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第三十一話 巨大獣ジャガジャガ 黒き牙が龍也を襲う! 11

 北原未来要塞ベースを襲撃してきたのは、鉄巨人イチナナに出てきた空中戦艦マシーンだった。


「ハハハハハー、皆サーン、ワタシの作った空中戦艦マシーン、その威力をとくと味わって下サーイ!」


 この声は! ウルフ博士の声だ。


「この間はよくもよくも、ブレイン新幹線マシーンをぶっ潰してくれましたネー! ワタシ、そのお礼のためにやってきまシータ!」


 コイツマジでしつこい性格だな……。


「この空中戦艦マシーン、彼女に操縦してもらってマース。ミス・エリザサン、皆様にご挨拶してあげてくだサーイ!」

「ウウウ……グァアアア! テキ、コロス!!」


 どうやらエリザさんはあの洗脳ヘルメットを被せられているようだ。

 その為、彼女の攻撃には躊躇が見られない。


 空中戦艦マシーンは次々と砲撃を北原未来要塞ベース目掛けて撃ってきた。


「くそッ! こうなったら合体だ!」

「「「「「レッツ! ガッダイィーン!」」」」」


 五体のダインマシンが合体し、ガッダイン5が完成した。

 ガッダイン5は空中要塞マシーン相手に戦闘を開始したが、洗脳ヘルメットを被ったエリザはかなりの強敵だった。


「グガアアアッ!」

「うわぁっ!」


 ガッダイン5は0距離で主砲の砲撃を喰らい、吹っ飛んでしまった。


「くそっ! 巨大獣ジャガジャガ、出撃だ!」


 俺は巨大獣ジャガジャガを機動要塞ドグローンから発進させたが、空中戦艦マシーンの敵では無かった。

 所詮はAIというしかないのだろうか……。


 機動要塞ドグローンの俺に無線が入ってきた、一体誰だ?


「アナタがこの巨大獣の担当なのか?」

「そうだが、お前は誰だ?」

「ボクはスタンリー。捕虜になっていた第一遊撃部隊のパイロットだ。頼みがある、あの巨大獣をボクに操縦させてくれ!」


 なんとスタンリーが巨大獣ジャガジャガに乗せてくれと俺に嘆願してきた。

 まあ、スタンリーの腕がどれくらいかは分からないが、巨大獣に乗れるという事はそれなりの実力なのだろう。


「わかった、操縦権限をAIから有人操縦に切り替える、さあ……早く乗ってくれ」

「わかった、ありがとう!」


 巨大獣ジャガジャガに乗ったスタンリーは手慣れた操縦テクニックで空中を駆け、空中戦艦マシーンに飛びついた。


「グガガアアアアッ!」

「エリザ! キミなんだろう! ボクだ、スタンリーだ!!」


 龍也そっくりなダバール星人のスタンリーは空中戦艦マシーンの中にいるエリザに話しかけていた。


「スタン……リィー。……ガアアアァッッ!!」


 エリザは何かを思い出そうとしているようだ。


「エリザ、ボクが救い出してやる!!」


 そう言うとスタンリーは巨大獣ジャガジャガの鋭い牙でエリザの居る艦橋部分の下を噛み砕いた。

 そして鋭い爪でドアをこじ開け、コクピットから降りて直接艦橋に彼女を取返しに向かった。


「さあ、エリザ! 手を取ってくれ! 待たせて……ゴメンよ」

「スタン……リー……」


 良かった、まだあの洗脳ヘルメットを被せられてそんなに時間が経っていなかったのでスタンリーはヘルメットをエリザから外し、気を失った彼女を巨大獣ジャガジャガのコクピットに連れ出した。


「ガッダイン! エリザは救い出した。後は好きにやってくれ!!」

「わかったぜ、スタンリーさん。後は任せな!」


 龍也が自分そっくりなスタンリーに向かって叫んだ。


「行くぞ! 超電磁……ストーム!」


 巨大な冷気と火炎の嵐が空中戦艦マシーンを包み込んだ。


「超……電磁クロォスフィニィイッシュ!」


 ガッダイン5の鋭い回転が十文字に空中戦艦マシーンを切り裂いた!


「ガッデェェム! 覚えてイロッ!!」


 ウルフ博士の声が空中戦艦マシーンから聞こえてきた。

 どうやら彼はこの中には乗っておらず、遠距離から指示を出していたようだ。


 そして……ブレイン軍団の空中戦艦マシーンは相模湾上空で大爆発を起こした。

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