第二十七話 巨大獣ベミンガ 出た! 新必殺技 4
ブレイン軍団の館山海底基地を攻撃するという事は、俺は巨大頭脳ブレイン総統を敵に回してしまうという事になる。
だが、それはあくまでもブレイン軍団の基地を破壊してしまえばという事なので、基地を破壊せず、ウルフと三島長官の姿のアイツの乗るプレシオンロボだけを壊滅状態にさせてしまえば俺の勝ちであり、ブレイン総統を敵に回す事は無いわけだ。
その際に俺の考えた作戦は、デビル回路とエンゼルの笛の音波を、あのマーヤちゃんとダンダルの地獄のハーモニーの音波チャンネルに合わせる事で不具合を生じさせる事だ。
コレが上手く行けばプレシオンロボは操縦不可能に陥る。
プレシオンロボはエンゼルの笛の音波で操縦可能なので、その音波を知っている俺はプレシオンロボを逆に操って館山海底基地を攻撃可能というワケだ。
その為に巨大獣ベミンガを使って音波発生装置を仕込まないといけないが、それはそう難しい事ではないだろう。
「ブキミーダ殿、今回の件、大変申し訳ない。このバルガル、共に戦ってくれると言ってくれたブキミーダ殿の為にも粉骨砕身の努力をさせてもらう!」
バルガル将軍が俺に深々と頭を下げた。
いや、俺も命かかってるんで、ある意味一蓮托生なんですが……。
「バルガル将軍殿、とにかく館山に向かおう。あのウルフと三島防衛長官がいるのはどうやらそこで間違いなさそうです」
「タテヤマ、日本のチバって場所の南部か、わかった、ではタテヤマに向かおう!」
「お待ちください、今巨大獣を整備しておりますのでもう少しだけ時間がかかります」
「わ、わかった。それまで吾輩は待機しておこう」
さて急いで巨大獣を用意しなくては。
ガッダイン5大百科の巨大獣図鑑によると……。
――巨大獣ベミンガ――
全長54メートル、重量1350トン
水陸両用の巨大獣で鋭い爪と水かきをもつ。
巨大な嘴もある形である意味カモノハシのようなユーモラスな姿をしている。
水中を素早く動き、魚雷を搭載していて水中攻撃に特化した戦闘を得意とする。
ガッダイン5パワーアップ後の初の敵で超電磁クロスフィニッシュを受けた最初の敵になった。
水中で魚雷を放つもファイヤーストームで魚雷を燃やされ、フリーザーストームで機体を凍らされて水中から空中に跳ね上げられ、超電磁クロスフィニッシュでとどめを刺された。
まあ何と言うか、特徴のあまり無い機体だ。
新必殺技でやられた、という意味では【ロボットシミュレーションゲーム】でも出て来る事もあるが、超弾性金属ミラリウムのイベントの方が印象に強く、コイツよりもミラミガの方が新必殺技の犠牲になるシナリオの方がゲームでは多い。
だが今回はそうも言っていられないのだ!
俺とバルガル将軍はこの機体で捕らえられたエリーザ様を助け出さない事にはマジでアクラデスに――我の部下に無能は必要無いのだ!――と処刑されかねない。
さて早くこの巨大獣ベミンガを調整して館山海底基地に向かわないと。
「ブキミーダ様、聞こえますか?」
「ミザーリン、どうだった?」
「流石はブキミーダ様ですわ、エリーザ様が捕らえられている基地は防衛軍極東司令部では無くタテヤマにあるようですわ」
ビンゴだ!
これで目的地はハッキリした。
さあ、とにかく巨大獣ベミンガを早く制作して館山海底基地に向かわないと!
「バルガル将軍殿、目的地が確定した、エリーザ様は館山海底基地に居るとミザーリンから連絡が!」
「了解した! ブキミーダ殿、出撃は出来るのか!?」
「今丁度調整が終わった、これから機動要塞ドグローンに巨大獣を搭載して出撃可能だ」
「はいはーい、ご主人様ー、こちらも準備完了でーす」
俺はマーヤちゃんとバルガル将軍と共に機動要塞ドグローンで日本の館山を目指して出撃した。




