第三十二話 巨大獣ゴマゴガ 狙われた千草! 1
ブレイン軍団の空中戦艦マシーンが破壊された事で戦闘は終決した。
白旗を掲げたドグローンに対し、ガッダイン5や北原未来要塞ベースは一切の攻撃をせず、基地におりてくるように誘導指示をした。
まあとりあえず指示に従っておくか。
そして俺はマーヤちゃんと北原未来要塞ベースに歓迎された。
「おお、貴方がダバール星の人ですな。儂は代々木博士と申しますぞい」
「ワシはブキミーダ参謀長。よろしく頼む」
そして俺は代々木博士と握手を交わした。
マーヤちゃんは俺の後ろにいる。
「いやいや、助かりましたぞい。しかし何故ブレイン軍団がここに来ると分かっていたのですかな?」
「いや、前回熱海でアイツらの新幹線マシーンをダバール星と地球人で協力して壊しましたから、それを恨みに思っている可能性があったので様子を見ておりました。アイツらはワシらにとっても敵ですからな」
まあこの受け答えなら違和感は無いだろう。
「成程、よくわかりましたぞい。ところで貴方が以前ミザーリンさんの言っていた穏健派で合っとりますか?」
そういえば前にそういう話になっていたな。
「まあ、そう取ってもらっても構わないですが……」
ここは無難にこなしておこう。
「ふむ、確かにブレイン軍団は貴方方ダバール星人も敵と見ておるようですからな。まあよろしく頼みますぞい」
まあこれで今後北原未来要塞ベースや地球人と直接対決をしようという程の事は無くなると考えたい。
――でも何か忘れている様な気がするんだよな……。
まあ今はそれが何か思い出せないので後で考えるとしよう。
それよりも、今回は戦士エリザとスタンリーのどちらもが死なずに済んだので良かったというべきか。
今エリザはあの洗脳ヘルメットを外されて気を失った状態だ。
「代々木博士、頼みがあるのですがよろしいですかな?」
「何ぞい、まあ聞けることなら聞きますぞい」
「医務室を貸していただきたい。エリザがあのヘルメットを被らされていたのでその治療をしてもらいたいのだが」
まあこれを断られる事は無いだろう。
「わかりました。ではこちらへどうぞ」
俺達は北原未来要塞ベースの医務室に向かい、気を失ったエリザを治療してもらう事になった。
スタンリーが彼女を抱えて医務室まで向かったが、あの洗脳ヘルメット、まだ被らされて数時間程度だったので特に脳や命に別状は無かったようだ……。
エリザはベッドに運ばれ、鎮静剤を与えられただけで済んだ。
まあ本編に比べればこの程度の事で済んだのだから御の字と言えるだろう。
だが、確かにどう見てもスタンリーと龍也、髪の色と肌の色が違うだけでかなりそっくりに見える……。
「いやー、確かにこうやってよく見るとエリザさんが間違えるのも無理は無いですたい、龍也どんとスタンリーどん、どちらもよく似てますたい」
「オレもビックリだよ、もしオレの偽物が基地に入って来ても気付かれないかもしれないなー」
みんながそんな冗談を聞いて笑っている。
――思い出した!――
本編でアクラデスと千草が入れ替わる話が実際に有ったんだ!
確かそれが三十二話、三十三話だ。
確か三十二話はこんな話だったな……。
ガッダイン5のせいで地球侵略が進まないアクラデス執政官はしびれを切らし、自ら前線に向かう事にした。
だがどちらかといえばアクラデスはシャールケンと違い武力のあるタイプではない。
だから彼女はガッダインチームを内部から崩壊させる方法を考える為にミザーリンやブキミーダにガッダインチームのデータを提出させた。
そして彼女は自分自身の姿が北原千草そっくりだという事に気が付き、彼女を拉致して反対にガッダインチームの中に千草のフリをして入り込む作戦を考えた。
つまり、この三十二話は千草とアクラデスが入れ替わる話だ。
この話で千草の隠していた秘密が全員にバレる事になるのだ……。




