第三十二話 巨大獣ゴマゴガ 狙われた千草! 2
隠していた千草の秘密、それは千草が地球人の北原みどりとダバール星人ハリール王子とのハーフだという話だ。
これは流石に代々木博士も親友の光太郎ことハリール王子の冗談だと思っていた事であり、まさか本当だったとは、と酒瓶を落として驚くくらいの事だ。
ガッダイン5三十二話の本編では、アクラデスはブキミーダやミザーリン、ダバール星人の部下達に協力させ、他のマシンを整備中にさせる事で千草単独でダインマシンのまま救援に向かわせた。
そして救援に向かった千草はそこで待ち構えていたアクラデスとブキミーダに捕まり、そこで千草は拉致され、アクラデスが千草に成りすまして基地に戻る。
そして何の違和感も感じさせず基地に入り込んだアクラデスは、ガッダインチームをそれぞれ千草のフリをしながら仲違いさせる。
そんな中、巨大獣ゴマゴガで出撃してきたダンダル軍務卿により新橋の街が破壊され、ガッダインチームが出撃する事になった。
だが当然ながらダインクルーザーのパイロットは千草ではなくアクラデスに入れ替わっているのでガッダイン5に合体する事が出来ず、苦戦の末撤退する事になってしまい新橋の街は瓦礫と化してしまったのだ。
何故合体出来なかったのか、それをガッダインチームの龍也達は不思議に思いみんなで相談をするが、当然ながら結論にはたどり着かなかった。
そんな中、竹千代が千草に成りすましたアクラデスの違和感を感じ、彼女が偽物だと見破る事になる。
そんなタイミングで再び巨大獣が出現、千草のフリをしたアクラデスは三島長官に出撃許可を出されず、部屋で待機させられ、代わりに三島長官が自らダインクルーザーで出撃する事になる。
不慣れな操縦ではあったが三島長官は無事ガッダイン5に合体させることに成功し、即席のガッダインチームは巨大獣ゴマゴガをどうにか苦戦の末倒す。
基地に戻った三島長官は千草が偽物だと判断し、彼女を逮捕するように部下達に伝えるが、ここで基地に入り込んできたミザーリンによってアクラデスが北原未来要塞ベースから脱出し、逃げられてしまう。
本物の千草がどこに捕らわれているのか……。
それを調べようとしていた龍也達に対し、ブキミーダから映像が送られてきた。
その映像に映っていたのは、奇岩島基地に捕らわれてしまった千草の姿だった。
――まあ何と言うか結構ハードで物語も佳境に入ったと言えるような話だったな。
この話でアクラデスと千草のキャラデザがそっくりだった意味がようやく分かる。
そして敵に基地に侵入されてついに警備体制ガバガバかと思わせきや、この後での驚きの展開に視聴者だった当時の子供の俺達はビックリしたわけだ。
当時子供だった俺は、ガッダイン5の基地に敵が簡単に攻め込んでこれるようになってもうガッダインチームの基地は大ピンチだと思っていた、だが……この巨大基地は、三十七話で巨大宇宙船マグネコンドルとして浮上したのだ。
俺はそのあまりの展開にビックリした。
簡単に敵に基地に入り込まれるようになってしまいもうガッダイン5は大ピンチだと思っていたのに、その基地が巨大宇宙船になって空を飛び敵を攻撃する。
この展開、今では巨大基地が宇宙船になるなんてのは普通に見かけるが、それを70年代中盤の作品でやったというのが驚きだと言える。
「ブキミーダさん、どうかされましたかな?」
「い、いいえ。まあ特に。ダバール星人のエリザを助けてもらったようでしたので、彼女が無事かどうかが気になりましてな……」
「そうでしたか、まあそれではこちらにどうぞお越しください」
俺とマーヤちゃんは北原未来要塞ベースの医療室に案内された。
そこに居たのはベッドの上で休んでいるエリザだった。
「エリザ、無事か!」
「あ、あれ? スタンリーが二人いる??」
どうやらエリザが目を覚ましたようだ。




