第二十九話 巨大獣ギャンゴ 巨大な腕が襲う! 13
タイトルを変えてみました。
しかしこの話、思った以上に長くなってしまった……。
次でようやく決着です。
どうやら悩んだ末、ミザーリンは青木大尉として人質の役をする事を選んだらしい。
そしてトニーはガッダインチーム、ならびに北原未来要塞ベースに対して声明を出した。
「地球人に告ぐ、この女を助けたければ……今日の正午、相模湾沖の無人島に来い、灯台のある場所だ! もし、来なければこの女を処刑する!」
映像には、手を縛られて動けなくされた青木大尉の姿のミザーリンが映っている。
それを見て一番動揺していたのはやはり流だった。
「姉さん! 姉さん……必ず助けてやるから」
そして、ガッダインチームとブルーマフラー隊はトニー隊長の指示通りに相模湾の無人島にやってきた。
分離した状態でダインマシンから降りたガッダインチームは残ったタイタン部隊が銃を突きつけるミザーリンの前にやってきた。
それを待っていたのはタイタン部隊の隊長トニーだった。
「逃げずにやって来たようだな! ガッダインチーム」
「姉さん! 姉さん……テメエ、姉さんを傷つけたら、絶対に許さないからな!」
「一つ聞きたい、お前とこの女、一体どういう関係だ?」
トニー、それを聞いたらややこしい話になるのでやめてくれないかな……。
「姉さんは……おれの、姉さんだ」
「ウソだっ! そんなわけはない!」
「嘘なものかっ!」
トニーと流が取っ組み合いの喧嘩を始めた。
ドゴォオオオンッ!!
その時、沖合から何かの砲撃が無人島を爆撃した。
「な、何だいったい!?」
「キャアアアッ!」
「な、何だアレは……姉さん!?」
なんと、謎の飛行物体がミザーリンを捕らえ、連れ去ろうとしていた。
あれは……鉄巨人イチナナに出てきたハリケーンマシン改!
という事は、まさか……。
「ハハハハハー、何か分からないけどコレがギョフノリデース!」
「ウルフ博士、目標を捕らえたなら早く帰還させろ」
アイツら、三島長官の姿のアイツとウルフ博士だ!
まさかこのタイミングで現れるとは!
「渚姉さん!」
「ミザーリン姉さん!」
流とトニーが叫んだ。
それを聞いていたミザーリンが二人に叫ぶ。
「流、トニー、姉さんの事は気にしないで、二人共……アイツを、アイツを倒して!」
どうも混乱した状況だが、トニーと流はどちらもがロボットに乗り込み、ミザーリンを攫ったハリケーンマシン改を追いかけようとした。
だがハリケーンマシン改には追い付けず、姿をくらまされそうになった。その時……!
「行くぞ、ミサイルを喰らえ!」
剣崎隊長が戦闘機からハリケーンマシン目掛け、ミサイルを発射した。
ミサイルはハリケーンマシン改の目に命中し、ミザーリンの身体は海に投げ出された。
「姉さん! タイタン部隊、至急彼女の身柄を確保しろ!」
「ブルーマフラー隊、青木大尉を救出だ!」
タイタン部隊とブルーマフラー隊のどちらもが海に投げ出されたミザーリンを助ける為に出動した。
一方のガッダイン5と巨大獣ギャンゴの前には、破壊されたはずのプレシオンロボが立ちはだかっている。
「ハハハハハー! これぞプレシオンロボを元に改良したゴールデンプレシオンデース! さあ、二体ともスクラップにしてあげマース!」
ゴールデンプレシオンは玉子爆弾で攻撃を仕掛けてきた。
ギャンゴはそれをエネルギーボールで撃ち落とすが、エネルギーボールだけではゴールデンプレシオンを倒せない。
一方のガッダイン5も海に投げ出されたミザーリンの事を考えるととても超電磁ウェーブも超電磁ストームも使えないので超電磁スマッシュや超電磁クロスフィニッシュを使えない……。
「くそっ、姉さんの無事が分からない限り……アイツを倒せないのか!」
「ナガレ、と言ったか、オレに協力してもらえるか?」
「わかった、何をすればいい?」
「お前、ヤキュウは分かるか?」
どうやらトニーは何か策があるようだ。
「一応は……な」
「それなら話は早い、オレが全力で作ったエネルギーボールを投げる、それを何かであの敵ロボット目掛けて打ち返してくれ」
「わかった、バット代わりはこれで行くぜ」
ガッダイン5はマグネティックランサーをバット代わりに構えて予告ホームランのポーズを取った。




