第二十話 巨大獣ボボンガ 戦士の誇り 8
銀色の騎士の形をした巨大ロボはシャールケン提督に似た声で話している。
「目標、前方ノ敵ロボット。片方ノロボットニハ攻撃ヲ当テナイヨウニ注意」
破壊ロボットアインアハトが指先からミサイルを撃ってきた。
これは鉄巨人イチナナと同系統のミサイルで指からの攻撃で敵をけん制する武器だ。
ミサイルの直撃を受けたガッダイン5の巨体が揺らいだ。
「グワァアッ! 何だよっ! アイツ」
「龍也くんっ。よく見てっ。あの胸の数字、18って書いてるわ」
「という事はアレが鉄巨人イチナナの敵ってわけだな」
ガッダインチームが体勢を立て直そうとした時、空から降りてきたアインアハトはガッダイン5目掛けて鋭いキックをブチかました。
「うわぁあっ!」
「敵ロボット、殲滅開始。ジェノサイドプログラム、発動」
アインアハトの目が真っ赤に染まった。
これはアインアハトのデビル回路によるジェノサイドモードだ、この状態になると消費エネルギーは激増するが攻撃力は倍加する。
アインアハトは圧倒的なパワーでガッダイン5を投げ飛ばした。
「コイツ、ミカタ? オレ、ミテイルダケ??」
巨大獣ボボンガが立ち止まっている。
まあいきなりの想定外の光景に自身が今どうしていいのかが分からないのだろう。
そんな状況の品川の空にもう一台の飛行物体が現れた。
あれは……イチナナフライトモードとスカイコンマシーン!
スカイコンマシーンにはフジ子とガンテツが乗っていた。
これは外部から鉄巨人イチナナに指示を出しやすいように地球防衛軍が提案し、イチナナに協力してもらって作った指令用特殊車両だ。
「変形、イチナナバトルフォーメーション!」
「ラージャー……」
イチナナフライトモードが地面に着地し、戦斗巨人イチナナバトルフォーメーションに変形した。
「コレガ、ブレイン様ノ言ッテイタアインゼプト。イヤ、鉄巨人イチナナカ。僕ノ倒スベキ敵! イクゾ、イチナナ!」
アインアハトは鉄巨人イチナナ目掛け、強烈なパンチを打ち込んだ。
鉄巨人イチナナの目が赤く光り、パンチを受け止める。
その後、鉄巨人イチナナはアインアハトを持ち上げ、海目掛けて投げ込んだ。
「ぐぉおおっ!」
一方のガッダイン5は巨大獣ボボンガを相手に攻撃を開始した。
「超電磁プロペラだぁぁっ!」
「アマイ、オレコンナノデマケナイ」
巨大獣ボボンガは両刃のナギナタを器用に使い、超電磁プロペラを全部切り払った。
「なろぉお、味なマネをしやがって! それならこれでどうだ! 超電磁ワイヤー!」
「オソイ!」
巨大獣ボボンガは超電磁ワイヤーもナギナタで斬り捨てた。
「くっそ、こうなったら、メタルダートだ!」
「アタラナイ、アタラナイ」
なんと巨大獣ボボンガはナギナタを回転させてメタルダートすら弾き飛ばした。
「こうなったら、受け止めて投げ飛ばしてやるたいっ!」
玄太郎がボボンガの攻撃してきたタイミングに合わせ、腕を掴んで地面に投げ落とした。
「コレデモクラエ!」
「うぐあああっ!」
巨大獣ボボンガの首飾りの髑髏からのビームがガッダイン5の目に直撃した。
ガッダイン5が怯んでいる間に、アインアハトのレーザーが襲う!
「くそっ! 敵は一体だけじゃないってわけか」
「ガッダインチームの皆さん、アインアハトはボクが引き受けます!」
鉄巨人イチナナに命令し、フジ子はアインアハトをガッダイン5から引き離した。
その四体のロボットを見ている何者かがいる!
俺は偵察用スパイドローンをその方向に向けた。
あれは、スーパーフォートレス。あんな骨董品に一体何を……! まさかっ!?
「いいか、地球を救う目的という大事の前には小事は仕方のない事だ、さあ、防衛軍の開発した重粒子ミサイルを発射しろ!」
「重粒子ミサイル……撃ちー方、始め!」
やりやがった!
三島防衛長官の姿のアイツはいかにも防衛軍が新しく開発した技術だと見せかけ、四体のロボット目掛け重粒子ミサイルを発射してきた!!