第二十一話 巨大獣ダングル バルガル将軍の怒り 10
「ガッダインよ、聞こえるか? 吾輩の言う事を聞いてほしい」
「何だ何だ、一体どうしたってんだよ」
バルガル将軍がガッダインチームに俺の言った事を伝えてくれた。
「先程の作戦に補足があるのだ。実は吾輩の信頼するブキミーダ殿の提案なのだが、あの巨大要塞に詰まれたミサイルを破壊するには、お前達の武器だけでは無理だと言っておった」
「どういう事だよ、あのブキミーダとかいう奴が言ってるのかよ、そいつ本当に信用できるのかよ?」
まあそう言われても仕方ない、見た目だけではとても信用できないだろうからな。
だが一応信用してほしいんだけどな……。
「見た目の事は言うな、奴もそういう見た目に生まれたくて生まれたわけでは無い。むしろ中身はお前達の思っているより立派な男だ。吾輩が最も信用できる仲間の言う事だ、頼むから聞いてほしい」
まさか、原作のバルガル将軍だと口が裂けても聞けないような事を言っている。
「そうかよ、それで……そいつはどうしろってんだよ?」
「ブキミーダ殿が言うには、まずあの巨大要塞を倒すには周りのバリアを壊す必要がある。それはイチナナ殿に頼みたい」
「……ラージャー」
鉄巨人イチナナの目が青く光った、肯定のサインだ。
「そしてアインアハト殿、お主にはそのバリアが破壊された後のバリア発生装置を壊してもらいたい」
「了解ダ、僕二任セテモラオウ」
アインアハトもこの計画に乗ってくれた。
「その上でガッダイン、お前は吾輩の投げるその巨大獣ダングルをビッグミサイルで要塞目掛けて吹き飛ばして欲しい、そうすればダングルは大爆発を起こし、あの巨大ミサイルも破壊できるだろう!」
「わかった、バルガル将軍。一旦休戦だな、オレ達に任せてくれ!」
「頼むぞ!」
そして地球人、ダバール星人、ブレイン軍団の簡易チームが結成された。
ウルフ要塞を破壊するまでは協力する仲間だ。
「ハーッハハハハハハ、ガラクタが集まっても何もできないデース。この科学力の前にケシズミになってしまいなサーイ!」
ウルフ博士がオレ達を挑発している。
「イチナナ、グラビトンブラストを撃って!」
「ラージャー。グラービトン・ブラースト!」
イチナナの胸が開き、グラビトンブラストが発射された。
計画通りグラビトンブラストの重粒子の塊は重粒子バリアを吸収し、消滅した。
「次ハ僕ダ! グラビートン・ブラースト!」
アインアハトのグラビトンブラストがウルフ要塞の重粒子バリア発生装置を爆縮させ、要塞のバリア機能は完全に破壊された。
「オウ、な、なんという事デスカー!? ウルフ要塞のバリアが??」
流石のウルフ博士も重粒子バリア発生装置が壊されるとは思ってはいなかった。
「次は吾輩だ、これでも食らえぇえええ!」
バルガル将軍が巨大獣ダングルをジャイアントスイングでウルフ要塞目掛けてぶん投げた!
ぶん投げられた巨大獣ダングルは見事に要塞の風穴の開いた部分に飛んでいった。
流石はバルガル将軍の技量というべきか。
「それじゃあ今度はオレ達だぜ! 行くぜ、ビッグミサイルだぁあっ!」
「ダァアアアングルゥウウッ!」
巨大獣ダングルよ、済まない。お前の尊い犠牲は忘れない。
ガッダイン5の背中から上空目掛け、ビッグミサイルが放たれた!
「そ、そんな……バカなっ! 信じられないデース!?」
「ウルフ博士、どうなっておるんじゃ! ワシの破滅ミサイル水爆砲はどうなった!?」
「それどころではありまセーン! わたし脱出シマース!」
ウルフ博士は脱出装置でウルフ要塞からさっさと逃げだした。
無人になったウルフ要塞は自動迎撃システムも壊れ、巨大獣ダングルが起爆剤となり内部から爆発、浮遊装置が壊れてそのまま地面に墜落して爆発を起こした。
「ふう、やったぜ!」
「お見事なり!」
「僕達、ウルフ博士ヲヤッツケタンダネ」
「ラー……ジャー……」
ウルフ要塞を倒した四体のロボットはそれぞれの思いを胸に抱き、墜落して爆発したウルフ要塞を見つめていた。