表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
248/646

第二十九話 巨大獣ギャンゴ 巨大な腕が襲う! 7

 感動の姉弟の再会を想定していた俺だったが、まさかの展開に驚いた。


 いきなりミザーリンは再会した弟のトニーの頬を引っ叩いたのだ!


「姉さんが……姉さんがどれだけ心配したと思ってるのよ……バカ……」

「……」


 だがトニーは泣き顔の姉を見ても何の表情の変化も見せなかった。

 ――いや、これは表情が変化しないのではない、あの洗脳ヘルメットの影響で感情や理性といったものが麻痺している状態なのだ。


 だがこの状態のままトニーとミザーリンを一緒にしておくのは良く無さそうだ。


「ト、トニー様。とにかく今日はもうお休みください。身体を動かして疲れたでしょうから、あちらに特殊部隊タイタンの皆様の部屋を用意してあります」

「あ、ト、トニー、話はまだ……」


 ミザーリン、今のトニーには話すだけ無駄だ。

 その代わり俺が愚痴を聞いてやるから。


「特殊部隊の皆様はまだ到着したばかりで疲れているのです、明日以降には話が出来るかと……それで、ミザーリン。話があるんだが部屋に来てもらえるかな」

「はい、わかりましたわ」


 普段なら顔を赤らめてイヤーンとでも言いそうなミザーリンが冷静な態度だ。

 これはやはりシリアスな空気だと言えるのだろう。


 俺はミザーリンを部屋に呼び、マーヤちゃんにお茶を出してもらった。


「ミザーリン、さっきの特殊部隊の隊長と何があったんだ?」

「彼の名はトニー、わたくしの弟ですわ」


 いや、一応知ってるけどね。あえて話を聞きだす為に質問したわけ。


「トニーはわたくしと一緒に小さい頃から過ごしてきました。でも貴族の妾の子供二人、どこに行っても厄介者扱いで結局二人で飛び出してしまったのですわ、今考えるとバカな事をしたと思います」


 それも仕方ないだろう、そこまで追い詰められた内容を俺はガッダイン5二十九話の回想シーンで見ているわけだし。


「身寄りのない姉と弟……わたくし達は頼れる者も無く、二人だけで極貧生活の中生きていました。時には身体を売ったり、盗みをしたり……生きる為には私は何でもしましたわ……」


 マジで想像以上に名作劇場並みの過酷さじゃないか!

 そりゃあ本編で頼れる者も無いミザーリンが心を閉ざし、他人を利用するだけの悪女にもなるわけだ。


「そんな中、わたくしは働いていた店を行きつけにしていた軍の幹部にスカウトされ、軍人になったのですわ。ですがその時、弟にはその事を告げる事は出来ませんでした。何故ならわたくしの配属された部署はご存じの通り、諜報部訓練科だったのですわ」


 まあスパイを作る為の特殊養成科、そりゃあ身内にも話すわけにはいかない守秘義務だ。


「そして少しお金が手に入ったわたくしが家に戻ると、そこにはトニーはおらず、彼は悪い仲間とつるんでチンピラになり果てていたのです」


 まあ貧乏人の家族によくある話だ。


「それで、トニーには声をかけたのか?」

「いいえ、彼をそこまで追い詰めてしまったのがわたくし自身だという事を自覚し、わたくしは彼と決別しました」

「それなら何故、先程平手打ちを?」


 確かにおかしな話だ、決別したと言いながら何故平手打ちをしたのか、俺はその理由が知りたかった。


「皇帝特殊部隊タイタン、わたくしの所属する諜報部でもその話はよく聞きましたわ。皇帝の命令でどのような非道な事も成し遂げる冷血無情の特殊部隊、その隊長は悪辣で笑いながら命乞いをする家族を皆殺しにするような男だと聞きました。まさか、その特殊部隊の隊長が……トニーだったと知り、いても立ってもいられなくなったのですわ……」


 まあ想像以上に重い話だった。

 一応ガッダイン5大百科でミザーリンとトニーの姉弟のエピソードは載っていたが、まさか本人に聞くと想像以上にハードな話だったわけだ。


 このミザーリンとトニーの二人の姉弟、絶対に本編のような不幸な結末にしてはいけない!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星★★★★★よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。
双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す



魔族の男がポンコツ女達に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

元ゲームクリエイターが転生して救世主になるファンタジーです

『転生クリエイターのマップチェンジャー』圧倒的な魔力でチート能力を使い一瞬で天変地異を巻き起こす元ゲームクリエイターの転生者はハズレスキルの地面作成(マップチェンジ)を使いこなし救世主となる!

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
[気になる点] >名作劇場 いやぁ……名作劇場シリーズは一応未成年向けなんでまだ描写がマイルドですから……。 ミザーリンとトニーの姉弟の境遇は深夜枠じゃないと明かせないレベルかと。 [一言] >この…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ