第二十三話 巨大獣ミラミガ 反射攻撃の罠 11
ガッダイン5は巨大獣ミラミガの中に洗脳されて暴走したキレーダがいる為、攻撃できずにいた。
「やれ! 殺せ! キサマら、そのダバール星人の狂った女を殺してしまえっ!」
「三島長官、ひょっとして……彼女に何かしたのですか?」
「な、何を言うか代々木博士。ワシは知らん、部下が勝手にやった事だ!」
コイツは昔からそういうヤツだ、悪い事は全部人のせい。
「三島、お前との友情も今日限りだな。光太郎との約束だったがお前とはもう一緒にはやっとられんぞい!」
代々木博士が激怒している。
まあ当然だろう、彼はそういう筋の通らない事が許せない性格だ。
「お前達、辛いかもしれないが……彼女を楽にしてやってくれ」
「出来んですたい……オイは、彼女を、キレーダさんを信じますたい」
「玄太郎君、気持ちは分かるが……」
玄太郎はガッダイン5の胴体部のダインパンツァーのコクピットから大声で叫んだ。
「キレーダさーん! 目を覚ますですたい! アンタ、そんなことできる人じゃあない。もっと、優しい心のきれいな方ですたい!」
「ア……アァ……ゲン……タロー。ウワアアアガアアァァッ!」
巨大獣ミラミガの行動が止まった。
「行くぜ、ファイヤーストーム!」
龍也が新武器ファイヤーストームをガッダイン5の右手からミラミガ目掛けて放った。
だが超弾性金属ミラニウムは熱を一切通さない断熱金属だ。
「クソッ! ダメか!」
「それならこれでどうだっ! フリーザーストーム!」
今度は流が左手から極寒の突風を吹き出した。
そしてフリーザーストームを喰らった巨大獣ミラミガの動きが止まった!
「キレーダさん、オイがこの手で……アンタを楽にしてやるたいっ!」
玄太郎がガッダイン5のメインシステムを操縦し、凍り付いたミラミガを両手で掴んだ。
「必殺、冷凍地獄車ですたいっ!」
「グガアアアアアッ!」
ミラミガの巨体がガッダイン5に何度も地面を転がされ、超弾性金属ミラニウムがボロボロと崩れ出した。
そして剥がれた金属の内側に玄太郎はミラミガの装甲の薄くなった部分があるのを見つける事が出来た。
「竹千代どん、あの中のどこにコクピットがあるですたい!?」
「玄太郎さん、あの胸の部分から赤外線反応が感知されます!」
「うおぉおおおっ! キレーダさーんっ!!」
ガッダイン5の右手がボロボロになった巨大獣ミラルガの胸部に突き刺さった。
「オイが、アンタを助けてやるたいっ!」
「ア、アァァアァァアアアッッ!」
ブチブチブチィッ!
玄太郎はガッダイン5の右手をミラルガの胸部にえぐり込ませ、キレーダをコクピットごと引き抜いた。
コレってまるで、――黄金軍団ゴールドタイタン――の主役ロボ、ゴールドタイタンの超必殺技ゴールドフィニッシュだな。
ミラミガのコクピットを引き抜いた玄太郎はダインパンツァーのコクピット部分を開け、気を失ったキレーダを自分のコクピットに引きずり込んだ。
「龍也どん、今ですたいっ」
「わかった、行くぜ! 超電磁……ストームッ!」
右手から灼熱の火炎、左手から極寒の冷気の嵐が巨大獣ミラミガを捕らえた。
「行くぜっ! 超……電磁スマァアアアッシュ!!」
「ミラァミガァアアアッ!」
そして超難敵巨大獣ミラミガは超弾性金属ミラニウムと共に木っ端みじんに大爆発を起こした。
どうやら三島長官の姿のアイツはどさくさに紛れて逃げ出したようだ。
その為、アイツはどうやらキレーダが生きている事には気が付いていないらしい。
「急げ、北原未来要塞ベースで彼女を助けるんだ!」
「龍也どん、本当に……本当にかたじけないですたい!」
「良いって事よ、オレ達仲間だろう」
「そうだぜ、玄太郎……おれに任せな、高速でかわい子ちゃんを送ってやるよ!」
ガッダインチームは気を失ったキレーダを連れ、北原未来要塞ベースに帰還した。