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第二十四話 巨大獣グルルガ 超電磁プロペラ破れたり 5

 ウルワシアは安川美人というよりは荒井美人といった感じのキレーダを少し年取らせたような美女だ。

 見ようによってはまだ十分二十代で通用しそうな美しさで、佇まいからも貴族の夫人と言った雰囲気が漂ってきている。

 そのウルワシアが本来の夫であるブキミーダにダバール星本星から超遠距離通信機で連絡をしてきたのだ。


「どのような御用って……アナタ、今そちらにキレーダはいませんの?」


 やっぱりこの話だったかー!

 これ原作でもあったシーンなんだよな。


 その時のブキミーダはとにかく自分が悪くない、キレーダが勝手に出撃して戦死したと言っていた。

 それを聞いたウルワシアが泣き崩れたのにそれに輪をかけたのが、ブキミーダが――お前の育て方が悪いからこうなった、おかげでワシは皇帝陛下にアイツを嫁として差し出す計画がぶち壊れだ!――


 と言ったもんだから、流石にウルワシアも激怒し、その後通信を切ったくらいだ。


 だが流石に社交界の華と呼ばれたウルワシアは怒りを面に出さず、ニッコリと笑いながら通信を切った。


 その後、ウルワシアは反皇帝派のハリール王子を支持する旧貴族派を集め、その出資者としてブキミーダと敵対したのだった。


 ――って、彼女こそ今の俺にとっての死亡フラグそのものじゃないか!?


 ……まあ、今回はキレーダが死んだわけでは無いが、どう言って説明すれば良いものやら……。


「アナタ、聞いていますの? キレーダはどうしたのかしら?」

「あ、キ、キレーダね。ちょっと待ってくれないか」


 困った困った、さあどう説明しよう。

 

 死んだわけじゃないから会おうと思えば会える、だがおいそれと――彼女は現地で助けられた地球人に惚れてしまい、軍を辞めて地球人と結婚しました――なんて言った日には、原作とは違った形で俺が監督不行き届きだと責められてしまう。


「それで、キレーダはどうしましたの? そこに居ませんの??」

「それが……キレーダは、戦闘中に負傷してしまい、地球人の捕虜になってしまったのだ」


 それを聞いたウルワシアの表情が一瞬ものすごく険しくなったかと思ったら、今度は青ざめた(?)感じに蒼白になってしまった。


「な、何という事でしょう。あのキレーダが、よりによって蛮族の野蛮人である地球人の捕虜にされてしまうなんて……ああ、なんて可哀そうなキレーダ……地球人なんて滅びてしまえばいいのに」


 この人、本来は美人で良い人なのだろうが、やはり貴族だけに生まれながらの選民思想で出来ているのだろう。


「言葉を返すようで悪いが、ワシは地球人がそれほど粗暴で野蛮だとは思わんのだが、オマエの思い込みではないのか?」

「まあ、何ということなの! アナタ、キレーダより地球人の肩を持つのかしら!?」


 いや、誤解なんだけど……でもどうやって説明すればいいんだコレ??


「もういいです。あたくし、前から我慢していましたがもう愛想が尽きましたわ、まさか自分の血を分けた娘より粗暴で野蛮な地球人の肩を持つなんて、アナタひょっとして地球人のスパイなのじゃないのでしょうね!?」


 あーあ、ウルワシアさん大激怒だよ。


「ウ。ウルワシア、それは誤解だ! 聞いてくれ!」

「いいえ、もう決めました。あたくしはアナタと離婚します。汚らわしい地球人と関係を結んでいるような下衆な人とはもう口もききたくありません、御機嫌よう」

「だから誤解だって! 聞いて……」


 だがウルワシアは通信機の電源を切り、それからまったく反応してくれなかった。

 マジでどうするんだよ! 今度は新たな死亡フラグで俺が地球人のスパイ扱いされてしまったよ!!


 マジでこうなったら巨大獣で少しでも戦って俺が地球人のスパイでは無いとアピールしなくては……。

 さて、巨大獣制作に向かいますか。

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[良い点] 今話もありがとうございます! [気になる点] >マジでどうするんだよ! 今度は新たな死亡フラグで俺が地球人のスパイ扱いされてしまったよ!! もう少し上手い言い訳(※)があった様な気もしま…
[一言] >「いいえ、もう決めました。あたくしはアナタと離婚します。汚らわしい地球人と関係を結んでいるような下衆な人とはもう口もききたくありません、御機嫌よう」 ひっでえ事いうよなー。娘さんが聞いた…
[一言] こうきたかー フラグ管理ガンバ!
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