットの一人である北原千草だとは、誰も気が付くわけがあるまい。


「まさか、千草がダバール星人だったなんて……」

「龍也君、正式には違うぞい、彼女はダバール星人の父親であるハリール王子と、地球人のみどりさんの娘という事になるのじゃぞい。つまり、ハーフというべきかのう」


 この時代、ハーフという言葉はまだ使われ出した頃で、その以前は蔑称で合いの子と呼ばれていた。

 まだあまりハーフが良い意味で取られていなかった時代にあえてこの設定を使ったのは、やはり時代的に米軍の沖縄基地でのハーフが増えた問題が根本にあるのだろう。


 ちょうどこの時代、沖縄が日本に領土復帰した頃だ、降板前の浜野監督ならそういう時事ネタを使ってもおかしくはない。

 だが主人公の龍也に天涯孤独+少年院+異星人のハーフ+敵司令官と生き別れの腹違いの兄弟、なんてことをやれば流石に設定盛り過ぎになるので、没になったのも仕方ないだろう。


 だから主要メンバーの紅一点、北原千草を異星の王子の娘にしたのだが、これが大当たりだったらしく、今でも北原千草はアニメヒロインでも人気キャラで海外でも人気が高い。


「そんなっ。私がダバール星人とのハーフだったなんてっ……」


 事実を知らされた千草はまだ気分が落ち着いていないようだ。

 まあそれもそうだろう、いきなり攫われた挙句に皇帝の妻にされる話をされ、それが自身の出生の秘密にまで関わる話だとしたら、普通に考えても精神状態がまともでいられる方が少ない。


「チグサ、元気を出すのだ。我がついているのだ……」

「アクラデスさん……ありがとうっ。でも、今は一人にしてもらえるかしらっ……」

「チグサ……」


 千草はみんなを指令室に残し、一人外に出てしまった。


 まあいきなりあんな衝撃の事実を聞かされたら精神的にもまともではいられないだろう。


「しかし、まさかガッダインチームの中にダバール星人とのハーフがいるとはッ」

「そんなのどうでもいいじゃねえかよ、千草は千草だ。オレ達の仲間なんだ!」

「そうです、僕達、これまでも一緒に戦って来たんじゃないですか!」


 龍也や竹千代が千草の事をフォローしようとしていた。


「ふう、少し時間が必要かもしれんぞい。みんな、今日はもう解散して休んでくれ」


 代々木博士は全員を解散させ、ケン坊を一人残した。


「ケン坊君、すまんが儂の部屋を掃除してくれんか?」

「はい、わかりました!」

「そうそう、決して……額縁の裏を見るんじゃないぞい!」


 これはっ!? 間違いない……代々木博士はケン坊の姿の三島長官に何かを伝えようとしているのだ。


 俺はマーヤちゃんと機動要塞ドグローンに戻り、スパイドローンで代々木博士とケン坊のやり取りを見る事にした。


「博士、入ります」

「ああ、頼むぞい……そこの額縁の裏、絶対に見るんじゃないぞい」

「わかり……ました」


 ケン坊の姿の三島長官は何かを察したようだ。

 そして代々木博士がチラチラ見ているところであえて絵の額縁を外し、その裏を開いた。

 中には代々木博士のヘソクリと、一枚の写真と手紙が見つかった。


「こ……これは?!」

「見るなといったはずなのに、見てしまったな……」


 写真に写っていたのは若い日の代々木博士、ハリール王子こと北原光一郎、三島長官、そして……北原みどりさんの姿だった。


「コレって……」

「儂の未練じゃぞい。出すに出せなかった手紙、お前も似たような気持だったんだろう。三島……」

「そんな、ボクは……」

「もう演技せんでも良いぞい。どうやらお前が本当の三島だったんだな」


 どうやら代々木博士は、この話をする為にわざとケン坊の姿の三島長官を呼び出したようだ。


「そうか、お前には分かったようだな。健作」

「儂も信じられんかったぞい。やはりお前はあの飛行機事故で死んでしまったのか……」


 ケン坊の姿の三島長官に対し、代々木博士は話を続けた。

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