第二十八話 巨大獣ズベベガ 宇宙からの襲撃者 8
本来のガッダイン5の二十八話はこんな話だった。
ダンダル軍務卿が営倉に入れられ、今までのバルガル将軍、ミザーリン諜報官、ブキミーダ参謀長全員に話を聞いた上でガッダイン5と戦ったアクラデス執政官だったが、ガッダイン5の新必殺技超電磁クロスフィニッシュの前に負けてしまう。
天才を自称するアクラデスはこの敗北が認められず、今度は自らが設計した超宇宙反射衛星砲と巨大獣ズベベガの組み合わせでガッダイン5を倒す作戦を考案した。
この超宇宙反射衛星砲は、微調整する必要無しに目標を攻撃できる兵器で、レイザム技術主任の開発した超弾性金属ミラニウムで作られた反射鏡を使い、宇宙からの高出力レーザーをどの角度からでも攻撃できる兵器だった。
この超宇宙反射衛星砲を使い、アクラデスは世界中の主要都市を同時に攻撃する。
事態を重く見た三島防衛長官はこの超兵器、超宇宙反射衛星砲のあまりの威力に、ダバール星人が本気で攻めてきた事を感じ、ガッダインチームを出撃させる。
だが出撃直後、反射衛星砲は北原未来要塞ベースを直撃し、最終調整に入っていたはずの基地の主要部分に大ダメージを与えてしまう。
この時、代々木博士が言った事、それは北原未来要塞ベースを空に飛ばす実験が出来なくなったと言う話だった。
――つまりこれは番組の後半で浮上する巨大宇宙船マグネコンドルの布石だったわけだ。
しかしこの反射衛星砲の直撃でそのマグネコンドル計画が先延ばしになってしまい、北原未来要塞ベースは行動不能になってしまった。
これをチャンスと見たアクラデスは巨大獣ズベベガを使い北原未来要塞ベースの完全破壊を試みる。
それを迎え撃つガッダイン5だったが、巨大獣ズベベガと反射衛星砲の組み合わせはかなりの難敵で苦しめられる事になる。
超電磁プロペラを反射衛星砲に破壊され、超電磁ワイヤーも焼かれてしまい、なすすべもなくボコボコにされるガッダイン5。
このままでは負けてしまうところだったが玄太郎が懐に飛び込み、投げ飛ばした事で反射衛星からの攻撃がずれてしまう。
この攻撃は宇宙からの衛星によるものだと判断した竹千代の意見を聞き、龍也は宇宙の衛星をぶっ潰せばいいという事に気がつく。
そして代々木博士が用意した新兵器、ビッグミサイルスパイラルを装備したガッダイン5は巨大獣ズベベガの超弾性金属ミラニウム製の反射鏡を攻撃するふりをしながら上空高く飛び上がり、ビッグミサイルスパイラルを宇宙に目掛けて発射する。
反射衛星を破壊されたズベベガは武器を失い何もできなくなったところを超電磁クロスフィニッシュでトドメを刺され、破壊された。
まあ、なんというか……この話は超宇宙反射衛星砲というトンデモ武器に振り回された話だったわけだ。
こんな兵器を考案するアクラデスは確かに天才かもしれない。
この巨大獣ズベベガはガッダイン5だけではなく後のロボアニメに出てくる反射攻撃というやり方のパイオニアとも言える敵だったのだ。
まあこの話、あまり俺の出る幕では無さそうなので俺は無事に戻ってきた巨大獣ベミンガのパーツを使ってラゲンツォ(仮)の一部に使わせてもらって制作でもしてるか。
「ブキミーダ殿! アクラデス様がお呼びだ」
バルガル将軍が俺を呼びに来た。
なんだなんだ、今回俺出番無いはずでは?
「よく来たのだ、お前に命令を出すのだ」
「はい、どういった事でしょうか?」
「先日無傷で帰ってきた巨大獣ベミンガ、アレを使って巨大獣バルバルを修理するのだ。アレは戦力的にすぐに前線に戻した方が良いと我が判断したのだ」
あららら、結局そうなるのね。
俺は仕方なく巨大獣ベミンガを解体し、修理中の巨大獣バルバルのパーツにする事にした。
トホホ、世の中そんなに甘くない……。




