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第二十三話 巨大獣ミラミガ 反射攻撃の罠 2

 俺の設計した超つよつよアンテナは、普段は最高レベルの電波受信が可能だ。

 だが、いざ台風や荒天になると、途端にテレビが見られなくなってしまう。


「ご主人様ー。まだですかー? まんがここから物語が終わっちゃいますー」

「わかったから急かさないで、今修理中だから」


 マーグタンって言ってる場合じゃないよ。

 早くしないと、俺の部屋にブキミーダの娘のキレーダが来てしまう。

 そうすればあのキレーダに、間違いなく俺が父親とは違う別人だと見破られてしまう。


 どうにか早く高性能アンテナを使わなければ……しかし材料は……。

 ――! あ、巨大獣ガガビビの使わなかった乳首レーダーのスペアが残っていた。


 俺はさっそくロボット格納庫からガガビビに使うつもりだった乳首レーダーのスペアをマーヤちゃんに持って来させた。


 マーヤちゃんの馬鹿力ならこれくらいは余裕で持てる。

 実際マーヤちゃんは乳首レーダーのスペアをすぐに運んでくれた。

 コレを、このテレビケーブルの下に組み込ませて、この歯の部分がガッチリと銅線を噛むように設定すれば……成功だ!


「どうだったかな? ここからテレビの歴史が始まったんだよ」

「おねーさん、ボクよくわかったよ。だからテレビ見ていい?」

「だーめ、今からご飯だからね。みんなもご飯中にテレビ見ちゃ、ダメだぞ。おねーさんとの約束だからね。それじゃーねー、マグタン、何でテレビ見てるのかな?」


 そしてマグタンがおねーさんに追いかけ回されていた。

 どうやら今日の話はテレビのここからだったらしい。


 マーヤちゃんが涙目になっている。

 残念ながら今の話はビデオに撮っていてもそのビデオ自体が台風のせいでノイズだらけになっていてまともに見れないんだ、許せ。


 マーヤちゃんが俺に対してポカポカパンチをしてきた。

 マジで痛いんでやめて、まだギャグみたいなものだから生きてられるが、もしこれがシリアス時空なら確実に俺はミンチだ。


「おや、お父さま。一体何を遊んでおられるのでしょうか?」

「そ、その声……お前、キレーダなのか!?」

「はい、天候が悪いと聞いたので早倒しでここに来ました」


 何という事だ、俺がテレビアンテナを直している間にキレーダが奇岩島基地に到着してしまったらしい。


「そ、そうだったか。母さんは……ウルワシアは元気か?」

「変なお父さま。母さんなんて……普段ならアイツとかあの女って言って名前なんて呼んであげてた事ないのに……」


 やっちまった! そうだ、原作のブキミーダは妻に対してアイツとかあの女と言っていた!


「い、いや……実はワシは少し反省してな、そんな言い方でお前や母さんを傷つけていたんだなと考えてしまったんだ……」

「そうなのですね。お母さまが聞いたら喜んでくれると思いますわ」


 ブキミーダの奥さんであるウルワシア。

 彼女は貴族であるブキミーダが伯爵の出だとするなら、公爵令嬢という立場だ。


 ハッキリ言えば立場的には奥さんの実家の方が上、だがブキミーダはどんな方法を使ったのかはわからないが、貴族達に人気の高かった社交界の華であるウルワシアを自らの物にしてしまった。

 一説にはデスカンダル皇帝に頼み込んで彼女の実家を脅すようにして、婚約しなければ実家を潰すと脅されたとも言われている。


 まああのブキミーダの性格なら十分考えられる事案だ。


 その後ウルワシアを自らの妻にしたブキミーダは彼女との娘キレーダを作った。

 ブキミーダはそのキレーダを皇帝の妻として提供する事で自身の地位を手に入れようとしたのだ。


 だが不幸中の幸いか、ダバール星の人工太陽暴走により、ブキミーダは本来の内務局からダバール星を元に戻すか新たな移住先を探す為の宇宙軍に転向する事になった。


 その為キレーダは貴族との政略結婚の材料にされずに済んだのだ。

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