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第二十一話 巨大獣ダングル バルガル将軍の怒り 7

「そこをどけ! どかぬというなら力づくで通させてもらうぞ!」

「ブレイン様ノ元二ハ行カセナイ、ドウシテモトイウナラ僕ガ相手二ナル!」

「何だと、貴様、シャールケン様みたいな声をしやがって、不愉快な奴だ!」


 いや、それ言ってしまうと……原作の声優同じなんですが。


「ブレイン様二逆ラウ奴ハ僕ガ相手ヲスル」

「このバルガル将軍を舐めるな! まだ本調子ではないとはいえ、貴様程度この巨大獣バルバルの敵では無いわ!」


 バルガル将軍が突貫修理の終わった巨大獣バルバルで破壊ロボットアインアハトに戦いを挑んだ。

 アインアハトは巨大獣バルバル相手に取っ組み合いで力比べをしている。


 さて、そろそろ巨大獣ダングルの出番か。


 機動要塞ドグローンの口が開き、中から巨大獣ダングルが出撃した。


「よし、巨大獣ダングル、敵ロボットを攻撃しろ!」

「グゴゴゴゴッ!」


 戦車に手足の生えたような巨大獣ダングルは手の巨大砲から砲弾を打ち出した。

 アインアハトはその砲弾を右手で払いのけた。


 払いのけられた砲弾は秩父の山の中腹に飛んでいったが、爆発してもがけ崩れは起きなかった。


 流石は日本で一番岩盤の硬いとも言われている場所だ。


「くっ、やるではないか! 巨大獣ダングル、もっと撃ち込め、避ける隙を与えるな!

「グゴオオオン!」


 巨大獣ダングルの砲撃が何度も繰り出され、流石のアインアハトも膝をついた。

 流石の超金属も物理的な畳みかけるような攻勢には耐えきれないようだ。


「コ、コンナハズデハ。僕ノ計算ガ間違ウナンテ……」

「ダケドココヲ通スワケ二ハイカナイ! デビル回路、発動!」


 アインアハトの目が真っ赤に光る。

 どうやらデビル回路が作動したようだ。


 そうなると、巨大獣ダングルも同じようにデビル回路が作動してもおかしくはない。

 だが、その際の対策は搭載済みだ。


「グォゴゴゴゴッ!」


 巨大獣ダングルの様子がおかしくなった。

 目が赤い、どうやらデビル回路が作動したようだ。


 だが、俺はそのタイミングに合わせてスイッチを押した。

 そう、エンゼルの笛の音の音声レコーダーだ。


 エンゼルの笛の音がデビル回路の上に鳴り響き、巨大獣ダングルの目が赤と黄色の点滅を始めた。

 どうやらデビル回路に不調が出ているようだ。


「ナ、何ダコノ音ハ!? ボ、僕ノ頭ガ……!」


 なんと、エンゼルの笛の音は破壊ロボットアインアハトにも鳴り響いたようだ。


 アインアハトが頭を抱え、苦しんでいる時、空から飛来するロボットがあった。

 あれは鉄巨人イチナナだ。

 どうやらグラビトンブラストの待機時間が終わったらしい。


「イチナナ、あの場所におりて。何か様子が変だわ」

「ラー……ジャー……」


 鉄巨人イチナナが翼を畳み、地面に降り立つと、そこには黄色く目を光らせたアインアハトが立っていた。


「オ前ハ……誰ダ?」

「アインアハト、何をしている!? 目の前にいるのはアインゼプト、お前の敵だ!」


 巨大頭脳ブレイン総統の声が響いた。

 どうやら秩父の地中から声を出しているようだ。

 多分どこかに大型のスピーカーがあるのだろう。


「アインアハト、ソレガ僕ノ名前……」

「どうした、アインアハト。何故記憶が……まさか! あの笛の音か!」


 巨大頭脳ブレイン総統はどうやら俺の作ったエンゼルの笛の音がデビル回路に不具合を生じている事に気が付いたらしい。

 だがどうして俺がそれを知っているのかまでは気が付くまい。


 お、どうやら今になってダインマシンが秩父に到着したらしい。


 これでガッダイン5、鉄巨人イチナナ、アインアハト、巨大獣バルバル、そして巨大獣ダングルが秩父の山奥に揃ったわけだ。


 だが俺達はまだこの時、三島防衛長官の姿をしたアイツが恐るべき兵器、破滅ミサイル水爆砲を準備している事に誰一人気が付いていなかった。

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