第二十八話 巨大獣ズベベガ 宇宙からの襲撃者 13
「竹千代! 宇宙からの攻撃だって??」
「はい、この巨大獣はそのものに攻撃力はありません。ですが、宇宙にあると思われる反射衛星を使い、鏡で反射させた攻撃を当てる為の鏡を全身に付けているのです!」
流石は天才少年竹千代だ。
アクラデス執政官の反射攻撃の仕組みを完全に把握している。
「くっそー、オレ達そんな変な攻撃を受けていたのかよ! 鏡ってどれだ、ぶっ壊してやる!」
「龍也、どうやらアレが鏡みたいだぞ、メタルダートッ」
流が反射鏡の場所を把握し、メタルダートで攻撃をした。
だが、メタルダートは直撃したはずの鏡に跳ね返されている。
「ゲッ! アレって以前出たキレーダさんの乗ってた巨大獣と同じヤツかよ!?」
「龍也さん、どうやらそのようです。アレは超弾性金属とも言えるもので、直接攻撃は跳ね返してしまいます」
「グワッハッハッハッ! いくら種明かしが分かっても攻撃できなきゃ意味が無いわッ。さあ、反射衛星の攻撃を喰らえッ!」
「うぉおおおおおっ!」
玄太郎がガッダイン5で巨大獣ズベベガに突っ込んだ。
弾き飛ばされたズベベガは、反射衛星砲を受け止めれず、反射衛星砲は海中に空振りしてしまった。
「何だとッッ!?」
「龍也さん、反撃方法がわかりました。僕に操縦させてください!」
「わかったぜ、竹千代。頼んだ」
竹千代はガッダイン5のメインシステムを操縦し、高速スピンを開始して超電磁スマッシュの体勢に入った。
「フン、その必殺技で巨大獣ズベベガを倒そうと言うのか。だが無駄だッ!」
「思った通りです! アイツは僕の考えがわかってません」
超電磁スマッシュの為に高速スピンした竹千代の本当の狙いは……宇宙だ!
「アイツら、一体何をしようというのだ? ――ま、まさか!?」
どうやらアクラデスは竹千代の狙いが分かったようだ。
「ダンダル! 急いでガッダイン5を追いかけるのだ! アイツらの狙いは宇宙にある反射衛星なのだっ!!」
「な、何だって兄者ッ! わ、わかったッ」
巨大獣ズベベガが宇宙に向けて飛ぶガッダイン目掛け反射衛星砲を撃とうとするが、超高速回転中のガッダイン5には全く意味が無かった。
「流さん、上方に何か見えませんか!? それが反射衛星です。それをビッグミサイルスパイラルで撃ち落としてください!」
「上方ね、あれか! よし、行くぞ……ビッグミサイル・スパイラル!」
超高速回転するガッダイン5の背中かららせん状に回転して飛んでいく巨大ミサイルが放たれた!
錐揉み回転しながら上昇する巨大ミサイルは反射衛星に直撃し、反射衛星は粉々に砕け散った。
「しまったのだぁぁぁあっ!」
アクラデスが叫んだ。
反射衛星はビッグミサイルスパイラルの直撃を受け、完全に消滅。
ガッダイン5はそのまま地上目掛けて急降下した。
「ななななッ、何だとッ!?」
「行くぜ、超電磁ストーム!」
急降下するガッダイン5は右手のファイヤーストーム、左手のブリザードストームを同時に放つ超電磁ストームで巨大獣ズベベガを捉えた。
「超電磁! クロス……フィニーッシュ!」
「ズベベェェェガァアアアッ!!」
巨大獣ズベベガは近くにあった反射鏡もろとも超電磁クロスフィニッシュでとどめを刺され、大爆発を起こした!
「おのれおのれおのれ……よくも、よくも我の最高傑作を……絶対に許さないのだ!」
「兄者ぁッ。すまねぇッ」
「もう知らないのだ、帰ってくるなら勝手に帰ってくるのだ!」
仕方ない、動けずに海の上で凍り付いている巨大獣バルバルと残った超弾性金属ミラニウム製の反射鏡をグローン円盤で集めて撤退しよう。
――今回の敗北は全員に責任があるので誰が悪いにはならないだろう。
まあアクラデスが数日は機嫌悪いだろうが金曜日までの辛抱だ。
そこまでどうにか引き延ばせば、野生の帝国でも見て機嫌が直るだろう……。




