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第二十四話 巨大獣グルルガ 超電磁プロペラ破れたり 2

「キレーダさん、オイは……アンタに惚れてしまいましたたい。オイはアンタが不幸になるのを見たくないですたい!」

「でも、ここにいたら皆さんに迷惑が掛かります……わたしは、誰も知らない場所で一人で暮らしますから……」

「アンタ、オイが嫌いですか?」


 いや、傍から見てどう見てもアンタらお似合いのカップルで応援したくなるって。


「そんな、そんな事無いです……でも」

「ここにいれないならここにいなければいいんですたい! 代々木博士! お願いがありもうす!」

「玄太郎君、お願いとは何ぞい?」


 あ、何となくだがもう話の流れは見えた。

 まあそれが一番誰も不幸にならない最良の選択だろうな。


「博士、ガッダイン5を貸してほしいですたい!」

「玄太郎、まさかキレーダさんのためにダバール星人の基地まで送り届けるつもりじゃねえよな?」

「もうっ。龍也さんっ。そんなワケないでしょっ」


 龍也ってこういう時全く頼りにならないな。


「まあ、しばらくはダバール星人が攻めてくるわけでもなさそうじゃし、構わんが……一体どうするつもりじゃぞい?」

「キレーダさんを、オイのかーちゃんのとこに連れて行くですたい!」


 まあそうだよな。それが一番安全で安心な方法だろう。


「なるほどな、確かに九州の田舎なら防衛軍の追撃も届かないだろうし、今三島のヤローがいないならキレーダさんが生きている事もまだ知られていないってわけか」

「龍也、お前は今になってようやく気が付いたのかよ、おれはもうそういう話になるなと想像していたんだがな」

「なんだと!? 流。……まあ、今はオレ達が争うより一刻も早くキレーダさんを連れて行ってやろうぜ」


 ガッダインチームは全員がキレーダを九州に連れて行くことに賛成し、彼女は玄太郎と同じダインパンツァーのコクピットに乗る事になった。

 俺は昆虫型スパイドローンを密かにそのコクピットに忍び込ませ、様子を見ることにした。


「お前達、気を付けて行ってくるんじゃぞい。お土産もきちんと渡し忘れるなよー」


 ガッダイン5は相模湾から一気に空を飛んで九州の熊本を目指した。


「ん? 何ねアレ? ってアレは……玄太郎の巨大ロボットかい!?」


 流石の玄太郎の母、巴もいきなり目の前に巨大ロボが現れた事には驚いていた。


「かーちゃん、頼みがあるんだが聞いてくれるか?」

「玄太郎、お前……戦いが終わって一人前になるまで家には戻らないんじゃなかったのか?」

「そりゃそうじゃが、今回はその話じゃないんですたい」


 そう言うと玄太郎はキレーダをコクピットから降ろし、巴に紹介した。


「あれま、ずいぶんとめんこい子だね。でも、この子は一体?」

「かーちゃん、何も言わずにこの子の面倒を見て欲しいんですたい! お願いじゃ!」

「玄太郎……男の顔になったね。ええよ。その子、オラが面倒見てやる!」

「かーちゃん! 良いのか? オイ、まだ何も言ってないのに」


 巴がニカッと笑いながら玄太郎とキレーダの方を見た。


「ええよ、何も言わんでもかーちゃんには分かる。その子、苦労しとるんじゃろ。オラが面倒てやるって、何、どこか遠くの外人さんなんじゃろ」

「かーちゃん、ありがとう! ありがとう……」


 玄太郎が男泣きをした。


「なんね、何泣いとるんじゃ、男は涙を見せぬものじゃろ、笑って帰るんじゃ。お前が立派になって帰ってくるまで()()で待っとるからな」


 玄太郎は母親に深々と礼を言うとガッダイン5で空に向かい飛び去った。


「アンタ、玄太郎の事好きなんね。あの子はオラの自慢の息子じゃ」

「ゲンタローさんの、お母さん?」

「そうじゃ、アンタが何者かまでオラは聞こうと思わん。まあどこか遠くの国の外人さんみたいなもんじゃろう」

「わたし、キレーダと申します。おばさま」


 巴さんが少し不機嫌そうな表情を見せた。


「なんね、そんな他人行儀な。オラの事はかーちゃんとでも呼んでくれって」

「え、そ……それでは、お母さま……」

「あら、アンタ良いとこのお嬢様なんね。まあ、これからよろしく。レイちゃん」

「レイちゃん……わたしのことですか?」


 どうやらキレーダは巴に気に入られたようだ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ……ぃ良ぉっし!! [気になる点] ところで、キレーダ嬢の肌の色は素の状態だろうか? 巴さんは気にしないだろうが、どうしても外出せざるを得ない場合は、副作用無しに肌の色を隠す方法が必要だな…
[一言] その展開になったか…… しかし、あの野郎が気付くかもしれねえ。 万一の時は、「アレ」をやるしかない
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