第二十七話 巨大獣ベミンガ 出た! 新必殺技 5
機動要塞ドグローン発進!
目標は館山! ブレイン軍団海底基地だ。
俺とマーヤちゃんとバルガル将軍は奇岩島基地を発進し、館山を目指した。
プレシオンロボがいるとすればここだ。
だが流石に三島長官の姿のアイツやウルフ博士は俺達が館山基地に気付いている事は知らないはずだ。
さて、ドグローンを海中に潜伏させて侵攻しよう。
日本の太平洋側の海は大陸棚になっているのでこの巨大な機動要塞ドグローンでも悠々と動く事が出来る。
館山は丁度太平洋と東京湾の両方の境目に有る。
ここに秘密基地を作れば、東京方面に向かうとすれば東京湾側に、千葉や東北方面に向かうならば太平洋側に進撃すれば良い。
――まあ実際の裏話的にはこの辺りのホテルが安く借りられるシーズンオフを狙ってロケをしたというのが本当の所だが、それは黙っておこう。――
小さな巨人ダンバロンなんて作品は本編を作っていた最中に制作スポンサーが倒産し、残りの話を総集編的にして勝浦の方のホテルを借りてどうにか残り数話をまとめて作っていたくらいだ。
まあそれはさておき、館山海底基地は山肌の見える場所の地下に作られている。
先にミザーリンが中に入り込み、エリーザ様を助け出す話になっているのだ。
それなので俺はドグローン、もしくは巨大獣ベミンガを出撃させ、その館山海底基地からミザーリンとエリーザ様を助け出すという作戦でタブレット型通信機を使って打ち合わせ済みだ。
ドグローンが館山に到着した。
だがここが館山かどうかはハッキリ言ってよくわからない。
何故なら海底を移動しているため、GPS機能的な物が無ければソナーを使ったレーダーでしか場所を把握できないからだ。
仕方が無いので俺は地上に小型の鳥型スパイドローンを飛ばした。
看板が見える、館山リゾートホテル……間違いない、ここは館山だ。
さて、海底を調べてブレイン軍団の基地を見つけ出さなければ。
まさかいくら何でも海底ドーム基地を作れるほどの技術は今の時代には存在しない夢物語だから陸に接した場所にあるはず……。
それにあのプレシオンロボはかなりの大きさなのでそれが悠々と入れるだけの地下造船ドックがあるような基地となると、結構な規模になるので見つけるのはそれほど難しくないだろう。
「ブキミーダ殿。吾輩はどうすればいいのだ?」
「しっ! 今は黙っていてくれ。ソナーを敵が持っているとしたら音を拾われかねない」
「す、すまん……」
さて、海底基地はどこにあるのやら……。
俺はドグローンを潜水させ、基地を探した。
お、あの大きな岩影の崖……アレは怪しいぞ!
俺達が岩の崖を見ていると、崖が大きくスライドし始めた。
どうやら崖に偽装した造船ドックのようだ。
間違いない! アレがブレイン軍団の海底基地だ!
さあ、とりあえずミザーリンに連絡だ。
ここでショートメッセージ機能、一応日本語で問題無いだろう
――こちらブキミーダ、ブレイン軍団海底基地発見、エリーザ様救出を頼む――
この内容のショートメッセージを俺はタブレット型通信機に送った。
今は音声を出すより、文章でやり取りした方が良いだろう。
――リョウカイ、エリーザサマ、キュウシュツカンリョウ。キチ、ウエストゲートデマツ――
ミザーリンから連絡が来た!
どうやら彼女は館山海底基地からエリーザ様を救出する事に成功したようだ。
さて、巨大獣ベミンガを出撃させて陽動させよう。
その間にドグローンを海底基地に接岸させてエリーザ様とミザーリンを救出だ。
「ブキミーダ殿、巨大獣ベミンガの指揮は吾輩にやらせてもらえるか。汚名挽回をさせてくれ!」
バルガル将軍、それよくみんな間違えるけど、汚名挽回じゃなく汚名返上というんですわ。
バルガル将軍は巨大獣ベミンガを出撃させ、館山海底基地に向かった。




