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第三十二話 巨大獣ゴマゴガ 狙われた千草! 8

 本物のブキミーダはアクラデスが女性と確信していた。

 それは本編の三十二話で千草とアクラデスが入れ替わった時に彼女の部屋で服を着替えるシーンをスパイカメラで覗いていて彼女が薄着になった際に胸の谷間が見えた事で決定的になった。


 だが今この時点でアクラデスが千草そっくりだと分かったので、彼女が女性である事は代々木博士やガッダインチームにも明白になったわけだ。


「いやはや、世の中にはそっくりな人物がいるもんじゃぞい。先日のスタンリーさんと龍也君もビックリしたが、アクラデスさんと千草君のソックリぶりはまるで姉妹か親戚としか言えんぞい」


 いや、その指摘、間違っていないかと。

 実際アクラデスはデスカンダル皇帝のクローンで、千草はダバール星王子でデスカンダル皇帝の兄だったハリール王子の娘だ。

 つまりDNAはほぼ同じ父方から作られていると考えて間違いないだろう。


「すまんぞい、話がずれてしまったようじゃ。それで、アクラデスさん達がここに来たのは儂等地球人と休戦、和平を結ぶ為と考えてよろしいのですかな?」

「そうなのだ。だが、我もすぐに返事するわけにはいかないのだ。地球人が和平を結ぶ、共に生きるに値する者達か見極めたい、少し時間を貰えると嬉しいのだ」


 つまりアクラデスは地球人の様子を見たいと言っているのだろう。


「勿論ですぞい、それでは貴女がたをお客人として歓迎致しますぞい。そうですな、丁度千草君とアクラデスさんが似ておるようですから、千草君に案内を頼みますぞい」

「アクラデスさん、よろしくお願いしますねっ。私は北原千草ですっ」

「我はアクラデスなのだ、よろしく頼むのだ」


 千草とアクラデスが握手をした。

 お互いがニッコリと笑いあうと、まるで姉妹のようにしか見えなかった。


「アクラデスさん、ちょっと狭くてごめんなさいっ。基地の部屋をすぐに用意できないので私の部屋に来ていただけますかっ?」

「まあ、わかったのだ。それでは案内するのだ」


 俺とダンダル軍務卿は同じ部屋に案内された。

 勘弁してくれ、イビキやあの拷問のような歌はマジで心が折れる……。


 だが北原未来要塞ベースの広さ的に俺達の部屋を人数分用意するのは結構大変そうだ。

 仕方ないので俺は機動要塞ドグローンで寝ると伝え、マーヤちゃんとドグローンの方に戻った。


 ダンダルはそのまま個室に置いてきた。


 まあ実際ここからの方が北原未来要塞ベースの様子をスパイドローンで確認できるし、いざブレイン軍団が攻めてきた場合には対処できる。


 俺はスパイドローンの映像で千草とアクラデスの居る部屋を確認した。

 ――別に女の子の部屋を覗く趣味はオレには無いぞ! でも何だかマーヤちゃんが横でオレの事をジト目で見ていてなんだか目線が冷たい……。――


「アクラデスさん、折角地球にいるんですからっ、一緒に買い物に行きましょうよっ。私、お姉さんが出来たみたいで嬉しいわっ」

「我……と、か? まあいいのだ、我もチグサの事、嫌いじゃないのだ」

「本当! それじゃあ明日買い物に行きましょう。可愛い服とか買うのっ」


 千草はアクラデスと一緒にショッピングに行くのが楽しみみたいだ。

 アクラデスはそんな千草の様子を見ながらニッコリ笑った。


 本編ではアクラデスが千草と入れ替わった際にこの部屋に入り、――この部屋、羨ましいのだ。――と言っていた。

 アクラデスは今まで男装で通さなくてはいけなかったので、初めて女性らしい姿を出来たのが千草の部屋に成りすましで入った時だった。


 その時のアクラデスは千草の服を次々と着替えてはドレッサーで自分の姿を見て喜んでいた。

 どうやら本当に彼女の着たかった服装があったのが、そのドレッサーだったかららしい。


 だが今は何も気取る事無く、千草がアクラデスに自分の服を色々と貸してあげて着替えを楽しんでいるようだ。


 こう見るとマジで姉妹にしか見えないな……あの二人。

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