第二十八話 巨大獣ズベベガ 宇宙からの襲撃者 5
北原未来要塞ベースに戻ったガッダインチームは代々木博士にエリーザ様の事や館山でのことを報告した。
「成程なぁ。あの子がダバール星人じゃったとは。コレは厄介な話になりそうじゃのう」
代々木博士は少し剥げた頭をかきながら龍也や千草の報告を聞いていた。
そして話はさらに続いた。
「なんと、それではダバール星人はその人工太陽の暴走のせいで星に住めなくなり、滅亡の危機を回避する為に地球に攻めてきたと言うのか!?」
代々木博士は驚きこそしたものの、その話を真面目に受け止めていた。
「おっちゃん! 俺達に何かできる事は無いのかよ!」
「おっちゃん言うな。そうじゃな、儂らに出来る事……無い事も無いぞい」
「代々木博士、それはどういう事ですか!?」
竹千代が代々木博士に質問した。
「そうじゃな、つまりダバール星人は地球侵略はあくまでも攻め滅ぼしたり奴隷にする為のモノでは無く、あくまでも移住先が欲しいと言う話なんじゃな」
「だからってこの人口40億とも、50億とも言われている地球にアイツらを受け入れるのかよ? 空いている場所なんて砂漠か南極くらいしかないぜ。日本だって1億人超えたっていうのによ」
流の言う事ももっともだ。
「流君、確かにそうじゃな、今の地球は宇宙人を受け入れる余裕があるとはとても言えんぞい。そのダバール星人がどれ程の数かはわからんが、軽く数億はいると考えていいじゃろう」
「うーん、しかし状況がわからんと儂らもどう手助けしていいか……」
指令室の中にケン坊が駆け付けてきた。
「代々木博士、お電話です」
「何じゃと、わかったすぐ行く」
この時代の電話は基本的にダイヤル式の黒電話だ。
だが北原未来要塞ベースの電話はこの時代には珍しいプッシュホンだった。
更に万博で初めて出てきたコードレス電話、なんと北原未来要塞ベースの電話は当時の最新鋭機種をさらに上回るハイテクだった。
「儂じゃ、代々木じゃ」
「こんにちは、代々木博士、オラのせがれが大変お世話になっております」
「その声は、巴さんですな、玄太郎君は元気にやっておりますぞい。それで、ご用件は?」
どうやら電話の相手は九州の玄太郎の母親、巴だったようだ。
「博士っ! 電話、オイに代わってもらえますか?」
「ま、まあ構わんが、一体どうしたぞい? そんなに慌てて」
「かーちゃん、頼みがあるんじゃ、そこにキレーダさんがいるならかわってほしいばい」
成程、確かにキレーダさんならダバール星の事が色々聞けるというわけか。
「なんね、未来の嫁の声が聞きたくなったんか、お前も隅に置けんな」
「かーちゃん! ふざけている場合じゃないですばい! 地球の一大事ですたい!」
「わかった、ちょっと待っとれ」
巴さんがキレーダさんを呼びに行ったようだ。
どうやらキレーダさんは地球での、九州での生活に慣れて来たみたいだな。
「はい、ゲンタローさん。お電話代わりました。絵、届きました。ありがとうございます」
「キレーダさん、アンタに聞きたい事があるんじゃ。聞かせてもらえますかい?」
「え、ええ。まあわたしで分かる事なら……」
キレーダさんは玄太郎と久々に会話出来て嬉しかったようだ。
「どうやら話が聞きたいのはオイではなく代々木博士なんじゃが、代わってよかですか?」
「え、ええ。わかりました」
キレーダさんは少し残念そうだ。
「すまんぞい、キレーダさん。儂は代々木博士ぞい。貴女に聞きたい事が有りますぞい」
「え、ええ。代々木博士、一体何でしょうか?」
「儂らは貴女達の星の事が知りたい。ダバール星の人工太陽とは一体何じゃぞい?」
「え。人工太陽……ですか?」
キレーダさんはダバール星の事を代々木博士に質問され、一つ一つ回答していった。
「ダバール星の人工太陽は、わたし達の大切な物です。ですが今その人工太陽は暴走し、わたし達の星に滅亡の危機が押し迫っているのです」
キレーダさんはダバール星の現状をガッダインチームに説明し始めた。




