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第三十一話 巨大獣ジャガジャガ 黒き牙が龍也を襲う! 6

 奇岩島基地に帰還した俺達は旅の疲れを取る為に部屋で休んでいた。


「ご主人様ー。退屈ですー、何かしたいですー」


 マーヤちゃん、キミいつも元気だね……。


「わかったわかった、そこでスペースエイリアンでもやってなさい」

「飽きちゃったですー、もう一千万点取っちゃったし」


 オイオイ、いくら同じ動きが延々と可能なアンドロイドだと言っても一千万点を取るってどれだけの腕なんだよ!!


「わかったからテレビでも見て大人しくしててくれ、俺はいまモーレツに疲れてるんだ」


 羽を伸ばすための旅行がメチャクチャ疲れる結果って、このブキミーダの身体、一体どれくらい貧弱なんだ??

 まあいい、当面は休ませてもらう事にしよう……。


 ――そう思っていた俺を呼び出す声がテレビ電話から聞こえた。


「ブキミーダ! ブキミーダ!! すぐに部屋に来るのだ!!」


 おや、この声は……アクラデス執政官か。どうやら声が戻っているという事は……薬の効果が切れたのかもしれないな。


 俺は急いで彼女の部屋に向かった。


「どうなっているのだ!? 我は一体どうなっておったのだ!」

「ア、アクラデス様……覚えてないのですか? 薬を飲んだ時の事……」


 そう言うと彼女はいきなり顔を真っ赤にして俺にぬいぐるみを投げつけてきた。


「うるさいのだうるさいのだ! それに一体どうなっておったのだー!!」


 騒ぎを聞きつけ、ダンダル軍務卿が部屋に入ってきてしまった、だが今のアクラデスはごまかしの聞かない薄着で女性だとすぐにわかるスタイルだ。

 マズい、コレはどうやって誤魔化せば……。 そうだ!


「ア、アクラデス様……一体どうなっておるのですか?? これはひょっとして薬の副作用?」

「何を言っておるのだ、我は正常なのだ。お前は一体何を??」

「いえいえ、アクラデス様はあの薬の副作用で……女性化してしまったようです! これは一大事かと」

「なっ……!!??」


 そう、俺が考えたのは……アクラデスは元々男だったがあの薬の副作用で女性化してしまったというシナリオだ。

 ダンダルは胸の有るアクラデスを見て顔を真っ赤にしている。


「兄者……一体どうなっておるのだッ? 兄者が女になってしまっておるではないかッ!」


 騒ぎを聞きつけたミザーリンやバルガル将軍にエリーザ様までやって来たもんだから状況は大混乱だ。

 アクラデスは全員の前で女の姿を見せてしまう事になってしまった。


 最初は混乱していたダンダルだったが普段の服装に着替えたアクラデスを見てどうにか平常心を取り戻したようだ。


「しかしまさかアクラデス様が女性化してしまうとは……」

「綺麗ですわ、アクラデス様」

「前から中性的な感じはしていましたが、今のアクラデス様は女性そのものですわね」


 みんなに女性女性と連呼され、アクラデスは顔を赤くしながら玉座に座っている。

 そして、彼女は俺を名指しで呼び、耳打ちをした。


「――キサマ、まさか……本当は我が女だと最初から知っておったのだな!」

「さ、さあ、何のことですかな??」


 俺はどうにかその場をごまかしたが、アクラデスはそんな俺を見て不敵に笑っていた。


「まあこうなってしまっては仕方が無いのだ。我は今まで通りこの奇岩島基地司令としてお前達に命令を下す。異議のある者は申し出るのだ!」


 だがあえて彼女に意見を言おうという者はいなかった。


「兄者……いや、姉者と言うべきなのかッ? 姉者は今の身体に問題は無いのかッ?」

「うむ、特に薬の副作用といったものもなさそうだ、ダンダル、お前は我に今までと同じように接してくれて構わんぞ」

「わかった、姉者。不肖このダンダル、姉者の弟として働かせてもらおうッ」


 こうしてアクラデスが女になってしまったという話は一日も経たないうちに奇岩島基地全てに知れ渡る事になってしまった。


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