第二十七話 巨大獣ベミンガ 出た! 新必殺技 3
とにかく一度ガッダイン5の二十七話を思い出してみよう。
鉄巨人イチナナの話はその後だ。
ガッダイン5の二十七話は、前半がアクラデス執政官によるバルガル将軍、ミザーリン諜報官、ブキミーダ参謀長へのガッダイン5に関するデータの聞き取りという形の総集編だった。
総集編の最後はシャールケンとガッダイン5による三角島の戦いでのシャールケンの水没までだった。
そこまでで前半パートが終了、後半はガッダイン5のパワーアップと新必殺技についてを代々木博士が説明するところだった。
この回で追加された必殺技、それが超電磁スマッシュに代わる超必殺技、――超電磁クロスフィニッシュ――だ。
ガッダイン5の右手のファイヤーストームと左手のブリザードストームを同時に放ち、相手を巨大な大嵐で空中に舞い上げてから落ちてきたところを横に切り裂く超電磁スマッシュの後、上に切り上げる垂直超電磁スマッシュで十文字に切り裂く。
コレが相手の落ちてこない宇宙空間だった場合は自らストームの中に超電磁バリアを貼りながら突入し、巨大獣を追いかけてから十文字に切り裂く。
【ロボットシミュレーションゲーム】でもこの必殺技の威力は半端ではなく、MAXフル改造だと50000オーバーのダメージを叩き込む事も可能。
原作でもマグネコンドルがマグナブラストで大打撃を与えたデラヤ・ヴァイデス中枢部やラスボスのデスカンダル皇帝専用ロボにとどめを刺したのがこの超電磁クロスフィニッシュだった。
二十七話の後半はガッダインチームの特訓の末にこの超電磁クロスフィニッシュを使い、巨大獣ベミンガを倒す話だった。
この話では営倉入りさせられたのがダンダル軍務卿だったのでブキミーダがアクラデス執政官にアピールして自ら出撃させてくれと主張していた。
その際にバルガルとミザーリンも出撃させてほしいと主張していたが、ブキミーダはアクラデスに耳打ちをし、――お前の秘密は知っている。皇帝陛下に伝えられたくなければワシを出撃させろ――と言っていたのだ。
なお、このブキミーダが知っているという秘密は、アクラデスが女性だという話だった。
本編でそれが分かるのは三十六話だ。
ブキミーダに秘密を握られている事でアクラデスは彼に出撃許可を出した。
そして巨大獣ベミンガで日本を攻撃したブキミーダだったが、特訓の終わってパワーアップしたガッダイン5の敵では無く、新必殺技超電磁クロスフィニッシュで巨大獣を破壊され、撤退せざるを得なかった。
その後再び営倉に閉じ込められたブキミーダと入れ違いにバルガル将軍が釈放され、次の作戦をアクラデスに伝えられるまでの話だった。
まあ俺の今の展開がこの二十七話と同じになるとは思えない。
むしろ鉄巨人イチナナのプレシオンロボ登場の話を思い出した方が良さそうだ。
――大海獣プレシオンロボが登場したのは確か二十八話だったはず。
プレシオンロボは海から出現し、勝浦海岸を襲撃。
海水浴客達が大勢避難し、ブルーマフラー隊が迎え撃つ話だ。
この際に有ったブレイン軍団の海底基地、それがあったのが勝浦から少し離れた館山だった。
この館山を舞台に鉄巨人イチナナとプレシオンロボは激突し、そこにアインアハトも到着した。
鉄巨人イチナナはプレシオンロボをグラビトンブラストで倒そうとするが、プレシオンロボは海中に逃げてしまい、イチナナはブレイン軍団の館山基地の破壊だけしか出来ないまま待機状態のフォートレスモードに変形してしまった。
この状態を攻撃すれば鉄巨人イチナナを破壊できるはずだったアインアハトだったが、サブロウ少年の呼びかけでそれを中止、海に潜って消えていった。
――そうだ! 目的地は館山だ。ここに今エリーザ様が捕らえられているに違いない!
俺は巨大獣ベミンガを作り、館山のブレイン軍団海底基地に向かう事にした。




