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第二十八話 巨大獣ズベベガ 宇宙からの襲撃者 11

 俺達の乗る機動要塞ドグローンは相模湾上空に到着した。


「さあ、行けッ! 巨大獣ズベベガッ!」


 ダンダル軍務卿が叫ぶ。

 その合図に合わせ、ドグローンの下顎部分が開き、巨大獣ズベベガが姿を現した。

 後ろからはバルガル将軍の乗った巨大獣バルバルが構えている。


「バルガルよッ、兄上に何を言われたか知らんが、ここは小生に任せてお前は大人しくその巨大獣バルバルで便所掃除でもしているがいいわいッ」

「くっ!」


 ――これは原作にもあった台詞だ。

 バルガル将軍は立場的にはダンダル軍務卿より下の立場になる。

 だがこの台詞は本来営倉入りしていたバルガル将軍に対してダンダルが言ったものである。


「バルガル将軍、気にしてはいけません。ダンダル様は最近失態続きでイライラしているのです」

「おおブキミーダ殿、そうだな、吾輩としたことがあんな挑発で血が上るようではまだまだ精進が足りん。貴公のおかげで冷静さを取り戻す事が出来たわい」


 最近のバルガル将軍のオレに対する評価はかなり高いようだ。

 まあこの半年以上頑張って来た甲斐があるってもんだ……。


「ブキミーダッ! グローン円盤を出せッ! 試し撃ちに使うのだッ」

「了解です、ダンダル様」


 俺は無人のグローン円盤を何機か相模湾の海上に出した。


「さあいけッ! ズベベガ、反射衛星砲の威力を見せてみよッ!」

「アギャァアアンッ!」


 咆えたズベベガの手が動き、鎧に取り付けられた反射鏡目掛け、反射衛星砲が発射された!


 反射衛星から撃たれたレーザーは反射鏡に跳ね返り、後部からグローン円盤を焼き尽くした。


「うむ、成功だッ! よし、巨大獣ズベベガよ、あの港を焼き払えッ!」

「ギャオオオオン!」


 とりあえずあの港はもう住民の避難が済んでいる。

 何故なら俺が青木大尉の姿のミザーリンに頼んで住民を昨晩のうちに避難させたからだ。


 この事を知っているのはミザーリンと俺だけで、バルガル将軍もダンダルも気が付いていない。


「グワッハッハッハッ!、焼け、焼き尽くしてしまえッ! 」


 無人の港が反射衛星砲に焼き尽くされていく。

 港にあった船は反射衛星砲の攻撃で悉くが水没してしまった。

 そんな港にガッダインチームが到着した。


「やいやいやい、見損なったぞバルガル!」

「フン、小生をあんな奴と一緒にするでないわ、小生の名はダンダル。ダンダル軍務卿と呼ぶがよいぞ」

「けっ! ダンダルだかサンダルだかスリッパだか知らねえけどオレ達の地球をメチャクチャにするやつはぶっ倒す!」

「この小生を……ダンダル軍務卿を愚弄するとは! 貴様らは軍法で死刑だ! 反射衛星で処刑してやる!」


 まあダンダルの短気さ、粗暴さはどう見ても将の器ではないわな。

 アレは典型的な生まれが良いから出世出来たタイプのバカだ。


「へっ! そんな変な巨大獣でオレ達が倒せると思ってるのかよ! 何だよその鏡、ファッションショーでもやろうってのかよ」

「鏡……龍也さん! すぐに離れてください!」

「遅いわッ! 喰らえッ、反射衛星砲ッ!」


 シュバァァン!


「うわっ! 何だよ、一体どこから攻撃しやがった!? 正々堂々向かってこい、卑怯者!」

「ワハハハハッ、威勢だけは良いな、ガッダイン!」

「龍也さん、気を付けてください。この攻撃、どこから襲ってくるかわかりませんよ!」


 ――流石は竹千代だ。

 一回攻撃を受けただけであの反射衛星砲の仕組みを解析したらしい。


「何だよ、アイツあそこでボーっと突っ立ってるだけだぞ、それがどうやって攻撃をするってんだよ?」

「アイツは、あの巨大獣は恐らくレーザーを使った攻撃をしてくるんです!」

「ほう、頭の良い奴がいるようだが、それでもこの反射衛星砲は避ける事は不可能だッ!」


 ダンダルが手を挙げ、合図をすると反射衛星砲が再びガッダインを斜め上から襲った。


「くっそー、どうやったらあの攻撃を避けられるってんだよ!?」


 ガッダイン5は原作通りに苦戦している。

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