第三十一話 巨大獣ジャガジャガ 黒き牙が龍也を襲う! 2
防衛軍の会議の一日目が終わった。
明日までに三島防衛長官の姿をしたアイツの悪事の証拠を集めなくてはいけない。
だが、青木大尉の姿のミザーリンは軽率な行動を取れば軍法会議と言われて動けない。
だからと言ってガッダインチームにどこにいるかを把握できていないダバール星人の捕虜を助けてほしいと言ってもお門違いの上、下手な事をすれば彼等の立場が危うくなる。
困った困った困った、一体どうすればいいんだ??
しかしバルガル将軍や俺がダバール星人の捕虜を助けに行くのはせっかく今平穏な状態なのに状況を悪化させることになってしまう……。
俺はミザーリンと二人で日本酒を飲みながらあーでもないこーでもないと部屋で話をしていた。
バルガル将軍は風呂に行っているようだ。
最初はビックリされた彼だったが、ここでは一切の戦闘をしないという約束をしたら意外にすんなりと観光客にも受け入れられた。
中には一緒に写真を撮ってくれというヤツもいたらしい。
それもあって今ここで下手に俺達が暴れてしまうわけにもいかないのだ、
また、お子様になってしまったアクラデスのお守りもしなくてはいけないので人手も割けない。
ミザーリンがスルメをかじりながら愚痴っている。
「ブキミーダ様ー。絶対に捕虜が捕まってるんですって、わたくしきちんと情報を手に入れていますのに、出撃禁止なんてやってられませんわ、これが飲まずにいられるかってんだ! ヒック」
「わかったから、わかったからもう少し離れてくれ!」
マジで離れてください、酔っぱらってこんな胸の谷間の見える状態で迫ってきている彼女と一緒に居られるところを誰かに見られたら……マジでヤバい!
「姉さん、トランプやろうよっ!」
最悪のタイミングでミザーリンのシスコンの弟トニーが登場だ。
マジ勘弁して……。
「誰だお前は! 姉さんから離れろっ!」
「わー、誤解だ誤解、むしろそっちから酒飲んで絡んできたんだってば!!」
トニーが俺をぶん殴る寸前でミザーリンが止めてくれた。
「トニー、止めなさいよー。ブキミーダ様に手を出さないでー」
「姉さん止めないで! オレコイツ殴れない」
だから止めてー、話を聞いてー。
「ままま。待て、話を聞いてくれ! 話を」
どうにかミザーリンがトニーを止めてくれたので俺は今までの話を彼に伝えた。
「なるほど。それで姉さんが悔しいからとやけ酒していてそれに付き合ってたってワケか」
「そうなのよ、わたくしが出撃出来ないからあの三島が捕虜を捕えて拷問をしている証拠が見つけられないの、わかる? この悔しさ」
ミザーリンが今度はトニー相手に絡み酒だ。
どうやら彼女はあまり酒に強くなく、更に絡み酒の癖もあるようだ。
「わかった、姉さん……それならオレがやってやるよ! 特殊部隊タイタンの腕前、見ててくれ!」
「え? でも……」
「何、捕虜が脱出して仲間を助けに行った、そして青木大尉はそれを止めようとしたが止めきれなかった……ってので良いんだろ、タイタン部隊に話してやってやるよ!」
そうか、トニーの所属する皇帝直属特殊部隊タイタンなら基地内部に潜入して捕虜を救出できる。
「トニー隊長、熱海の近海に巨大獣ボルゴガが沈めてある。コレを使って救出に向かえるか?」
「ブキミーダさん、任せな。元タイタン部隊の腕前、見せてやるよ!」
どうにか誤解が解けたので、トニーはオレの事をさん付けで呼んでくれた。
まあミザーリンの言うブキミーダ様が上司への言い方だと勘違いしてくれるなら助かるんだが……。
「それじゃあ明日の朝までに捕虜を助け出せば良いんだな、場所はどこになるんだ? 姉さん」
「そうね……アツギかとも思ったけど、あそこは米軍の監視もあるので可能性の高いのはヨコスカかしら……」
「了解、オレに任せてくれ!」
外に飛び出したトニーは走ってタイタン部隊の仲間の元に行こうとしたが、廊下で流とぶつかってしまった。




