第二十四話 巨大獣グルルガ 超電磁プロペラ破れたり 4
ガッダイン5の二十四話では、身体を弱らせてしまった玄太郎が風邪をひき高熱を出して倒れてしまう事になる。
その後、娘を失ったブキミーダはその腹いせに巨大獣グルルガを使い、日本に侵攻。
シャールケンが不在の今、新司令官が到着するまでに自身が司令官になれるとデスカンダル皇帝にアピールしようとしていたのだ。
巨大獣グルルガは両手の巨大回転ノコギリで次々と建物を破壊、住民を虐殺した。
――この映像が結構今では規制の入りそうなグロ画像だったんだよな。
回転ノコギリにモブの人間が何人も斬られ、身体がバラバラになるシーン、一瞬だけど女性の生首が飛ぶところなんて……下手すれば子供にトラウマを与えるレベルだ。
ガッダインチームはダインマシンで現場に到着し、巨大獣グルルガと戦おうとするが、玄太郎は本来絶対安静だった。
だがそれでも玄太郎は自らの身体に鞭を打って戦おうとする。
それは、地球人だけではなく……ダバール星人のキレーダの弔い合戦でもあったからだ。
ガッダインチームは玄太郎に無茶をさせないよう、出来るだけ遠距離攻撃で戦おうとするが、巨大獣グルルガは回転ノコギリでそれらの武器を次々と壊し、ビッグミサイルも切り裂く。
龍也は超電磁プロペラで巨大獣の腕ごと回転ノコギリを斬り飛ばそうとするが、巨大獣グルルガはその超電磁プロペラを切り裂いた。
遠距離攻撃では勝てないと考えた玄太郎は身体に負担をかけても自身がアイツを倒すとガッダインチーム全員に伝え、グルルガをおびき寄せる。
そして一瞬のうちに腕を捕らえた玄太郎は得意の柔道技でグルルガの両腕を破壊した。
両腕を破壊された巨大獣グルルガに向かい、龍也は超電磁ストームで固定させた後、超電磁スマッシュでとどめを刺した。
辛くも巨大獣を倒したガッダインチームはすぐに北原未来要塞ベースに帰還し、玄太郎を集中治療室に連れて行く。
そして数日後無事病気の治った玄太郎は今は亡きキレーダに、これ以上不幸な人を増やさない為に戦う事を誓ったのだ。
――という話だ。
まあガッダイン5監督インタビューでは長富監督の好きなキャラが玄太郎だと言っていたが、まあ実直な彼らしいエピソードだと言えるだろう。
だがこれはあくまでも原作での話だ。
キレーダが九州の玄太郎の母親、巴の元に行った今ではそこまでハードでシリアスな話にはならないだろう。
……と思っていたのだが、俺が昆虫型スパイドローンで北原未来要塞ベースの様子を見ると、玄太郎が風邪をひいてしまい寝込んでいる光景が映っていた。
あららら、まあ……キレーダを案じてずっと食事を摂らずに集中治療室の前に三日三晩座り込んでいたらそうもなるわな……。
仕方ない、まあしばらくは日本侵攻は止めておいてやろう。
そう思っていたんだが、俺に基地司令代行のエリーザ様から呼び出しがかかった。
一体何だろうか?
俺が謁見の間に向かうと、エリーザ様はあまり良い表情ではなく、俺にこのように伝えた。
「ブキミーダよ、貴方に通信が届いています。すぐに確認するように」
へ? 俺に通信……? 一体誰からだ。
俺が亜空間通信機のある部屋に向かうと、そこには巨大な通信機があった。
この亜空間通信機、奇岩島基地に一つだけ、超巨大要塞デラヤ・ヴァイデスにも一つだけの貴重な超遠距離通信機だ。
「久々ですわね、アナタ」
「そ、その声……貴女はウルワシアさんですか?」
「あら、貴方があたくしの名前を呼んでくれるなんて、初めてですわね」
「……それで、一体どのようなご用件ですか?」
コレってひょっとして、いやひょっとしなくてもキレーダの話ではないのだろうか……。
さて、俺はどうやってウルワシアにキレーダの話を伝えるか……。
困った展開になってしまった。