第三十二話 巨大獣ゴマゴガ 狙われた千草! 11
巨大獣ゴマゴガによる攻撃なら、あの殺人ビル型マシーンの側壁やガラス部分を削り取る事が出来る。
つまり、巨大なコマをアイツにぶつける事が出来れば、その後はコマがロボットを削り取ってくれるというわけだ。
それで殺人ビル型ロボットに外に出る穴が出来ればミザーリンとマーヤちゃんが千草とアクラデスを助け出してくれるだろう。
さあ、巨大獣ゴマゴガよ、大暴れしてあの殺人ビル型マシーンにダメージを与えてくれ!
「行け、巨大獣ゴマゴガ! あの破壊ロボットを巨大コマ攻撃だ!」
「グガオオオウン!」
今回は俺が指揮を取らなくてはいけない。
バルガル将軍には今後地球とダバール星人の捕虜交換の交渉が上手く行った際にすぐに捕虜を交換できるようにする為、奇岩島基地で地球人の基地移動の為の下準備を頼んでいるので前線には出て来ていない。
だから今回は俺がやるしかないのだ。
ダンダル軍務卿は北原未来要塞ベースの方にいるダバール星人の捕虜と話をしているのでまさかこんな事態になっているとはとても思えないだろう。
それにもしあのダンダルの耳にでも入ったらもっと事態がややこしくなる……。
巨大獣ゴマゴガのコマ攻撃は左右から巨大ゴマが殺人ビル型マシーンを挟み込む形で削り続けている。
このペースなら穴が開くのも時間の問題だ。
そろそろミザーリンから俺に連絡が来てもおかしくはないだろう。
「ブキミーダ様! アクラデス様と千草さんを見つけました。今救出に向かいます!」
「よくやってくれた! 時間が無いので急いで救出を頼む!」
「わかりましたわ、行くわよ。マーヤ」
「はい、お姉様!」
マーヤちゃんとミザーリンは良いコンビになっている。
彼女達は殺人ビル型マシーンの中でブレインロイドを次々となぎ倒し、アクラデスと千草を助け出そうとした。
「アクラデスさんっ、先にそっちに渡って!」
「わ、わかったのだ、チグサもすぐにこちらに来るのだ」
「私は貴女が渡り終わったらそちらに向かうわっ、そのロープ二人は渡れないし、ここを固定していないとっ」
アクラデスが先にミザーリンとマーヤちゃんに助けられた、後は千草だ。
だが、そこで三島長官の姿のアイツが姿を現した。
「おっと、この娘をお前達に渡すわけにはいかん」
「ミシマ! お前……チグサを離せっ!!」
「そうはいかん、この娘はデスカンダル皇帝への手土産にするのだ!」
何ということだ……千草は三島長官の姿のアイツに捕まり、屋上からアドバルーンに偽装したゴールドプレシオンの頭部飛行機で殺人ビルロボットから離脱した。
「くっ……我のせいで、チグサが……」
「アクラデス様、とにかくここは脱出しましょう!」
「お姉様、ここに出口が有ります、ここを蹴破りますね。あたたたぁー!」
マーヤちゃんはドアを蹴破ると言いながらパンチの連打で殺人ビル型ロボットの側面に風穴を開けた。
「ゴマゴガ、コマの動きを止めるんだ!」
「グゴオオオオッ!」
殺人ビル型ロボットから脱出したマーヤちゃん、ミザーリン、アクラデスは巨大ゴマを伝いながら巨大獣ゴマゴガに回収された。
千草の件は残念だったがどうにかアクラデス達は脱出できたようだ。
まあ千草の捕らわれた場所には大体目星はついている、今はとにかくこの殺人ビル型ロボットを倒してここを脱出しなくては。
巨大獣ゴマゴガに移動したマーヤちゃん、ミザーリン、アクラデスはどうにか無人のグローン円盤に乗り込み、機動要塞ドグローンに帰還した。
だが人質を助ける事に全力を使っていた巨大獣ゴマゴガは殺人ビル型ロボによってズタボロにされ、ついには力尽きて倒れてしまった。
これも仕方ないか……巨大獣ゴマゴガ、よく頑張ってくれた。
その力尽きた巨大獣ゴマゴガの代わりに戦うかのように……ガッダイン5が到着した。
しかし、一体誰が千草の代わりにダインクルーザーに乗っているのだ??




