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第二十八話 巨大獣ズベベガ 宇宙からの襲撃者 12

 ガッダイン5は上下左右どこからも襲ってくる反射衛星砲に苦戦している。


「超電磁……プロペラァ!」


 シュバッ!


「くそっ! これもダメかよ! それなら、超電磁ワイヤーだ!」


 バシュッ!


「グワッハッハッハッ! 手も足も出ないとはこの事だなッ!」


 ガッダイン5は遠距離の飛び道具を出そうとするがその度に反射衛星砲に全部焼き払われていた。


「クソッ! こうなったらマグネティックランサーだ!」


 SランサーとNランサーが太ももから引き抜かれ、合わさったマグネティックランサーになった。

 だがこのマグネティックランサーも結局は反射衛星砲に焼き砕かれ、ガッダイン5は打つ手が無くなってしまった。


「こうなったら肉弾戦ですばい!」

「そうはさせんぞ!」


 巨大獣ズベベガを狙って飛び込んだはずのガッダイン5だったが、その前に飛び出したのは巨大獣バルバルに乗ったバルガル将軍だった。


「バルガル将軍! そこを退くですたい!」

「そうはいかん、ここを通りたければ吾輩を倒してから進め!」


 これは原作とは違った展開だ。

 こうなると流石に巨大獣ズベベガを投げ飛ばすという展開にはならないだろう。


「ダンダル、何をしているのだ!?」

「おおッ、兄者。今小生がガッダイン5を倒すところだ、見ていてくれッ!」

「お前は大馬鹿なのだっ! 誰がガッダイン5を倒せと言った?」


 この言い方にダンダルが混乱している。


「それはないぜッ、兄者ぁッ。何故小生がバカ扱いなんだよッ?」

「確かに我はガッダイン5をギタギタにしろと言ったのだ。だが、破壊しろとまで言っていないのだ。ガッダイン5は鹵獲して我がダバール軍の兵器にするのだ!」


 なるほど、確かにそれだと破壊されては困るわけだ。

 だが、ギタギタにしろの意味がぶっ壊せや破壊しろでは無いとはなかなか気が付かないと思うが……。


「今だ! 隙ありですたいっ!」

「なっ!?」

「バルガル将軍、悪いがアンタを無力化させてもらいますたい! フリーザーストーム!」


 ガッダイン5の左腕から吹雪が放たれた。

 これは必殺冷凍地獄車の流れだ。


「いくですたいっ! 冷凍地獄車ー!」

「ぬおおおおっ!?」


 巨大獣バルバルがガッダイン5の必殺技を喰らい、両腕を使えなくされてしまったまま海に投げ飛ばされた。

 うーむ、どうやらやはり三日間の突貫作業では完全修理は無理だったか。


「ダンダル、ガッダイン5はもういいのだ、敵の基地を反射衛星砲で攻撃するのだ!」

「わ、わかったッ兄者。いけ、巨大獣ズベベガ!」

「グガオオオオンッ!」


 巨大獣ズベベガに放たれた反射衛星砲はそのまま北原未来要塞ベースの左舷部に直撃した!

 どうやら原作と同じエンジンルームに攻撃を喰らったようだ。


「ガッダインチーム! こちら代々木じゃ。このままでは基地が危険じゃぞい!」

「おっちゃん! 大丈夫かよっ!?」

「まあこっちはどうにか無事じゃぞい、じゃが計画はしばらく延期になりそうじゃな」


 この会話、本編を見ていた子供には意味が分からなかった。

 だがこの会話、後々の伏線だったのに気が付くのは三十六話だ。


「それと、おっちゃんいうな! そうそう、お前達に伝えていなかったがガッダイン5に新兵器を搭載しておいた、ビッグミサイルスパイラルじゃぞい。この破壊力はビッグミサイルの数倍じゃぞい!」

「すげーぜ、おっちゃん!」

「もう知らん……。とにかく、その兵器を使いこなすんじゃぞい」


 この会話、本編見ていてもちょっと強引だった気がするがあの反射衛星を倒す為にはこの取ってつけたような展開で無ければとても無理だったのかもしれない。


「えーい! 反射衛星砲を喰らえー! 巨大獣ズベベガよ、壊さないようにギタギタにするんだッ」


 どうやら本人が考えつかないらしく、巨大獣自身に丸投げにしたようだが、この時代の人工知能がそれほど賢いわけが無い。

――当然人工知能が混乱を起こし、巨大獣ズベベガが狼狽えている。


「何だかわからないがチャンスみたいだな!」

「龍也さん、僕わかりました。どうやら、あの反射衛星砲は宇宙にある反射衛星から攻撃を仕掛けているようです!」


 ついに竹千代がその事実に気付いてしまったか!

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