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第二十九話 巨大獣ギャンゴ 巨大な腕が襲う! 5

 ――特殊部隊タイタンのヘルメット――


 このヘルメット、てっぺんに針があり、この針を刺す事で常人には出せない脳の能力の100%を使用する事が可能になる。


 本編でこのヘルメットを見た代々木博士は、あまりの悪魔的な発想とそれを実行したダバール星の技術班の事に憤慨していた。


 この洗脳ヘルメット、試作品を使われたのがキレーダさんだったが、その完成品が使われたのが皇帝特殊部隊タイタンだったわけだ。


 このヘルメット、時系列的にはまだ使われ出して数日も経っていない。


 ――だから今のうちならばこのヘルメットを偽物とすり替えてしまえば洗脳ヘルメットとしての能力はそれ程に発揮できないはずだ。――


 トニーとその部下である特殊部隊タイタンが本編でガッダインチームや防衛軍と戦った時には既にこのヘルメットを使って一週間近く経っていた。

 それなのでトニーがこのヘルメットを外した状態でももう既に脳がボロボロになっていて、もし……あのガッダイン5本編の二十九話でミザーリンに撃たれていなくても彼の命はあとどれくらいだったのかはわからない。


 ブキミーダと科学班が作ったこの洗脳ヘルメットはそういった人を人とも思わないような考えで作られた物だった。


 ……何だか嫌な予感がする。

 俺が想定したのは、あの三島長官の姿をしたアイツが、反対に防衛軍の兵士達にこの洗脳ヘルメットを使う可能性だ。


 もしそうなれば、防衛軍の兵士達が反対に人を人とも思わない虐殺部隊化してしまい、戦局は泥沼化する。

 それをアイツが狙っているとすれば、この洗脳ヘルメットを作る技術自体を葬ってしまわなければ!


 幸い本編でもこの洗脳ヘルメットを作ったのがヤツではなくその部下だという事、つまり部下に丸投げでこのヘルメット自体の構造は知らないのだ。

 だからそれがダバール星人だとしても、地球防衛軍だとしても技術班がヤツの命令で作らされているのには違いない。


 そう考えるとこの洗脳ヘルメットは使い始めて一週間もすればもう脳が元に戻らないようになってしまう。

 それを阻止するには今すぐに出撃するしかない!


 こうなったら皇帝特殊部隊タイタンを地球防衛軍極東司令部にぶつけさせた方が良さそうだ。

 さて、今日彼等をもてなした後は、どうにか説得してタイタン部隊に地球防衛軍本拠地に攻撃を仕掛けてもらわないといけないな。


 その為には俺も巨大獣を用意しないと、あーあ、今日これは徹夜確定だな。


 まあ仕方が無い。

 これは多くの人の命を救うための事だ、もしあの洗脳ヘルメットが使われるようになってしまえば、地球防衛軍、ダバール星人双方にとんでもない犠牲者が多発してしまう。


 あの洗脳ヘルメットはそれ程恐ろしいものなのだ。

 常人の使えない脳の性能を100%発揮する代わりに理性や感情の優しさや人間らしさが一切消え、ヘルメットの電波の指示者の命令に忠実に従うようになる。


 そして脳の性能を100%で使い切る事で常人の数倍以上の力を発揮する代わりに寿命は常人の数十分の一に縮まり、ある意味兵士を使い捨てにする事になる。


 ――こんな悪魔の兵器実戦に投入されたらオシマイだ!


 だから俺は大浴場を用意しておいた上で彼等タイタン部隊の特殊ヘルメットを偽物にすり替え、彼等のヘルメットの偽物からデスカンダル皇帝の声を複製した命令を出す形にした。


 この事に気が付いているのは地球にもダバール星人にもまだ誰もいない。

 そう、俺だけが知っている事なんだ。


 だから今のうちに本編二十九話の悲劇を塗り替える下準備が必要だ。

 まああのヘルメットは本物そっくりに作っているので偽物とバレる事は無いだろう。


 ヘルメットの中の脳に刺す針は取り除いてるがその分、微弱な電流で針が刺さったような痛みが奔るようにしているのでそこも抜かりなしだ。


 さあ、とりあえず計画実行と行きますか。

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[一言] よし! 製作者がブキミーダじゃないならまだやりようはある……!! 問題は向こうがなにしでかすかですねー 頑張って。
[一言] やるしかぁねえようだなァ…… まあ、あの野郎が例によって例の如くろくでもないことをしでかすのだ
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